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カルタゴ滅亡からイスラーム台頭までの800年史
大清水裕 著
北アフリカを本拠とした強国カルタゴは、イタリア半島を統一した新興国ローマと争い、敗れて滅亡した。アフリカは属州とされたが、拡大する帝国の片隅で埋没したわけではない。穀倉地帯として経済的繁栄を遂げ、政治的影響力を強めて元老院議員を輩出した。二世紀末には初のアフリカ出身皇帝セプティミウス・セウェルスが登場する。「辺境」はローマ本国をどう変えたのか。地中海を挟む対岸から見た、新しいローマ帝国像。■本書の目次はしがき序章 カルタゴの滅亡と北アフリカの人々ポエニ戦争とカルタゴの滅亡/カルタゴ滅亡とその伝説化/現在のカルタゴ/北アフリカの人々/歴史は勝者によって書かれる、のか?第一章 共和政期の属州アフリカローマ支配の始まり/共和政期の「ローマ帝国」/ガイウス・グラックスとカルタゴ再建の試み/前一一一年の農地法/「ローマではすべてが金で買える」/ユグルタ戦争とマリウスの軍制改革/サルスティウスの歴史の書き方/ヌミディア王とローマ/ユグルタ戦争後のヌミディアとマウレタニア/ヌミディア王ユバ一世とカエサル/「ウティカのカトー」/カエサルによる戦後処理第二章 カルタゴ再建とマウレタニア王国の興亡オクタウィアヌスの登場/元首政の成立と退役兵問題/カルタゴ再建/帝室解放奴隷の活躍/ビュルサの丘の祭壇/カルタゴ植民市の周辺領域/入植者と先住民との土地分割/トゥッガにおける先住民と入植者/タクファリナスの反乱/戦争か、盗賊か?/『年代記』の史料的特色/マウレタニア王国のヘレニズム文化/プトレマイオス朝の末裔として/後継者プトレマイオス王とその死/マウレタニアの属州化第三章 属州民の見たローマ帝国ローマ支配の拡大/穀倉としての北アフリカ/大土地所有の拡大とネロの蛮行/転換期としてのフラウィウス朝?/「ローマ化」とは何か/トラヤヌス帝の都市建設/アフリカ属州総督の不正/「人類が最も幸福だった時代」の属州社会/シミットゥスの橋/ハドリアヌス帝のアフリカ巡幸/ハドリアヌス帝の演説にみる兵士たち/皇帝領の運営規定/皇帝領の小作人たち/ウティナのモザイクにみる人々の暮らし/マルクス・アウレリウス帝とローマ市民権第四章 アフリカ系皇帝の時代セプティミウス・セウェルス帝の登場/北アフリカのローマ化と元老院の変容/パルティア遠征と凱旋門/カルタゴ都市領域の再編/カルタゴのローマ人たち/レプティス・マグナへの帰郷/支配の南方への拡大/皇帝の死とエチオピア人/「記憶の断罪」/アントニヌス勅法/騎士身分皇帝マクリヌス/二三八年のアフリカ反乱/ローマへの愛/テュスドゥルス・モザイクにみるローマとアフリカ/三世紀は危機だったのか?第五章 アフリカ教会とラテン語のキリスト教キリスト教のアフリカ伝来/キリスト教とラテン語/テルトゥリアヌスからキュプリアヌスへ/デキウス帝とウァレリアヌス帝の迫害/アルノビウスとサトゥルヌス信仰/ディオクレティアヌス治世の迫害とラクタンティウス/ドナトゥス派問題/キルクムケリオーネスと四世紀の農村社会/アウグスティヌスの『告白』/アウグスティヌスとアフリカ教会/アフリカ人の誕生とローマ帝国第六章 古代末期のローマ人たちヴァンダル人の侵入と古代の終わり?/宮廷の権力争いと北アフリカ/ギルドの反乱と食糧供給/北アフリカにおけるローマ支配の自壊/ヴァンダル王国の成立と「西ローマ帝国」の滅亡/ヴァンダル王国支配下のアフリカ農村/アリウス派とカトリック教会/東から来たローマ人/マウリ人とローマ人/ビザンツ支配下のアフリカ諸都市/カルタゴとコンスタンティノープル/イスラーム支配の拡大終章 アフリカから見たローマ帝国あとがき邦語参考文献写真出典
2025/08/21 刊行
土橋茂樹 著
キリスト教の三位一体とは、父なる神、子なるイエス、聖霊の三者は本質的に同一だとする説である。ユダヤ教から分派したキリスト教が世界宗教へと発展を遂げる過程で、教会は神とイエスの関係の解釈に苦慮した。教会内の様々な派閥がしのぎを削った異端論争を経て、四世紀後半に三位一体の教義は確立を見る。初学者が誰しも躓く、この謎の多い教えについて、専門家が丹念に解説。キリスト教の根本思想に迫る。
2025/07/23 刊行
土橋茂樹 著
