母親からの小包はなぜこんなにダサいのか第五話 北の国から(2)
新幹線の中で、拓也はもう一度落ち着いて、アドレス帳を取り出した。
母の十年前の文字と、父の字が混ざっているが、ほとんどは母の字だ。拓也は思わず、ちょっと微笑んでしまった。
母の字......母はいわゆる丸文字の人で、かわいらしい丸っこい字を書いた。
拓也が学校に上がる頃になると「こんな字じゃ恥ずかしいわねえ」と言いながら、いつも連絡帳やプリントを書いた。でも、それは口だけで決して直すことはなかった。父や拓也がからかうと、「子供の頃、一生懸命練習したから、もったいないのよ」と言った。母の世代ではそれがとても流行っていたらしい。
父の字はほんの少しだったが、そのインクの色を見る限り、ここ数年で書かれたもののようだった。
父は悪筆で、のたくったような字を書く。だから、母にもそう強く、「丸文字を直せ」とは言わなかったのかもしれない。
二人が書いているのはほとんどがご近所や拓也の同級生の親の住所電話番号、そして、葬式にも来てくれた父の会社関係、母のパート関係、そして、名古屋の親戚......そのくらいだった。
一緒に持ってきた伝票ももう一度見てみた。伝票はちょうど十枚、全部母が死んでからのものだと日付からすぐにわかった。
羅臼の槇恵子、そして、昆布。拓也でさえも少し覚えがあった。それは毎年、送られてくる馴染み深いもの。しかし、送り主の名前は父の字でも母の字でも、アドレス帳にはなかった。
お歳暮の季節、細長い段ボール箱にぎっしり黒い昆布が入ってくる。母はそれをおせち料理に使ったり、ご近所にくばったりしていた。
毎年送ってくれるということはよっぽどの知り合いか親戚なのかと、改めて考えた。今まで、昆布というものは年末になると送ってくるもの、と思っていたのだ。なのに、なぜ、アドレス帳に名前がないのか。
もしかして、槇さんとは業者なのか。母が注文して買っていたのかもしれない。お店の人の名前なら書いてなくても仕方がない。けれど、しばらく考えて頭を振った。
たぶん、それはないだろう。
母は決して料理が得意だったり熱心だったりはしなかった。普段の味噌汁にはだしの素を使っていた覚えがある。この昆布だって、少しもてあまして、近所や父の会社の人に配っていたのだ。
槇という名字に覚えはなかった。生前、この人の話を聞いたこともなかった。
そんなことを考えてながら、いつの間にか眠ってしまい、東京駅に着くまで目覚めなかった。
東京駅から丸ノ内線に乗ったところで、恋人の奈瑞菜(なずな)からメッセージが着ているのに気が付いた。
――いつ東京に帰ってくるの?
――もう着いたよ。今、丸ノ内線の中。
奈瑞菜はLINEを使わない。もちろん、スマホにアプリを入れてはあるのだが、ほとんど使わない。いつもショートメールで連絡がくる。
会社の友人の同級生を中心とした飲み会で知り合って初めて連絡先を交換する時、LINEあるでしょ、交換しようよ、と言うと、「あるけど、あんまり使わないんだ」と鼻の上に筋を作った。
「どうして?」
「バイト先にやたらLINEで仕事の連絡をしたがる人がいるからアプリは入れてあるけど」
答えになってない、と思った。
「だから、なんで使わないの」
「なんでも」
面倒くさい子だと思った。
結局、電話番号を交換して、それからはショートメールで連絡を取ることになった。 付き合うようになってから何度かその理由を尋ねたけど、未だに納得のいく答えを受け取ってない。
たぶん、最初に思った通り、少し面倒くさい女なんだと思う。
奈瑞菜の面倒くさいところは他にもいくつかあって、飲食店で出てくる氷入りの水は飲まない(でも、お茶や氷なしなら飲む)とか、シネコンで映画を観ないとか、占いは信じない、とかほとんど理由もないこだわりがいくつかあった。けれど、そのいくつかをクリアすれば、あとはわりに普通の女の子なのだ。
拓也たちの収入では封切り映画に行くことはほとんどないし、ネトフリやアマプラで観るのもアニメばかりで、フランス映画やアジア映画を観るわけではないから大きな影響もない。水や占いは、拓也にとってどうでもよかった。
奈瑞菜は下北沢の駅から徒歩四分のぼろぼろのアパートに住んでいて、古着屋とカフェバーのアルバイトを掛け持ちしている。今日は夜のカフェバーは休みのはずだ。
――家に行っていい?
