四神の旗第九回

 * * *

 武智麻呂(むちまろ)が立ち去ってしばらくすると葛城王(かつらぎおう)が姿を見せた。
 三千代(みちよ)が不比等(ふひと)と結ばれる前に、美努王(みぬおう)との間にもうけた息子だ。皇族の血を引いている。
「いかがでしたか」
 三千代は葛城王に問うた。
「母上のことを頼りにしているようですね」
 葛城王は三千代の向かいに腰を下ろした。
「馬鹿なことを」
 三千代は鼻で笑った。
「武智麻呂はわたしを警戒こそすれ、頼りになどはしておりません。人を見誤ると、後で痛い目に遭いますよ」
「相変わらず、母上は手厳しい」
 葛城王が苦笑した。
「武智麻呂が頼みにしているのは父である不比等の威光と安宿媛(あすかべひめ)のみですよ。あなたもわたしの息子であり、安宿媛の兄なのです。いずれ、武智麻呂とは雌雄を決しなければなりません」
「しかし、向こうは中納言(ちゅうなごん)、こちらはただの馬寮監(めりょうのげん)に過ぎません」
「その馬寮監が従四位下(じゅしいのげ)の位を得ているのはなぜですか」
「母上のお力添えがあるからです」
「わたしが藤原(ふじわら)不比等なら、今頃はあなたも太政官(だいじょうかん)に座を得ているはずです。悔しいけれど、わたしは女の身。不比等ほどの力がありません」
「それで充分です。安宿媛が皇后になれば、わたしにも活路が開けます。長屋王(ながやのおう)や藤原の兄弟たちとも対等に渡り合えるようになるでしょう」
 三千代は首を振った。
「長屋王はいずれ、武智麻呂たちに追い落とされるでしょう。それまでは、あなたはなにもせず、息を潜めているのです」
「長屋王が藤原の者たちの好きにさせますか」
 葛城王が眉をひそめた。
「長屋王は育ちが良すぎるのです。ゆえに、詰めが甘い。今は栄華を誇っていますが、それも長くは続かないでしょう」
「母上はすべてをお見通しなのですね」
「物事をよく見極めれば、だれにでもわかることです。わたしと不比等はそうやって生きてきました」
 葛城王はひとつうなずいたあとで、咳払いをした。
「ひとつ、考えていることがあるのです」
「なんですか」
「今すぐにとはいいませんが、いずれ、臣下にくだって橘(たちばな)の氏を名乗ろうと思っております」
「そうですか」
「もう、名も考えているのです。橘諸兄(もろえ)。いかがですか」
「よい名前です」
 三千代は答えた。

