新装版 幸せの条件

誉田哲也

恋も仕事も中途半端。24歳女子に下された無理難題社命とは!?

〈解説〉田中昌義
人生、何とかなる。そんな勇気をもらえました。(20代・女性)
ヘタレの主人公は、あの頃(今の?)私です。元気と勇気をもらえる小説でした!(30代・女性)
新入生、新入社員、これから何かをはじめようと思っている人、そして、どうしたらよいか迷っている人、すべての人に読んでもらいたい作品。(40代・男性)
自分にとっての幸せについて考えさせられた。いつか自分に必要だと思える場所を見つけたいと思った。
クロくない誉田さんも、こんなに面白いのか!(40代・女性)
仕事に行き詰まっていた時に読んで、すごく前向きになれました。(30代・女性)

大学生のコメント

  • 読み終わってまず一言、「米くいてー!!」って思いました! 自分たちが毎日食べてるものは、こんな苦労の末に食卓に並んでいるのだと、安っぽいけど言わないよりはまし。農家のみなさん、ありがとうございます!

    千葉大学3年生 T.Tさん 男性
  • どの場面描写も繊細で、自分自身よく雪の降る田舎の出身なので、長野の描写は懐かしさを覚えました。そして震災の描写が特に印象的でテレビや新聞など様々なメディアで伝えられていましたが、小説というメディアではこんなにずしっと心に訴えかけてくるんだと感じました。

    千葉大学4年 T.Nさん 男性
  • バイオテクノロジーについてほとんど知識はなかったけれど、梢恵と共に学んでいくような錯覚もあり、農業に少しずつ興味が湧きました。自分が普段食べているものがどのように作られたものなのか、そこにあった苦労や農家の抱える問題について、私は今まで知ろうとすらしてこなかったけれど、本作を読んでからは、きちんと考えるべきだと思うようになりました。また、震災に向き合う梢恵を見ているうちに、今ではすっかり忘れかけていた、何かしなければいけないという震災直後の焦燥感や不安感を思い出すことができました。東北を忘れない、あの犠牲を忘れないように生きるべきだと改めて思いました。
    梢恵が人間的に成長していくにつれて、自分も一緒に成長していくような気持ちになり、読んでいてとてもおもしろかったです。自分を支えるものや支えてくれる人の存在に気づくことの大切さ、働くことや生きることの意味について、見つめ直すきっかけになった作品でした。

    日本大学2年 H.Fさん 女性
  • 「大切なのは、誰かに必要とされることなんかじゃない。本当の意味で、自分に必要なのは何かを、自分自身で見極めることこそが、本当は大事なんだ。」片山製作所社長の言葉が身に染みます。承認欲求は確かに人を突き動かす一因となるかと思いますが、一過性のものに過ぎません。自分もまだまだ学生の身分ですが、将来、仕事だけでなく何事も自分自身に本当に必要なものを見つけられるようになりたいと思いました。

    千葉大学3年 H.Nさん 男性
  • 「あぐもぐ」に関わり始めてから、口癖だった「ひどい」をすっかり言わなくなったところに梢恵の成長がよく見えた。甘んじていた場所を去り、己の意志の力で自分の居場所を拓いた彼女はとても素敵だ! 現在、私は「『あぐもぐ』以前の梢恵」予備軍である。生きること、働くことをどう捉えていくか、考えるのにいい機会になった。どの職種につくにしろ、大切なことが書かれているこの本に十八歳で出逢えて良かった。

    早稲田大学1年 K.Hさん 女性
  • 「大切なのは、誰かに必要とされることなんかじゃない。本当の意味で、自分に必要なのは何かを、自分自身で見極めることこそが、本当は大事なんだ。」片山製作所社長の言葉が身に染みます。承認欲求は確かに人を突き動かす一因となるかと思いますが、一過性のものに過ぎません。自分もまだまだ学生の身分ですが、将来、仕事だけでなく何事も自分自身に本当に必要なものを見つけられるようになりたいと思いました。

