
『江戸一新』
門井慶喜 著
首都消失――
「明暦の大火」で江戸の大半が焼けた時、
松平〈知恵伊豆〉信綱らが老中会議で決めたのは、
東京に繋がる「大江戸」への建て替えだった。
〈解説〉内田剛
『うぽっぽ同心十手裁き 捨て蜻蛉』
坂岡真 著
静に贈るために質流れの鼈甲櫛を手に入れた勘兵衛。
しかし貧乏浪人から、義母の形見なので譲ってくれと頼まれて......。
大好評「十手裁き」シリーズ第五作!
『不純正律(下)』
佐藤青南 著
誠実なピアニストの仮面を被りつつ、
十人以上の人間を惨殺していた男。
最凶のシリアルキラーを追いつめる、
音喜多と桜子だが――
待ち受けるのは、まさかのどんでん返し!?
文庫書き下ろし。
『隣の芝生にご用心』
赤川次郎 著
香子の隣の家に引っ越してきたのは初恋の人。
さらに夫の前には「昔の知り合い」が現れる。
夫婦の間に秘密が生まれ、思いがけない事件が起こる!
再会は事件の予兆!?
〈解説〉山前譲
『荒地の恋』
ねじめ正一 著
53歳の詩人・北村太郎が恋に落ちたのは親友・田村隆一の妻だった。
平凡な生活を捨て、詩と愛に生きた「荒地派」詩人たちの軌跡を描く中公文芸賞受賞作。
巻末に、西川美和による書評、および著者による中公文芸賞受賞の言葉を収録。
『屋根裏の遠い旅』
那須正幹 著
少年二人が教室の屋根裏に入り込むと、
そこは日本が太平洋戦争で勝利した世界だった。
「ズッコケ三人」の巨匠が若き日に著わした、
異色の戦争児童文学。
戦後80年・昭和100年の終わりに、待望の復刊!
〈解説〉藤田のぼる
『太陽の男 石原慎太郎伝』
猪瀬直樹 著
『太陽の季節』で日本中を熱狂させた石原慎太郎は、
社会に何を警告したのか。
文庫版付録として、巻末に著者と石原慎太郎、鹿島茂との対談二編を収録。
〈解説〉井上隆史
『現代落語論』
立川談志 著
29歳の若手真打だった談志が著し、
ベストセラーとなった記念碑的作品。
60年を経て初文庫化。
さらに文庫化に際し、巻末に
志の輔・談春・志らくら直弟子17人による
豪華書き下ろしリレーエッセイを収録。
『新編 王様と召使い』
檀一雄 著
旅や酒を何よりも愛した著者によるユーモア・エッセイに、
先達や仲間たちとの親交を描いた章を追加。
さらに、太宰治、三島由紀夫、佐藤春夫の「檀一雄論」を付す。
〈あとがき〉檀ふみ
『竜血の一族』
岩井圭也 著
大戦、朝鮮戦争特需、公害問題......
激動の時代に翻弄されつつ、北の水銀鉱山に生きた数奇な一族を描く。
壮大かつ幻想的な大河ミステリー。
巻末に、今村翔吾との対談を収録。
「著者の隠れた才能が、ついに解き放たれた」
――今村翔吾(巻末対談より)
『昭和下町暮らし』
森まゆみ 著
地域の歴史や文化、
人々の営みを記録してきた著者が、
みずからの十代までの体験を回想。
少女の視点から甦る、
高度成長期の東京下町、
庶民と家族の生活史。
『アメリカとアメリカ人 未来のためのエッセイ』
ジョン・スタインベック 著/大前正臣 訳
満足せず求め続ける国民。
差別の構図。
大統領への矛盾する感情――
祖国への愛着と痛烈な洞察をもって、
〈アメリカとは何か〉を探るスタインベック最晩年のエッセイ。
『フンボルト(上) 自然の発見者』
アンドレア・ウルフ 著/鍛原多惠子 訳
ナポレオンに次ぐ影響力を有し、
ゲーテやダーウィンに影響を与えた知的好奇心と
冒険心にあふれる偉大な博物学者の傑作評伝。
『フンボルトの冒険』改題。
〈フンボルトと数日ともに過ごすのは、
「数年生きる」のと変わらない〉
――ゲーテ
『フンボルト(下) 自然の発見者』
アンドレア・ウルフ 著/鍛原多惠子 訳
ロシアの調査旅行後、
『コスモス』の執筆に勤しんだ晩年。
フンボルトの自然の概念は後世に継承されていく。
偉大な博物学者の生涯と継承者たちを描く傑作評伝。
〈解説〉石原あえか
〈フンボルトを読まなかったなら、
ビーグル号の旅に出ることも、
『種の起源』を書くこともなかっただろう〉
――ダーウィン