       * * *

 近江(おうみ)に入ると、天皇が遣わされた内舎人(うどねり)が宇合(うまかい)たちを迎え入れた。
 このたびの働きに、天皇は大いに感謝しているという。
 蝦夷(えみし)の反乱とその鎮撫(ちんぶ)は、天皇にとっても大きな問題だったのだ。
「首(おびと)様がこれほど喜んでくださるとは」
 慰労の宴で酒を飲みながら、小野牛養(おののうしかい)が顔をほころばせた。小野牛養は鎮狄(ちんてき)将軍として、宇合と共に反乱の鎮圧に奔走した。
「将軍、都へ戻れば大変な褒美が待っているのではありませんか」
 そう言って笑ったのは大野東人(おおののあずまひと)だった。
「我々もあやかりたいものです」
 中臣広見(なかとみのひろみ)がそれに続いた。
「愚か者たちめ。将軍が褒美を独り占めにするようなお方だと思っているのか」
 高橋安麻呂(たかはしのやすまろ)が宇合の盃(さかずき)に酒を注いだ。
「安麻呂殿の言うとおりだ。我らは戦場で生死を共にした仲。そなたらを、放っておけるか」
 宇合が盃を掲げると、四人もそれに倣った。
「血を分けてこそはいないが、これまでも、これからも、我らは兄弟だ」
「兄弟の絆に」
 四人が声をそろえ、酒を一気に飲み干した。
 四人が四人とも、黒く日焼けしている。実際に戦場で刃を振り回していたわけではないが、都から遠く離れた陸奥(みちのく)で、日々、戦に目を凝らしていたのだ。
 都から出たことのない者たちに比べれば、四人は頼もしい顔つきをしていた。
 持節(じせつ)大将軍に任じられたことは驚きだったが、無駄ではなかった。心から信頼できる者を四人も得ることができたのだ。
「都の様子はどうなっている」
 小野牛養が内舎人に訊ねた。
「なにも変わりありません」
 内舎人は澄ました顔で応じた。
「安宿媛様にご懐妊の報せはないのか」
 宇合は内舎人に顔を向けた。内舎人が首を横に振った。
「残念ながら、ご懐妊はまだのようです」
「そうか兄上はさぞ落胆しているのだろうな。もうよい、そなたは下がれ。今宵は我らだけで酒を楽しみたい」
 宇合が告げると、内舎人は部屋を出ていった。
「安宿媛様が皇子をお産みになれば、いよいよ、藤原の兄弟たちが長屋王を追い落として政(まつりごと)を主導するようになるのですね」
 大野東人が言った。
「そのときが来るのが待ち遠しいですな」
 応じた中臣広見の顔が歪んでいる。この戦を通じて、位階が下の者たちの間に長屋王への不満がくすぶっていることを知った。
「馬鹿を言うな。左大臣は天皇の信頼篤きお方。そのようなお方を追い落とすなど、それこそ天皇に対する不敬ではないか」
「とぼける必要はありません、将軍。我らは兄弟も同然と申したのは将軍ですぞ」
 高橋安麻呂が頬を膨らませながら言った。