――もちろん。
奈瑞菜が来てくれると思ったら、急に元気になってきた。
拓也の会社の寮というのは、「寮」とは名ばかりで、板橋の小ぶりのワンルームマンション一棟を会社が借り上げて、月三万の家賃で貸し出してくれている。六畳一間にユニットバスという作りだけど、南向きのベランダとクローゼットが付いていること、テレビと冷蔵庫などの電化製品が付いているのがありがたかった。
拓也が帰宅してしばらくすると、奈瑞菜がやってきた。
「ういーっす」と言いながら入ってきて、目も合わさない。
彼女は照れているのだ。広島から恋人が帰ってきて、そこに三十分間電車に乗って駆けつける自分というものに。
しかし、拓也も彼女に会いたかった。
ここのところ、父の葬儀の関係の帰郷が続き、メールのやり取りのみで、実際に顔を合わせるのは二週間ぶりだ。
「ご飯、食べた?」
「まだ」
「そうだと思った」
彼女はマイバッグを下げていて、そこから食料品を出した。レジ袋をもらわない、というのも、彼女のこだわりの一つだった。
パスタを茹でて、ツナ缶としめじの和風パスタを作ってくれた。
小さな折りたたみのテーブルを出して、食べた。奈瑞菜は缶チューハイも買ってきてくれたので、それを二人で分けて飲む。
「おいしいなあ」
思わず、声が出た。
広島ではホテルで法事をやったけど、出てきたのは冷たい松花堂弁当だった。塗りの器ばかりが立派で、喪服を着て知らない人ばかりに囲まれて食べるそれはなんの味もしなかった。
「ただ、醤油とバター入れただけだよ」
奈瑞菜はぶっきらぼうに言った。
おいしいと言ったのは心からの本心だった。しみじみ疲れが取れるような食事だったけど、それをどう彼女に伝えていいのかわからなかった。
「どうだった? 四十九日」
彼女がぽつりと尋ねる。
「いろいろ、大変だったなあ」
「次はいつ、広島に行くの?」
「たぶん、年末までに一度は戻らなくちゃと思うけど......何していいのかもわからないし」
電気と水道、ガスは止めたら、と誰かに助言されたけど、また泊まることもあるかも、と思ってそのままにしていた。
「実家の片付けも、どこから手をつけていいのかもわからないし」
「誰か、親戚とかはいないんだっけ」
「うん」
奈瑞菜には一通りの事情は話してあった。
けれど、付き合って三ヶ月の恋人に「父の葬式に一緒に来て」とは言えない。向こうもそのつもりはなさそうだった。
「片付けて売るしかないんだけど」
「そうなんだ」
「最近、その辺りに小中一貫の特別学校が出来て、売るにしても、貸すにしても結構、いい値段になるんじゃないかって会社の人には言われたんだけど。あ、お父さんの会社の人ね」
「うん」
「でも、まだ、どうしたらいいのかわからなくて」
「......しばらく、ゆっくりしたら」
奈瑞菜は自然に拓也の食器も持って小さなキッチンに立ち洗ってくれた。
「あ、ごめん」
「今日は疲れているんでしょう」
食事が終わるとテレビを付けて、二人で拓也のシングルベッドに寄りかかってぼんやり観た。
「なんだか、一人になったんだなあと思ったんだ」
テレビの中では、どこかのラーメン屋を密着取材していた。彼の生い立ちを写真入りで説明し、人生論を語らせていた。
その中の家族写真を観て、思わず、そんな言葉が口をついた。
「両親いなくなったし、親戚ともほとんど付き合いないし」
「そうなんだ」
「こういうの、天涯孤独って言うんじゃないかと思って」
「いいじゃん」
奈瑞菜が少し楽しそうに言った。
「天涯孤独、ちょっと憧れる」
「そう?」
「自分は兄弟四人だからさ......大家族って言うほどじゃないけど、結構多くて、家族仲はいいけど、ウザいこともあるし」
拓也は、奈瑞菜のようなちょっと面倒な人間が他に三人いる風景を思い浮かべた。彼女は千葉の稲毛に実家があると聞いていた。