    千葉大学3年 H.Nさん 男性
  • まず、農業とエネルギーの話だと聞いていたので、主人公は農業やエネルギーの問題に対して強い意識を持つ、しっかりした人物をイメージしていました。だから、序章を読んだとき非常に驚いたのを覚えています。物語序盤の、周囲に対して甘えが目立つ、何の取り柄も無かった梢恵の姿は、情けないと感じると同時に、今現在特に目標も将来の見通しもなく、「何かと何かを比べて、マシな方を選択して」漫然と生きてきた自分の未来を見ているようで辛かったです。「お前のかわりなんてな、いくらでもいるんだよ」という言葉は、私にとっても非常に耳が痛いものでした。だからそんな梢恵が、震災後に思い切った決断をし、農業に自主的に携わろうとしたことにはまた驚きました。
    『あぐもぐ』や地元の人々との交流や農業を通して、今まで知ることのなかった農業の苦労や、関東に暮らす自分達が被災地の人々に押しつけるような形になっていた原発の問題など、知るたびに苦悩し、落ち込みつつ、しかし同時に人々の繋がりや、農業によって「生きる」ことを見直し、最終的に「自分に必要なのは何か」を自分自身で見極めることができた彼女の姿は、最初の情けなさが嘘のように、輝いていました。 今、確かな意思を持たず、物質的に満たされた環境の中で甘ったれながら、自分にとっての本当の『幸せ』が何であるのかを知らないまま生きてきてしまっている人は私や梢恵以外にも、たくさんいると思います。そうした人にとって、この本は自分が本当に必要としている『幸せ』というものを探しに行く為の勇気をくれるきっかけになるのではないでしょうか。

    早稲田大学1年 S.Cさん 女性
  • この物語は、バイオエタノールという新たなエネルギー資源獲得のために、若い女性主人公・梢恵が奮闘し、農業の手伝いをする、というものですが、彼女が本格的に農業に乗り出すのは終盤部分。でも、私には、この奮闘が人生の大事な選択をするときに重なりました。梢恵が事前準備(雪かきなど)に奮闘するように、私たちも、挑戦する前にはそれなりの覚悟と準備が求められるはず。準備を怠らず大事に育てる、そうしなければ、稲のように夢や目標もダメになってしまうのではないでしょうか。最初は、頼りない梢恵の姿を見ていて、就活を控えている大学生の私は正直気が滅入りました。けれど、彼女が途中からキラキラと輝きだしたのを見て、純粋に応援しながら読んでしまいました。
    きっと、梢恵がそうであったように、大抵の人は「自分にしかできない仕事」をできないでしょう。
    それでも、「ある使命を全うしたいと思うのは何故なのか」、「私はなにができるのか?」そして、「私の幸せの条件ってなんだろう?」、そんなことを問うきっかけをもらえる一冊だと思います。
    夢や目標という種を見つけても、大きくするのは大変なことです。嵐が起きるかも知れないし、何かに食べられてしまうかもしれません。
    それでも、梢恵のように目標に対しての覚悟を持ち、準備を果たすことができれば、「いろいろなことがあったようで、実は何もなかったような気もする。いろいろな苦労があった気もするけれど、そうでもなかった、といえばそうでもなかった。」(単行本374頁)と言える日もさほど遠くはないのかもしれません。
    この本からもらったエネルギーを取り込んで、私も自分の中の種を収穫できるよう、成長していきたいと思います。

    早稲田大学3年 A.Rさん 女性
  • 非常に読みやすい小説で、楽しく読めました。2011年の日本を舞台に、日本の抱える農業や震災やエネルギーの問題を題材としていますが、登場人物が基本的にいい人達ばかりなので作品全体の雰囲気が温かかったように思います。主人公の梢恵には、正直あまり共感できませんでした。特に序盤は仕事の面でも恋愛の面でも彼女を見ているとイラッとしてしまいました。しかしそれと同時に彼女のことは他人事ではないな、とも感じました。自分もうじうじしているし甘ったれなところがあるので、反面教師ではないですが、もっとしっかりしないと、と思いました。あと梢恵は人に恵まれすぎだと思います。悪い子ではないのですが根性なしでヘタレな彼女を、片山社長も「あぐもぐ」のみなさんも文吉も優しく見守ってくれていて、かなり羨ましいです。特に片山社長は中盤の怒鳴るシーンでも終盤の梢恵をクビにするシーンでも、梢恵のことを本当に大切に思っているのが伝わってきましたし、社長の語る仕事観には私も勇気づけられました。最終的に梢恵が本当にやりたいことを見つけられてよかったと思います。