「武智麻呂、房前(ふささき)、宇合、麻呂(まろ)、藤原の四兄弟が長屋王の好きにさせているのは、安宿媛様が皇子をお産みになるときを待っているのだ。巷(ちまた)ではみな、そう信じております」
 中臣広見が乱暴に酒を呷(あお)った。
「みな、長屋王の政に辟易(へきえき)しているのです」
 小野牛養が吐き捨てるように言った。
 融通が利かず、上から一方的に押しつけられるだけの政に多くの者が呪詛(じゅそ)を口にする。
 このことを知れば、房前はどう思うだろう。それでも、長屋王と手を携えて天皇を支えるという思いを変えないのだろうか。
「房前兄なら、そうであろうな」
 宇合は酒を口に含んだ。
「なにを独りごちているのです、将軍」
 高橋安麻呂がまた宇合の盃に酒を注いだ。
「そなたらの言葉を左大臣が耳にしたらどうするかと思ってな」
「あのいつも涼しそうな顔が曇りますか」
 小野牛養が身を乗り出してきた。
「いや、あの涼しい顔のまま、自分の抱く崇高な理想はなかなか理解されないものだと嘯(うそぶ)くであろう」
「左大臣というのはそういう方なのですね」
「そうだ。そして、困ったことに、わたしは左大臣が嫌いではないのだ」
「ご冗談を」
 四人の顔が揃って引きつった。
「我々は藤原の兄弟たちに将来を賭けようと思っているのです。それを、左大臣は嫌いになれないなどと言われたら、我々はどうしたらよいのですか」
 小野牛養が食い下がる。顔が赤いのは酔ったせいではない。気持ちが高ぶっている。
「いいか、心して聞け」
 宇合は盃を置いた。他の者たちもそれに倣(なら)った。
「かつて、父、不比等が言ったのだ。政は人の好き嫌いで行うものではない。心ゆるせる相手であっても、自分の目指す政に邪魔となるなら切って捨てよ。逆に、どうしても好きになれない相手でも政に良しとなるなら、その相手の肩を抱け」
 だれかが溜息を漏らした。
「そのような言葉を、若いときから聞かされていたのですか」
 小野牛養が嘆息するように言った。
「父は家にはほとんどいなかったが、たまに姿を現すと、政の要を教えてくれたのだ」
「胸に刺さる言葉です。政とはさようなものなのですね」
「とはいえ、わたしは父ではない。父の教えのとおりに政を行うつもりもない」
 不比等の言葉は紛(まご)うことなく正鵠(せいこく)を射ているのだろう。だが、それではあまりに無情すぎる。
 不比等は戦に出たことがない。だからわからないのだ。決して切り捨ててはならぬ者がいるということを。
「わたしは決してそなたらを切り捨てたりはせぬ。約束しよう」
「我らも将軍の意に背くようなことは決していたしません」
 高橋安麻呂が叫ぶように言った。
「誓いますぞ、将軍」
 中臣広見が盃を掲げた。
「この身ある限り、将軍に付き従います」
 大野東人が続いた。
 五人で黙って酒を飲んだ。