「あ、ごめん」
拓也が黙っているのを勘違いしたのか、奈瑞菜が謝った。
「憧れるとか、ごめん」
「ううん、いいの、そんなことないから......ただちょっと思い出したんだけどさ」
「うん」
奈瑞菜は今度はただ簡単にあいづちを打っただけだった。彼女は女性にしては無口の方だと思う。でも、よく話を聞いてくれるから話しやすい。
「お父さんから、お祖母ちゃんの話を聞いたことがなくてさ」
「へえ」
父の生い立ちを手短に説明する。
「今、近親で生きている可能性があるのって、その人くらいなはずなんだけど」
「名古屋の伯母さんは?」
葬式で挨拶しただけの、そっけない女性を思い浮かべた。
「あの感じだと、今後、付き合いを続けられるとは思えなかった。従兄弟たちも東京にいるようなことを言ってたけど、どこに住んでるとかは教えてくれなかったし」
「ふーん。じゃあ、やっぱり、そのお祖母さんだけなのか」
「そうだと思うんだ。まだ生きてたら、だけど」
「会いたい?」
拓也はちょっと考えた。
「どうだろうなあ。よくわからない。向こうも探してくれたわけじゃないし、父も何も言ってなかったから、別に会いたいと思ってもなかったってことでしょ」
テーブルの上のアドレス帳を見た。
「いや、わかんないな。ここ何年か、お父さんとはほとんど会ってなかったし、会ってもたいした話はしてなかったんだよね。お母さんが死んでから会話がなくてさ。別にケンカしたとかじゃないんだけど、二人だと話すこともなくて」
高校生くらいから父親とはほとんど話してなかった。母が間を取り持ってくれていたけど、それがなくなったから。
「もしかして、この住所の中に、その人の住所、入ってたりして」
「......さあねえ」
その時、ふっと思った。自分は本当に親のこと......親たちのことをほとんど知らないまま別れてしまったんだなあ、と。
そしたら、少しだけ涙が出てきたけど、それを奈瑞菜に見られるのが嫌で、膝に顔を擦り付けた。でも、彼女は気がついたのか、ためらいがちに背中をなでてくれた。
しかし、そんな感傷も、日々の生活の中で紛れてしまった。
拓也は社会人になってまだ二年目で部内では一番の下っ端だ。ほどんど毎日残業があるし、覚えなくてはならないこともたくさんある。
気が付いたら、師走になっていた。
ある日、会社が終わると、見慣れない電話番号の不在通知がいくつもあることに気が付いた。
普段なら、そんな番号は無視してしまうのだが、それが故郷の市外番号だったので、少し考えて寮の部屋から折り返し電話をした。
「もしもし......私、内藤拓也と申しますが......お電話いただいたみたいで」
「拓也君? 私、藤井です。ほら、隣の家の」
「あ、おばさん」
思わず、大きめの声が出てしまった。
「そう。覚えてくれてる? 嬉しいわ。隣の藤井です。拓也君、お元気?」
実家の隣の藤井家のおばさんの声だった。上京してからはほとんど会うことはなかったが、葬儀には来てくれて、「何かあったら声をかけてね」と何度も言ってくれた人の一人だった。葬儀やその後片付けで帰郷した折に、念のため電話番号を教えてあった。
藤井家は子供のいない家で、拓也の両親よりも一回り上のおじさんとおばさんが住んでいた。小さい頃は自分の子供のようにかわいがってくれ、歳が上がってからもお正月には「お年玉を取りに来てね」と必ず声をかけてくれた。また、拓也の最初の給料が出た後、最初に帰郷した時「藤井さんにもお土産を買ってお礼をしたらどうか」と父から提案され、その通りにした。小さな菓子折だったのに、とても喜んでくれたのを今でも覚えている。
拓也や両親も係累の少ない家だったから、お互い、どこか気の合うところがあったのかもしれない。