    東京外国語大学2年 T.Mさん 女性
  • この本を読む前は、農業に興味がないと筆者の主張が押しつけがましく感じられるのではないかということから、私にはつまらない本だろうと決めつけていました。大学でエネルギー問題について考える機会があったので、このくらいなら予習がわりに読めるかな、と思いました。SFやミステリーが好きな私が、普段あまり手に取ろうと思わない本だったので、こうして出会えてよかったです。 我慢して2ページ読み進めたら、それだけで主人公に共感できてしまって困りました。私が今の毎日を送れていることだけで幸運なはずなのに、ついぶちぶち文句を言ってしまうところがとくにそうです。さらに、 梢恵の役立たず具合と周りの人たちの行動が、私の今の状況に恐ろしく似ていたので、読んでいて苦笑いしました。もしかして、はたから見たら私も「こんな感じ」? で、こんなに「だめだめ」?なのではないかとドキッとしました。
    物語の後半では、「色々なものが揃っていても、それが全て自分に必要だとは限らない」ということに気づかされました。今、勉強や家のこと、その他、日常の様々なことに欲張りになっている私がいます。欲張りすぎなことに気付いてはいても、なかやめられませんでした。これからは、 私も 自分が本当に必要としていることを見つけられるかな......見つけていきたいな、と思います。
    よく、「自分の代わりはいくらでもいる」とか、「自分には代わりなんていないんだ」とか聞きます。それは結局、「自分の代わりは確かにいくらでもいる。でも、自分の代わりになれる人はいない」ということだったのかな、と思います。これだけだと矛盾しているようにも感じますね......。業務など与えられた役割は誰でも同じようにできると思います。でも、仲間と織り成す人間模様など、与えられたこと以外に自分で作りだす部分が必ずあると思 います。その自分で作りだす部分は人それぞれ変わってくるんだ、というように理解しました。今までで一番納得できる自分の考えが出ました。
    最後に、この本を読むことで、エネルギー問題についてだけでなく、自分自身についてなど、色々と考える機会になったと思います。本当に良かったです。
    はじめに興味を持てない本ほど 読むと新たな発見ができる気がします。本を読むって良いなと思います。これからも私は色々な本を読みたいです。書店に行けば、たくさんの本を自由に手にとれることを、これからも楽しみにしています。
    大変くだけた文体で申し訳ありません。この度は本当にありがとうございました。

    札幌学院大学2年 A.Aさん 女性
  • 筆者は、世の中では余裕があり、もてはやされる花ざかりの年齢と見られている、20代の女性を通して、細やかに農業の現状を書かれています。
    まず、私も含め、梢恵は20代前半、時間的に余裕があり、そこまで重い責任も問われない、と世の中も、そして自身も、自らをそう認識している人が多いと思います。だからこそ、冒頭の梢恵のように、不満はない、でも満足もない、そんな生活を送ってしまいがちでもある気がします。
    ですから、梢恵が、前半で彼氏に理解を求めるシーンで、あぁ、社会認識の違う2人だ...と読んでいましたが、 やっぱりうまくいかないと彼氏も感じていた。
    このシーンは私も含め、たくさんの梢恵世代が似たような経験をしており、胸がチクチクするのではないかと思います。
    ところが、あぐもぐに溶け込む内に、梢恵の脳内から彼氏の存在が薄まっていくのが、読み進める内に気付かされます。
    わかる、わかる。平たく言うと、仕事の中に幸せを感じている状態の時って彼氏とか男性のこととか、脳内に占める割合、減るよね。それって、なんか気持ちよかったりするよね。と梢恵に終始、共感して、自分を梢恵に見いだしている気がして、応援して、と言う風に読み進めていました。
    最後に梢恵は、彼氏に別れを告げますが、もともとそんなに好きではなかった、と言う旨の文があります。
    そう、私達は、大して好きではない相手でも、それなりに思いやったり、胸を焦がしたり、相手を思い、落ち込んだり、活力にしたり出来るんだよね、とこのシーンで気がついたのです。
    誉田氏は、そんな、煮え切らない梢恵世代の心理を非常に精巧に書き上げてらっしゃると、この本を読んで1番強く感じました。
    幸せって、見出しよう、とよく聞きます。
    しかし、自分で作っていく、自ら幸せに飛び込んでいくと言い換えることができるかもしれません。そして、それが、『人生も、自給自足』の本質なのかなと私は考えています。
    私も梢恵みたいに、大好きな人がこれからも増えたらいいな、そう思える、素敵な物語です。