        * * *

 邸に戻ると、妻の牟漏女王(むろのおおきみ)が橘三千代と語らっていた。
 母と娘の横顔は瓜二つだ。
「これは三千代殿、ご無沙汰しております」
 房前は三千代に頭を下げた。
「よいのですよ、内臣(うちつおみ)殿。お忙しいお方ですもの」
 房前は苦笑しながらふたりの傍らに腰を下ろした。
「なにを話していたのです」
「宇合殿が凱旋されたので、牟漏が無事帰還された祝いの宴でも催したいと言うのですが、宇合殿はお忙しいようで、なかなか時間を作ってもらえぬと」
「そなたがそのようなことを」
 房前は牟漏女王に問うた。
「はい。久しく宇合殿のお顔も拝見しておりませんし、これはいい機会ではないかと思ったのですが」
「聞くところによると、宇合殿は一緒に陸奥へ行った小野牛養らと親しくされているようす」
「さように聞いております。戦場で生死を共にした仲ゆえ、その絆も深いものがあるのでしょう」
「相変わらず甘いですね、内臣殿は」
 三千代の声が棘(とげ)を孕(はら)んだ。
「どういうことですか」
「宇合殿はこのたびの功績で、従三位(じゅさんみ)に上がるでしょう。まだ式部卿(しきぶきょう)という身ながら、政の中心に躍り出るやもしれません」
「それがいかがいたしました」
 房前は内心、舌を巻いた。退いたとはいえ、宮中における三千代の威光が消えるわけではない。宇合が受ける叙位、叙勲は先日、太政官で決められたばかりだ。それがすぐに三千代の耳に入る。女官たちに口止めしたところで意味はなかった。
「鎮狄将軍だった小野牛養をはじめとする者たちは、宇合殿に心酔しているのでしょう。宇合殿にとっては心強い味方。政では意のままになる者たちを抱えておくのが定石です」
「宇合がそのように振る舞うとして、それのなにが問題ですか」
「宇合殿の本心はいずこにあるのでしょうね」
 三千代は言葉を切ると、房前の目を真っ直ぐに見つめた。
「中納言殿に従うのか、内臣殿に従うのか、あるいは己の道を進むのか。あなたは兄なのです、わたし以上に宇合殿のことをご存じでしょう」
 武智麻呂に従うか、己の道を進むかのふたつにひとつだ――房前は唇を噛んだ。
 長屋王と志を共にするという考えは宇合にはないだろう。武智麻呂と手を結んで長屋王を追い落とすか、あるいは唐を手本にした国造りという己の夢を追い求めるか。
 いずれにしろ、房前の進む道と宇合の進む道は交わることがない。
「あなたたち兄弟の絆にひびが入れば、長屋王がそれを利することになります」
「それは心得ております。先日も、兄弟で集まり、武智麻呂が同じ事を申しました。その上で、兄弟が手を取り合って同じ道を進むと決意を新たにいたしました」
 三千代の目が氷のように冷たい光を孕んだ。
「あなたにはそれが不満なのでしょう」
「そのようなことはございません」
「よいのです。阿閇(あへ)様の言葉に忠義を尽くす。それが藤原房前という男です。だからこそ、わたしも中納言殿ではなく、内臣殿に娘を嫁がせたのですから」
「痛み入ります」
 房前は頭を下げた。
「中納言殿は、あなたの心持ちなど気にもかけないでしょう。だれよりも不比等様に似ております。欲しいものを手に入れるためには、どんな犠牲も厭(いと)いません」
「兄は変わってしまいました」
 三千代の顔に微笑みが浮かんだ。
「氏上(うじのかみ)という立場がそうさせるのです。不比等様も、兄上が生きておられれば、あのような人間にはなっていなかったでしょう」
 不比等の兄、定恵(じょうえ)は僧となり、留学僧として唐へ赴いた。十数年の時を経て帰国したが、その直後に亡くなっている。
 定恵が生きていれば、あるいは還俗(げんぞく)して父である藤原鎌足(かまたり)の後を継いだのかもしれない。
 であれば、不比等はどのような人生を歩んだのだろう。
 房前は首を振った。
 考えても仕方がない。伯父は若くして死に、不比等が藤原の氏上になった。それを変えることはできない。
 房前が不比等の次男であることもまた、変えることはできないのだ。
「あなたの忠義がどこにあれ、それは、藤原の力が強くなければ貫くことはできません。よいですか。藤原の力あっての内臣なのです。思いは違ったとしても、中納言殿と共に歩むのです」
「承知しております」
 房前の言葉に、三千代がまた微笑んだ。
「それでもなお我慢がならぬときは、道から足を踏み出してしまえばよいのです」
 思わぬ言葉に、房前は瞬きを繰り返した。
「道を外れてもよいのですか」
「中納言殿はあなたをゆるさないでしょう。それでもかまわぬという覚悟があるのなら、なるようになります。そのときは、わたしが力添えをいたしましょう。あなたは牟漏の夫ですから。力不足ではありましょうが、葛城王もおります」
「温かく、力強いお言葉をいただきました」
 房前はもう一度、三千代に頭を下げた。

