C★NOVELS大賞

6th
C★NOVELS Award
2010年3月26日に受賞者の方々に出席して頂き、弊社で授賞式が行われました。
また、正式タイトルとペンネームが決まりましたのでお知らせ致します。

大賞受賞作
『四界物語1 金翅のファティオータ』 黒川裕子
特別賞受賞作
『風の島の竜使い』 片倉一

この二作は、2010年7月25日に刊行されます。
ご応募くださいました皆様、誠にありがとうございました。




 新たな才能との出会いを求めて創設したC★NOVELS大賞も第6回を迎え、今年も多数の応募作の中から大賞1作、特別賞1作を選出することができました。スケールの大きな物語のなかで、葛藤しながらも成長するキャラクターの魅力溢れる2作品です。どうぞ刊行を楽しみにお待ちください。
 一作の長篇小説を書き上げる力はそれだけでひとつの才能ですが、ただ書いただけでは読者に伝わりません。そこでよく、読者の身になって見直せ、と助言したりします。しかしこの賞の選考を重ねるうち、その表現では足らないと思うようになりました。楽しみを受け取る読者としてではなく、俳優を動かす演出家や、観客の反応を狙う映画監督の目で、自分の作品を見直して欲しいのです。脚本に弛みはないか、役者の性格付けはぶれていないか、クライマックスの仕掛けは充分か、読後にカタルシスはあるか......。そこに意を注ぎ、工夫を凝らし、自在に操ることが、小説を書く者の特権であり、最大の面白みでもあるのです。
 自分の創造した物語が誰かの心を動かす――この歓びを目指して、第7回へのご応募をお待ちしています。

[C★NOVELS編集長]
 
大賞受賞作

吾火裕子『吟遊翅ファティオータ』

〈あらすじ〉
海上を駆ける水棲馬(ハトゥーバ)の騎士であるシルッカは、海上集落を襲うトゲウオ退治の任務についていた。被差別民(サクォーリアン)の血を引くため、相棒で帝国第一皇子でもある騎士リンゼイからは蔑まれている。水上集落がトゲウオに襲われ全滅した夜、トゲウオの幼生を拾い……。

〈選評〉
海上を駆ける馬、トゲウオ、石など独自のモチーフがきちんと機能しており、世界を魅力的にみせていた。また戦闘シーンや海を駆けるシーンなどでは、巧みな文章力でビジュアルを想起させる。キャラクターの肉付けや関係性もよく描けており、物語の展開とあいまって一気に読ませる。会話の書き分けや誤字など問題もあるが、この世界をもっと読みたいと思わせる作品。

〈受賞コメント〉
 名誉ある大賞を頂戴しまして、誠にありがとうございます。同じくらい大きな責任を感じつつ、心から御礼申し上げます。
 長いあいだ、見たことのない景色、色鮮やかな夢(しかも自分が見たい夢!)を文字にするのが私の日課でした。それが仕事になるかもしれないことに、驚いています。
 くたびれきって帰った家で、そこに異世界への扉が開いていたら? たとえば、枕元に本を置いておくだけで。それを可能にする、ワンダーに満ちた物語を描くことが目標です。
 私の拙い小説の一頁目、一行目が、どうか「扉」となりますように。

特別賞受賞作

片倉弓弦『翼の末裔』

〈あらすじ〉
谷に棲まう刀牙竜と共生する「竜使い」の集落。少女レラシウは幼馴染のシノカントに嫁いだが「竜使いに向いていない」と言われてしまう。夫ほどの腕前で飛べないことを思い悩むレラシウに「街」の令嬢シャーロットから竜による荷運びの依頼が舞い込んで……。

〈選評〉
竜の生態についてはにおい、巣など細かい部分にまで気配りがなされており、好感が持てる。「女は飛べない」という夫の台詞の意味を追究する過程で生じる、主人公たちの葛藤もよく練られていた。文明の衝突を描く際に見られた拙さや、ラストに対する消化不良感など、もう少し詰めてほしい部分も散見されるが、素直に主人公を応援したい気持ちにさせられた。