    東洋大学3年 S.Sさん 女性
  • 「じゃああお前は、クビだな」
    農家での生活を通し、素朴な日常が主人公にとって価値のあるものに変化していく...。
    近代化が進む中で忘れかけられている本当に大切なことに、都会の人々を象徴するような主人公の目線を通して気付かせてくれる一言。

    東京農業大学3年 U.Mさん 男性
  • 毎日食べるお米や野菜がどうやって作られているのかも知らない一般企業の会社員が、初めて体験する農作業。そして震災を通して気づいた食料生産の大切さ。「農業×人=幸せ」そう感じさせられる物語でした。多くの人に気づいてほしい「本当の幸せ」がたくさん詰まっています。私も早く穫れたてのお米が食べたい!!
    P.S. 誉田さんの参考文献の量には驚きました。
    農業大学の私より勉強してます!(笑)

    東京農業大学3年 A.Tさん 女性/div>
  • 周りから必要とされたいが、何もできないでいる主人公が一人の人として必要とされるためには? 幸せとは? という問いを農業やエネルギー問題、東日本大震災など現代の日本が抱える問題と関わりながら見つけていくお話。読み終わったときはほっこりとした気持ちになると同時に、農業体験などに出かけたくなります!

    東京農業大学1年 H.Sさん 女性
  • 今まで惰性で生きてきた24歳女子、梢恵が長野の農村でイチから農業に取り組むことに!
    他人に提示されたレールの上を歩む事しかしてこなかった梢恵が、農業こそが自分のやるべきことだと気付いていく。読者も梢恵と一緒に農業を知ることができる、共感と感動の一作です。
    梢恵と一緒に、農業の現実と農業の大切さに触れてみてください。そして、自分が本当にやりたいことを、見つめ直してみませんか。

    東京農業大学3年 A.Sさん 女性
  • 休耕田でバイオエタノール用のお米を育ててくれる農家さんを探すべく単身長野に降り立った彼女は、会社からの任務を達成するために彼女なりに頑張ります。どう考えても、困難な道のり。農家さんは燃やすためではなく、食べるためのお米をつくっているのですから。頑固な農家さんを説得するだけでも一苦労。寒いし、辛いし、もう帰りたい!でも、捨てる神あれば拾う神あり。こんなにダメダメな彼女を助けてくれる人もいるのです。人は、本当に周りの人に支えられているからこそ生きていけるんだということを、誉田さんだからこそ書ける女性の心情を通してしみじみと感じられる作品です。

    東京農業大学2年 Y.Oさん 女性
  • 私は誉田哲也さんの作品を初めて読みましたが、本当に良かったです。題材は"バイオエタノール"ということですが、私は今何をしたいかわからない人達にもっと読んでほしいと思いました。今、大学で勉強していて、実際にやってみないとわからないことが本当にたくさんあると痛感しています。また、農業が人々の生活に欠かせないことも考えさせられています。この本は、農業の必要性をよく表現していると思いました。私は、もっとお米を大事に食べたくなりました。文庫になってもっと多くの人々に読まれる事を期待しています!!

    東京農業大学2年 Y.Iさん 女性
  • 大学での講義でもバイオエタノールやお米について学ぶことはありますが、小説として読むのは初めてだったので新鮮でした。主人公の梢恵は実際に農業に取り組み、農家としての暮らしを経験することで自分に必要なものをみつけ、自ら行動する力を得ます。そしてその力が最初はてんで理解を示さなかったまわりの人々を動かし、バイオエタノールのプロジェクトを動かしていく過程にわくわくしました。ぜひ続編が読んでみたいと思いました。

    東京農業大学2年 K.Kさん 女性
  • 農業って、すごい。
    何となく、農業は「きつい」とか「儲からない」とか、マイナスなイメージが強い気がする。でも、決してそんなことはない。
    農業は科学だ。ビジネスだ。人と人とのつながりだ。
    この本には、そんな農業の魅力が、たっぷりと詰まっている。ただ漫然と生きてきた主人公・梢恵が農業を体験し、農家の人たちと触れ合うことで変わっていく姿にとても前向きな気持ちになれる。「大切なのは誰に必要とされるかじゃない。
    自分が何を必要とするかなんだ」。この本はきっと、あなたに〝幸せの条件〟の探し方を教えてくれるだろう。