        * * *

「つまらぬ」
 箏(そう)をつま弾く手を止めて、麻呂は独りごちた。盃に酒を注ぎ、一息に飲み干す。
 もうかれこれ一時近くそうやって飲み続けているが、一向に酔いが回る気配はなかった。
 長屋王の佐保(さほ)の邸に赴くと武智麻呂が嫌な顔をするのでこのところは控えるようにしている。
 代わりにといってはなんだが、宇合と時を過ごしたいと思うのだが、陸奥から戻ってきた宇合は、生死を共にした仲だと小野牛養や他の連中と常に一緒にいる。
 戦の話など、一度聞けば充分だというのに、連中は飽きることなく陸奥での話を繰り返す。
 それが面倒で、宇合に会いに行く足も遠のいてしまった。
 仕方がないので左右京大夫(さゆうきょうだいぶ)としての仕事が終わると自宅へ戻り、箏をつま弾き、酒を飲み、詩を吟じる。
 しかし、それにももう飽きてしまった。飽きてしまったというのに、他にできることもしたいこともない。
「旦那様、お客人がお見えです」
 再び箏をつま弾こうとしたところで、家人から声がかかった。
「わたしに客だと。なにかの間違いだろう」
「葛城王様にございます」
「葛城王......」
 麻呂は居住まいを正した。葛城王は三千代の息子であり、葛城王の妻、多比能(たひの)は不比等と三千代の娘であり、麻呂の妹にあたる。
 藤原の家とは近しいが、これまではたまに言葉を交わすだけだった。
「失礼いたしますぞ」
 葛城王が瓶を抱えて姿を現した。
「これは葛城王様。このようなところに、今日はどのような用で」
「珍しい酒が手に入ったのですが、普段酒を酌み交わす友たちはだれもかれもが多忙な様子で。ひとりで飲むのもつまらんと思っていたところ、突然、麻呂殿のことが思い浮かびました。だれよりも酒を愛す我が弟。その弟と飲まぬ手があるかと」
「それはわざわざ、痛み入ります」
「邪魔でなければよいのですが」
「見てのとおり、こちらも退屈を持て余していたところです。お座りください」
 麻呂は家人を呼びつけ、酒膳の支度を命じた。
「やはり、箏をつま弾いておられましたか。酒と共に、麻呂殿の箏を久々に聞きたいとも思っていたのです」
 盃と簡単な食事が運ばれてきた。葛城王は持参した瓶から直に酒を酌んだ。
「百済(くだら)でよく飲まれていた酒だそうです。配下の者に、百済から来た家の者がおりまして。故郷を懐かしんでは毎年、この酒をこしらえているとか。どうぞ、飲んでみてください」
 麻呂も瓶から直に酒を酌んだ。普段飲んでいる酒より香りがきつい。ひとくち飲んでみる。味もきつかった。
「これはなんともまた......」
 酒を飲み干すと、胃の腑が一気に燃え上がった。
「香りも味もきつく、また、酔い方も強烈です。飲みすぎないよう、気をつけなされ」
「しかし、うまい」
 麻呂はうなずき、また酒を口に含んだ。一向に回ってこなかった酔いが、瞬く間に麻呂をとらえた。気分がよくなり、箏を手元に引き寄せた。
 心のままにつま弾いていく。酒に頬を赤らめた葛城王が目を細めて箏に聞き入っている。
 気分がいい。実に気分がいい。
 曲が終わると、葛城王が感に堪えぬというように吐息を漏らした。
「相変わらず、見事な腕前。心が洗われるようです」
「それほどたいそうなものではありません」
 空だったはずの盃は新たな酒で満たされていた。麻呂はその酒を飲んだ。頭の奥で鬱屈していたものが溶けていく。
「葛城王様、この酒、気に入りました。また手に入りますか」
 葛城王がうなずいた。
「それほど気に入られたなら、配下の者にそう伝えます。あやつらも、天下の藤原麻呂が家伝の酒を気に入ったと知れば、大いに喜ぶでしょう」
「それは言いすぎです、葛城王様」
「なんの、みなが申しております。いずれ、安宿媛様が皇子をお産みになられたら、長屋王様に取って代わり、藤原四兄弟の時が来ると」
「しかし、皇子が生まれぬことにはどうにもなりません。それに、わたしは末っ子です。仮に藤原の世が来たとして、わたしが手に入れられるのは微々たるものです」
 葛城王が笑った。
「相変わらず、野心がないのですな、麻呂殿は」
「どれだけの野心を内に抱えていようと、末っ子であるという現実は変えられません」
「わたしも、同じ母を持ちながら、そちらの父上は並ぶ者なきと謳(うた)われた藤原の不比等、こちらはなんの力もない皇族だという事実は変えられない。詮方なき者同士、せいぜい、酒に酔って憂さを晴らしましょう」
 葛城王が盃を掲げた。麻呂も盃を掲げ、中の酒を飲み干した。
 胃が燃え上がり、頭の奥が溶けていく。
 葛城王が笑った。麻呂も笑った。
 飲んでは笑い、笑っては飲み、気がつけば夜が更けていた。

四神の旗

Synopsisあらすじ

「そなたらはこの国の四神となれ」

自らの一族を「神」にしようとした男、藤原不比等は没した。

遺された四人の子ーー武智麻呂、房前、宇合、麻呂は父の意志を受け継ぎ、この国の中枢に立つことを決意する。その野望を阻むのは類い稀なる政の才覚を持つ皇族、長屋王。そして父・不比等の妻にして最大の協力者、橘三千代であった。陰謀渦巻く宮中で巻き起こる、古代史上最大の事件とは……。

Profile著者紹介

はせせいしゅう

1965年北海道生まれ。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)――不夜城Ⅱ』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。著書に『比ぶ者なき』『パーフェクトワールド』『雨降る森の犬』など多数。

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