「はい、元気にやっています」
「そう、よかった......また、こちらに来る時は遠慮なく声をかけてね。......あのね、お電話したのは他でもないの、内藤さんのお宅のポストにね、不在通知が溜まっていて......。ほら、不用心でしょう、おうちに誰もいないことが周りにわかってしまうし、いえ、このあたりの人は皆、事情は知ってるから大丈夫だけどね、最近は時々、空き巣なんてあるのよ、この間も角の山本さんのお宅がね......」
話し続けた藤井のおばさんは、照れたように笑った。
「ごめんなさい、そんなことはどうでもよかったわね。それよりもね、そういうわけだから、私、無作法かなと思ったんだけど、内藤さん家の不在通知を見せてもらったの」
「ありがとうございます」
もちろん、それはかまわない。前にもポストが溜まったら、郵便物は取っておいてあげるわね、と親切に言ってくれたくらいだから。
「そしたらね、私、宛名と品物のところ見て、ぴんときたの。ほら、いつも内藤さんのところに年末に昆布を送ってくれる人」
「あ、あれですか。槇さんていう北海道の」
実家から持ってきた伝票を思い出した。
「そう。あの、立派な昆布。うちやご近所にいつもお裾分けしてもらってねえ。ありがたくて。あれが来ると、そろそろお正月なんだなあって気持ちになるほどで」
それはずいぶん、大げさだと思って、つい少し笑ってしまった。
「いいえ、拓也君は若いし男の子だから、昆布なんてなんとも思わないんでしょうけど、いい昆布って高いのよ。それに、なかなか見分けるのがむずかしいの。だけど、内藤さん家からいただく昆布は本当に立派で、黒々として、厚みがあって、だしを取っても最高で」
拓也はふっと、この藤井のおばさんは母と違ってなかなかの料理上手で、家にもいろんなお裾分けをくれたことを思い出した。おせち料理も煮豆やきんとんをよくいただいたっけ。シュークリームを作って、拓也に持ってきてくれたこともあった。
「あら、また、ごめんなさいねえ。つい、思い出にひたっちゃって。それでね、この宅配便、どうする? この配達番号があれば、そちらに転送することもできるわよね? 私の方から宅配のお兄さんに話して、おたくの東京の住所に転送してもらってもいいわよ。宅配のお兄さんとは顔見知りだから......」
拓也はしばらく考えて、「良かったら、そちらで受け取って処分していただいてもいいんですが」と答えた。
東京に送ってもらっても、段ボール箱いっぱいの昆布なんて持て余すに決まっている。それなら、喜んでくれる人にもらってもらった方がいいし、そのことで両親の話を近所の人がしてくれれば、何よりの供養になる気がした。
「あら、いいの......悪いわ」
そう言いながら、その口調が急に嬉しそうになったのを感じた。明るい藤井さんらしい、と少しなごんだ。
「でも、申し訳ないわね。本当にとっても高価なのよ、昆布は」
拓也は自分が今思ったことを説明した。
「喜んでもらうことが両親への供養にもなるかと思うので」
「まあ、そう思ってくれるなら嬉しいわ......もちろん、内藤さんのことは話すわよ。うちの人ともご近所の人とも......話さない日はないくらいよ」
「ありがとうございます」
「でも、それだけじゃ気が済まないから、よかったら、拓也君の今のおうちの住所を教えてくれない? この昆布の一部を送るから。それから、ちょっとお渡ししたいものもあるし」
拓也は固辞したが、藤井のおばさんは許してくれなかった。話しているうちに、拓也も気が付くことがあって、結局、お願いすることにした。
「それでは、お言葉に甘えていいですか。その時、できたら、送ってくださった槇さんの住所の書いてある伝票を同封してくださるでしょうか。父が亡くなったことを伝えたいので。こちらにも伝票は何枚かあるんですが、もしかしたら住所が変わっていたりするかもしれないので、念のため」
