応募を締めきりました
『夢の上 サウガ城の六騎将』の発売を記念してサイン会が開催されます。
日時:2025年2月8日(土)18:00~
会場:ジュンク堂書店池袋本店9階 イベントスペース
詳細はこちら
https://honto.jp/store/news/detail_041000109234.html?shgcd=HB300
イラスト・六七質
装幀:西村弘美
応募を締めきりました
日時:2025年2月8日(土)18:00~
会場:ジュンク堂書店池袋本店9階 イベントスペース
詳細はこちら
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日時:2024年12月14日(土)13:00~
会場:ペリエ千葉6階 くまざわ書店ペリエ千葉本店
日時:2024年10月12日(土)13:00~
会場:芳林堂書店高田馬場店8Fイベントスペース
著者初のサイン会
日時:2024年8月25日(日)13:00~
会場:丸善丸の内本店
要整理券/電話予約可(03-5288-8881:丸善丸の内本店)/定員100名
夜を統べる王に謁見した夢売りは
六つの輝晶を取り出す。
一つめは、若草萌ゆる春の野原のような翠輝晶
二つめは、深い海のように暗く凍てついた蒼輝晶
三つめは、炎のように激しく燦めく紅輝晶
四つめは、蝋燭の光のように仄かに揺れる黄輝晶
五つめは、真昼の太陽のように目映く輝く光輝晶
そして最後には、暗夜を凝縮したような闇輝晶
「今宵はこれらが見せる夢を、お楽しみいただきたく存じます」
「それでお前は、見返りに何を求めようというのだ?」
「『夜明け』を所望いたします」
叶うことのなかった夢が結晶してできた宝玉。
睡蓮のつぼみに似た形で鱗状の模様がある。
彩輝晶に封じられた夢を「夢売り」によって
己が見た夢として体験する高貴なたしなみ。
サマーア神聖王国を覆い、空を隠す灰色の時空晶。
国民が堕落し信仰を忘れたときには落ちてきて民を滅ぼすという。
サマーアを信仰しない者は死後、闇に彷徨う死影となる。
取り憑かれた人間は鬼と化し人を襲う。
取り憑いた死影と契約し、自ら持つ「時空」を与え使役する。
幼い頃は、よく夢見たものです。
外縁山脈を越えて外つ国に行ってみたいとか。
『青空』に浮かぶ『太陽』を見てみたいとか。
誰でも一度は考える、
あどけない夢でございましょう?
俺は天才だから、
苦労しなくても何でも出来た。
望んだ物はたいてい何でも手に入った。
真剣に努力したことはないし、
何かを得るために一生懸命になったこともない。
だから俺は夢は見ない。見る必要がない。
そう、思っていた。
後悔していないと言ったら嘘になる。
私にもっと知恵と勇気があったなら、
これとは別の道を選べたかもしれない。
未来ある若者達の時空を奪わずにすんだかもしれない。
でも私は弱く愚かだった。
許すことも忘れることも出来なかった。
私は――
復讐を望まずにはいられなかったのだ。
影使いの母から生まれた子は影に憑かれる。
一人の時空に押し込められたふたつの意識。
それは限られた時空を奪い合い、やがて時空を使い果たす。
それから逃れるには夢を見るしかない。
影は人の夢を喰う。
夢を喰うことで影は人間になる。
人間は誰でも、人であると同時に影でもあるんだ。
誰かに聞いて欲しかった。
誰かに告白したかった。
長い間、胸に秘めてきたこの想いを。
ずっとずっと隠してきた、私の本当の夢を。
それはとても美しく輝いていて――
どうしても諦めることが出来なかった
私は何一つ不自由なく育てられた。
多くの召使いが私につき従い、光神王を崇めるが如く私を崇めた。
私の望みは何でも聞き届けられた。
本でも食べ物でも、求めるものは何でも手に入った。
けれど二つだけ、どうしても手に入らないものがあった。
ひとつは自由。
そして、もうひとつは――
「世界で一番速い馬」
「天下無敵の大盗賊」
「汝、異端を恐るることなかれ」
「あの日溜まりの中にいる」
「約束」
「手紙」