
ドラマ化の影響
- ――ドラマと言えば、誉田さん原作の『ストロベリーナイト』が11月13日にスペシャルドラマで放映され、今野さん原作の『ハンチョウ~神南署安積班~』も第3シリーズまで放映されました。ご自分の小説がドラマになることで、逆に小説に影響はありますか。
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今野
俺はもろありましたよ。だって、ドラマオリジナルの女性刑事・水野真帆(黒谷友香)を逆輸入して、原作に入れて書くようになった。ドラマの安積班メンバーって若くてみんなイケメンなんですよ。俺が書く刑事は、大抵中年でしょぼくれたやつなんで、テレビを見ちゃうと、彼らを一回頭から追い出してから書かなきゃいけないんですよね。執筆作業にワンクッション必要になる。
- ――安積警部補は佐々木蔵之介さんとイメージが違う?
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今野
あんなにスマートじゃない。だから書いている時に、頭の中でついセリフを佐々木蔵之介が言いそうになるんで「あ、違う違う、あんたじゃない」(笑)。
- ――ドラマの『ストロベリーナイト』では姫川玲子を竹内結子さんが演じました。イメージ的にはどうでしたか?
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誉田
あ、全然違いました(笑)。でも、プロデューサーの方に「竹内さんでいきたい」と言われた時に、「いいですよ。竹内さんがいいって言えば」と返事しました。半分ぐらいは、竹内さんが断るんじゃないかなと思っていたんですが、竹内さんが原作を読んでくださってOKが出たということで、「へぇー」って逆にちょっとビックリしましたね。
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今野
竹内さん、けっこう本お好きなんですよ。
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誉田
あ、そうなんですか。
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今野
うん。お父さんがミステリー好きで、その影響だっておっしゃってました。
- ――今後、もし姫川玲子を続けて竹内さんが演じることになったら、やはりイメージがついてきちゃうでしょうね。
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誉田
ああ、僕も頭から追い出す術を身につけないといけなくなってきますね。
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今野
ドラマ化について、読者の反響は本当に賛否両論です。「私のイメージと違う」という書き込みもけっこう、やっぱりある。でも誉田さんいいなあ。主人公に女性が多いじゃないですか。
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誉田
はい。
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今野
俺、男ばっかりなんですよ。ドラマ化されても面白くも何ともないですよね。
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誉田
そんなことないですよ(笑)。
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今野
2011年、『同期』がドラマになるんだけれど、撮影現場に行ったら本当男ばっかりで、「しまった、原作に女出さなきゃダメなんだ」ってその時に思いました。
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誉田
私も『武士道シックスティーン』を映画でやった時に、顧問の小柴隆造先生役の堀部圭亮さん、かわいそうでしたね。共演者がほとんど女子高生なので、おしゃべりする相手がいないんですよ。ずっと椅子に固まってて、監督とかプロデューサーとかが気を使って「お弁当一緒に食べましょう」とか(笑)。
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今野
でも、それは......むしろうらやましい(笑)。