「あ、槇さんの。そうね......」
その口調に何か含みがあるような気がしたが、藤井のおばさんが立て板に水のごとく話し続けたので、そのままになってしまった。
「本当に、拓也君のお父さんが亡くなって......寂しくなったわって、ご近所の皆さんとも話しているの。夕方なんか家に帰ってくるとねえ、おたくが真っ暗でしょ。ああ、やっぱりいなくなってしまったんだなあ、って。おたくから、時々、明子さんや拓也君の声が聞こえてきた頃が懐かしい。あの頃、まさか、うちより、内藤さんが先に......」
おばさんは声を詰まらせて、言葉を止めた。きっと「内藤さんが先に亡くなるとは思わなかった」と言いたかったのだろう。
「でも、内藤さんがいい方たちで、私たち、本当に幸せだったねってうちのとも話しているの。それだけでも、神様からの思し召しだったんだねって」
なんだか、老夫婦二人が肩を落として話してる場面が思い浮かんだ。
「ね、拓也君がこちらに住むってことはやっぱりないのよね......」
それは、葬式の後にも一度聞かれたことだった。
「そうですね、仕事も東京ですし」
「そうよねえ」
おばさんは深くため息をついた。
「拓也君がお嫁さんを連れて、こっちに帰ってきてくれたら、本当に嬉しいんだけどねえ。このあたりも若返るし......あら、私ったら、拓也君のお祖母ちゃんかお母さんみたいなこと言ってる。図々しいわねえ」
ころころとひとしきり笑ったあと、「それじゃあ、昆布はいただくわね、ありがとう。でもね、拓也君を身内のように思っているのは本当よ。だから、何かあったら、遠慮なく言ってね。連絡してね」と電話を切った。
泣いたり笑ったり、忙しい人だな、と苦笑しつつ、久しぶりに友達でもない、会社の人でもない、でも近しい人と話した気がして嬉しかった。
藤井さんからの小包は、それから数日後に届いた。
みかんの箱に何やら重いものが入っていた。
「昆布じゃないのかよ」
宅配便の人がドアを閉めた時、思わず口をついて出たほどだった。
開けると、本当にぎっしりといろいろなものが詰まっていた。
目的の昆布は厳重にビニール袋に包まれて、底の方に入っていた。その上で、まず目を引いたのが、お好み焼き用のオタフクソース、レモスコという広島のタバスコ、広島の銘酒「賀茂鶴」の小瓶、そしてもちろん、もみじ饅頭の箱......それぞれ「お正月に飲んでね」「一人で持て余したら、会社の方に配ってください」などのメモが付箋で付いていた。そして、ずっしり重いプラスチック容器が入っていて、開けてみると「きんとん」と「くろまめ」「煮物」が入っていた。
――拓也君、昔好きだったからつい、作ってしまいました。食べきれなかったら、冷凍して、お正月に食べてください。
他に、餅や米、なぜか乾パンや干し柿も入っていた。
Synopsisあらすじ
吉川美羽は、進学を機に東京で念願の一人暮らしをはじめる。だがそれは、母親の大反対を振り切ってのものだった。
頼れる知人も、また友人も上手く作れない中で届いた母からの小包。そこに入っていたものとは……?
Profile著者紹介
原田ひ香(はらだ ひか)
1970年神奈川県生まれ。2006年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。07年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。
著書に『三千円の使いかた』、『口福のレシピ』などがある。
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