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アジア・新大陸・ヨーロッパ 増補新版
ルシオ・デ・ソウザ/岡美穂子 著
異端審問記録に残された奴隷本人の証言。歴史のダークサイドとして省みられることのなかった日本人奴隷の実相を広い視野から紹介し、アジアにおける人身売買を新たな視角で検討する。増補新版。
2021/1/8 刊行
人類もまた生物の一つなり
渡辺利夫 著
初代満鉄総裁、二度の内務大臣、外務大臣、東京市長……。首相にこそ手が届かなかったが、後藤新平は誰もがその名を知る大政治家の一人だ。しかし、後藤の素質と思想が最大限に活かされ、力量が発揮されたのは四十代の台湾総督府民政長官時代であった。「アヘンの島」と呼ばれ、ゲリラの絶えなかった彼の地が植民地経営の一つの成功例と言われるまでになったのはなぜか。政治指導者のリーダーシップの原型を開発経済学の泰斗が描く。
2021/1/8 刊行
坂口安紀 著
世界最大の石油埋蔵量を誇る産油国ベネズエラ。だが、戦争や自然災害とは無関係に経済が縮小を続けている。その間、治安は悪化、食料供給や医療制度も崩壊の危機にある。四〇〇万人以上が陸路国外に脱出し、シリアに次ぐ難民発生国となった。かつて二大政党制を長期間維持し「民主主義の模範」とされた同国に何が起こったのか――。本書は、チャベス大統領就任以降、権威主義体制に変容し、経済が破綻に向かう二〇年間の軌跡を描く。
2021/1/8 刊行
江戸の数学文化
小川束 著
日本の数学は一七世紀半ばから中国の影響を脱し、独自の発展を遂げた。なかでも関孝和や建部賢弘の業績は多岐にわたり、極めて高度な内容を含んでいた。一方、一般向けの数学啓蒙書『塵劫記』が大ベストセラーとなって海賊版や類書が出回ったり、額や絵馬に問題や解法を記して神社仏閣に納める算額奉納が盛んに行われるなど、庶民の間でも広く楽しみとしての和算が定着した。最新の研究に基づいて、江戸に花開いた豊かな数学文化を繙く。
2021/1/8 刊行
戦時下のパーマとモンペ
飯田未希 著
「贅沢は敵」と批判されたパーマネントは、実は戦中も大流行しており、客は店に大行列、防空壕にもパーマネント機が持ち込まれていた。モンペは日中戦争開始後、防空演習で着用され注目を集めたが、実際にはすぐ下火になり、「モンペが不格好で不人気だから防空演習への参加率が悪い」と取り沙汰されたりした。戦時期は統制経済や節約といったイメージで語られがちだが、女性の洋装が広まり、お洒落の意識が変化した時代でもある。統制と流行と近代化の狭間で大きな社会問題となった、女性たちの「お洒落」とは。
2020/11/9 刊行
ナチス安楽死思想の原典からの考察
森下直貴/佐野誠 編著
相模原の障碍者施設殺傷事件、安楽死論争、パンデミック・トリアージ。「役に立つ/立たない」で命を選別できるのか。ナチス安楽死政策を理論的に支えた著作に批判的考察を加え、超高齢社会の「命」を問う
2020/9/9 刊行