〈受賞コメント〉
 まずは夢への第一歩を踏み出す機会を下さった編集部の皆様に、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 突然の朗報にただただ驚いています。未だ半信半疑なつもりで居たのに、書店で急に後ろめたくなったり、ノベルスの棚で闇雲な恐怖とこの上ない喜びを感じたりと、深い部分では確実に適応しているようです。我ながら現金なものです。
 これからは日々努力を積み、自分のペースで一歩一歩進んで行きたいと思います。暖かい目で見守って頂ければ幸いです。

二次選考通過作品

※掲載は筆名、タイトルの順です。(順不同、敬称略)

吾火裕子
天音璃京
石井颯砂
岡野めぐみ
尾白未果
小林遊
片倉弓弦
樋口史子
矢伏務

『吟遊翅ファティオータ』
『そらとぶ手紙』
『華胥之國幻灯』
『農学王女』
『霧の彼方、君が呼べば』
『冬小路家の終焉』
『翼の末裔』
『アルテミシア』
『双月の煌めく国の記』

一次選考通過作品

※掲載は、筆名、タイトルの順です(順不同、敬称略)

来条恵夢
風祭神菜
依沙亜三葉
今泉凛
Kaco
今葷倍正弥
藤村春樹
大森葉音
草加萌
あやめゆう
里内アキ
樋口史子
楽山やくら
山鳥はむ
黒霧
黒崎裕哉
清水さゆる
瀬戸美月
矢伏務
草薙ユウ
茶倉きなこ
トラマツリ
竜堂嵐
高田硝子
柊芳明
大黒尚人
羽鳥由姫
小林遊
石井颯砂
神崎瑞紀
篠行
佐河莉帆
雨宮だりあ
匂坂きぬこ
小田リツ
高科あかり
石川零
あまのかおり
桜庭日向
広瀬まつば
魔夜可
柄螺真帆
望月桜
天海スヰ
緑谷明澄
藤里幸
あざみ野ひつじ
佐倉朔
岡野めぐみ
吾火裕子
矢口丞
羽咋ルリ
高咲コウ
廣瀬航
木庭七虹
片倉弓弦
尾白未果
月谷日向子
天音璃京
真崎あさひ
架月かほり
松久蓮
群崎有仁

夜が明けるまで
電気姫の受難
八百綴り
コルトガット物語 風の少女ロリ
World’s End -この世界が終わるまで-
護り屋の記憶
漂泊の王
プランタンの優雅な退屈
子×12 (猫の子 子猫 獅子の子 子獅子)
デッドマンナイトウォーキング
ヴァンピールとビターチョコレート
アルテミシア
SSランクのふたり旅
Grace de Akademeia 
再会の海
ナナツヒメ
龍の素技師
夜明けの歌を、君と
双月の煌めく国の記
蒼き瞳のシャルバット
コメカミさんとタテガミくん
戦場の雨宿りに見た光
金色兎と召喚獣売買人
金の首の物語
架空の青、二重螺旋の。
黄昏の騎士
アメリカン・フェイクロア~幻の学芸員を追え
冬小路家の終焉
華胥之國幻灯
翼を呼ぶ風
クラムクラナッハの奇跡
失われた王国と封印の指輪
海に還る、暁の星
神宿りのアリツェ
バターの月となりたがりみどりの歌
カサンドラの館
星の回廊を巡る
重月奇譚
続く日のために
雷鳴の空に泳ぐ
王の騎士・騎士の王
竜タマ姫ガナハトーエの奇蹟
砂漠の花

アヤカシガリ
オリトリアの白き英雄
眠れば夢見る図書館で
想い、萌ゆ
農学王女
吟遊翅ファティオータ
ゴールドラッシュ!
太陽のティエラ
水の惑星~地上より永遠に~
きみに花を送ろう
竜は人を愛する夢をみる
翼の末裔
霧の彼方、君が呼べば
翼竜の巫女と七竈の皇子
そらとぶ手紙
歌姫には翼がある
のちの物語
悪魔の弁護人
亡神の断章

過去のC★NOVELS大賞

BOC
茅田砂胡 プロジェクト
A-KOE

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