キューピッド、キリスト、悪魔
岡田温司 著
エンジェルとキューピッドは何が違うのか。キリストがかつて天使とみなされていたのはなぜか。堕天使はいかにして悪魔となったか。「天使」と聞いて、イメージが浮かばない日本人はいないだろう。しかし、天使をめぐる数々の謎に直面したとき、私たちは想像以上に複雑な陰影を彼らがもっていることに気づくはずだ。天使とは一体、何者なのか――。キリスト教美術をゆたかに彩る彼らの物語を追いかけてみよう。
2016/3/25 刊行
諷刺画とともに見る指導者たち
飯倉章 著
一九一四年に勃発した戦争は、当初の予測を裏切り、四年以上に及ぶ最初の世界大戦となった。その渦中で、皇帝や政治家、軍人などの指導者は、どのような選択と行動をし、それは戦況にいかなる影響をもたらしたのか。本書は重要人物や戦場を描いた一〇〇点近くの諷刺画を織り交ぜ、当時を再現しながら、戦いの軌跡をたどる。複雑な背景を持ち、八五〇万人以上の戦死者が出た大戦を多面的に読み解き、実態を示す。
2016/3/25 刊行
坐禅でつかむ仏教の真髄
藤田一照/伊藤比呂美 著
悟りとは何か――。禅には「不立文字、教外別伝」、つまり、釈迦の教えは言葉では伝えられないという考え方がある。では、アメリカで禅を長年にわたって教えてきた禅僧と、仏教に目覚めた詩人が「禅」について語り合うと、どのような言葉が飛び出すのか。「そもそも仏教って何ですか?」から始まった対話は、縁起や如来などの仏教用語を解剖しながら、坐禅への誤解を暴き立て……。読むと坐りたくなる、坐禅のススメ。
2016/3/25 刊行
ユーラシアの狩猟・採集、農耕、遊牧
佐藤洋一郎 著
人は食べなければ生きていくことはできない。人類の歴史は、糖質とタンパク質のセットをどうやって確保するかという闘いだった。現在、西洋では「麦とミルク」、東洋では「コメと魚」の組み合わせが一般的だ。だが、日本を例にとっても山菜を多食する採集文化が色濃く残っているように、食の営みは多様である。本書は、ユーラシア全土で繰り広げられてきた、さまざまな「生業」の変遷と集団間の駆け引きを巨細に解読する。
2016/3/25 刊行