    東京農業大学3年 M.Hさん 女性
  • この本は農業を題材にした話で、最初、自分は難しい話なのかと思いましたがそんなことはありませんでした。魅力的な主人公とその他の登場人物の掛け合いが読むスピードを加速させました。
    とにかく主人公の梢恵の動きがいい! 口で言わない心の中でのツッコミや文句がコミカルで読む事があきない! 
    そして一番の見所は梢恵の成長でした。
    何度も梢恵と自分を重ねてしまう場面がありました。自分の「幸せの条件」は何か見つめる事ができました。

    東京農業大学3年 M.Aさん 男性
  • お金を稼いでいる人が幸せなのか?
    恋人がいる人が幸せなのか?
    都会に住んでいる人が幸せなのか?
    とれたてのお米をみんなで囲む食卓。
    日焼けした肌と筋肉痛。
    農家はあったかい。農業はすばらしい。

    東京農業大学4年 H.Yさん 女性
  • 自分がどこで何を仕事として生きていくのか...
    そんな事を考えさせる内容でした。バイオエタノールや有機農業など、農業用語が多くでてきますが知らずとも主人公の梢恵と一緒に習っている気持ちで読めてしまいます。
    自分を必要としてくれる場所、自分が必要としている場所を探している人に読んでもらいたい一冊です。

    東京農業大学4年 S.Tさん 男性
  • 社会に、あるいは誰かに、必要とされたい。役に立ちたい。そうでなければ、自分はいったい何なのだと、揺らぐ。
    そして問う。今の私は、必要とされているの? 役に立っているの? と、誰しもが一度は問うであろうこの危険な疑問に、この本は、一つの解を与えてくれる。そして同時に、人間の幸せについて示唆する。生きることは幸福の連続ではない。それでも、生きていくのなら、おそらくそこに、それはある。幸せの原点に、還れる本だ。だって読み終えたあなたは、きっと幸せだから。

    東京農業大学修士1年 A.Sさん 女性
  • 刈られたばかりの新米を食べたことがあるだろうか。お金を払えば食べられないことはない。店頭で売られているものも十分美味しいと思う。ただ一から苦労して育てた新米は飛び切り美味しいと思う。プラス苦労を共にした仲間や家族と食卓を囲んで食事をとることはお金では得られない幸せだと思われる。
    実際、一通り農業を学んでいる元都会暮らしの梢恵が幸せだと感じている。農業・田舎を知らない人は「苦労が多く大変」「収入が安定しない」というようなマイナスイメージを持っているかもしれない。しかしこの本を読めばそのイメージもプラスに変わるはずだ。農業の可能性は無限大だ! 今の世界を救うのは農業だ! 百姓最高! と思わずにはいられなかった。
    とにかくいろんな人に読んでもらいたい!

    東京農業大学1年 A.Sさん 女性
  • 多くの若者のように漠然と生きている主人公が、農業、震災、エネルギー問題解決に挑む中で徐々に生き生きとしていく様を読み、自分が必要としているものを見極めることができた主人公は素敵だと感じた。また、農業が奥深いことを知り、興味が湧いた。

    信州大学3年 H.Nさん 女性
  • 幸せの条件という題名をきいて「むつかしい哲学的な本だ」というイメージを抱く人は多いと思います。しかしこの本は主人公の梢恵が長野県で農業に携わることによって、自らの人生における幸せに気づいていくという物語の形式となっています。
    主人公の梢恵はある日、上司に長野県でバイオマス燃料を作るためのコメを生産してくれる農家を探し出し、契約してくるように言い渡されます。しかし、これまで営業という仕事をやったことのない梢恵に契約を取り付けることができるはずもなく......。結局農業というもの自体を理解するために長野県で農業法人「あぐもぐ」の下で働くことに......。
    長野県における農業の実態と、それに求められるバイオマスエネルギーの在り方を考えながら農家の下で働く梢恵の成長が印象的に描かれている物語です。皆さんもぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?

    信州大学2年 U.Kさん 男性

幸せの条件新装版

誉田哲也 著
初版刊行日:2023/5/25 定価:836円(10%税込) ISBNコード:ISBN978-4-12-207368-5
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