キリスト教の三位一体とは、父なる神、子なるイエス、聖霊の三者は本質的に同一だとする説である。ユダヤ教から分派したキリスト教が世界宗教へと発展を遂げる過程で、教会は神とイエスの関係の解釈に苦慮した。教会内の様々な派閥がしのぎを削った異端論争を経て、四世紀後半に三位一体の教義は確立を見る。初学者が誰しも躓く、この謎の多い教えについて、専門家が丹念に解説。キリスト教の根本思想に迫る。■本書の目次はじめに序章 キリスト教の成り立ち原初の信仰形態から一神教へ/ユダヤ教徒によるメシアの待望/民族宗教から世界宗教へ/新約聖書と使徒教父文書/キリスト教の公認から教義の確立へ第一章 三位一体の起源1 三位一体という考えの由来史的イエスとの遭遇/ギリシア哲学の流入/旧約聖書における神の仲介者/再び、イエスとは何者か?2 旧約と新約の多様な相関イエスによる旧約の預言理解/終末論的な預言へ/予型論とは何か?/活喩法とは何か?/ペルソナ間で対話する神第二章 キリストの神性をめぐる議論の始まり1 ロゴス・キリスト論と「二つのロゴス」フィロンの「創世記」解釈/「二つのロゴス」説/殉教者ユスティノスと二神論問題/「二つのロゴス」説の位置づけの変容2 教義史にオリゲネスがもたらしたものオリゲネスとは何者か?/オリゲネスへの異端宣告の背景/「ヒュポスタシス」とは?/哲学概念「ウーシアー」の神学への転用/本質存在と実質存在/長く困難な議論第三章 異端論争の只中へ1 「アレイオス論争」とは何か?二種類のオリゲネス主義者間の論争/三様のオリゲネス受容/アレイオス論争の発端/背景としてのメレティオス派分裂/論争の真の黒幕は誰?2 ニカイア公会議とその後の動向アレイオス派の言い分/ニカイア信条/「ホモウーシオス」とは?/ニカイア以降の新たな論争の布置/アンティオケイアのニカイア支持派第四章 教義理解の深まり1 バシレイオスの神理解カッパドキア教父とは何者か/バシレイオスとエウノミオス/ウーシアーとヒュポスタシスの混用/「不生性」をめぐるエウノミオスの論点/神の不可知性に拠るバシレイオスの論駁/二つのエピノイア論/バシレイオスのウーシアー観の揺らぎ2 神の本性から神の働きへプロティノスの影響の有無/若年の習作『霊について』/力動的ウーシアー観への展開3 ナジアンゾスのグレゴリオス独自の論法一神論を政治に喩えると/〈本性の言説〉と〈オイコノミアの言説〉/オイコノミアとは何か?第五章 三位一体論教義の完成1 ニュッサのグレゴリオスの三位一体理解兄バシレイオスの志を継いで/なぜ三神ではなく一神なのか/「プロソーポン」概念の諸相/〈顔〉から〈識別相〉へ/グレゴリオス独自の存在論/個体と固有名2 聖霊論の展開三位一体のエネルゲイア/キリスト論から聖霊論へ/〈聖霊〉をめぐる論争の布置/コンスタンティノポリス公会議/〈聖霊〉は世界創造に参与していたか?/〈聖霊〉の発出をめぐって/線状的序列から栄光と崇拝の循環へ第六章 西方ラテン世界における展開1 ニカイア前後の西方の動向東西の論争状況の異なり/テルトゥリアヌスの貢献/ヒラリウスによる「同一本質」の再興2 アウグスティヌスによる伝統継承と刷新あくまでニカイア支持派として/実体カテゴリーと関係カテゴリー/本質の一性から働きの一性へ/〈聖霊〉の二つの発出/キリストの「受肉」とは何か/キリストの神性と人性をめぐって/ニカイアからカルケドンに至る道/自己の内奥への超越終章 三位一体論の行方聖像破壊運動と最後の公会議/教会会議のその後の経緯/教会大分裂と東西関係のその後/新たな展開に向けてあとがき参考文献
2025/07/23 刊行
自由・平等・博愛の起源と普遍化への系譜
竹下節子 著
本来、「生き方マニュアル」として誕生した教えから、受難と復活という特殊性を通して「信仰」が生まれた。「宗教」として制度化したことで成熟し、広く世界に普及する一方で、様々な思惑が入り乱れ、闘争と過ちを繰り返すことにもなった。本書は、南米や東洋での普及やその影響を通じて、ヨーロッパ世界が相対化され、近代に向かう中で、「本来の教え」が普遍主義理念に昇華するまでの過程を、激動の世界史から解読する。
2025/05/30 刊行
古代から現代まで
ルーベン・ファン・ラウク 著/藤原聖子 監修/飯田陽子 訳
2024年11月の情報TV番組(『ワイド!スクランブル』)で、チリの「悪魔の神殿」が取り上げられた。伝統的なカトリック教会(特に聖職者による子どもへの性的虐待)への不信が高まり、悪魔崇拝者が急増しているという内容だった。ただしこの教団では、実際に悪魔を崇拝しているわけではなく、「個人主義の象徴を悪魔としているにすぎない」と説明されていた。さらに、これはチリに限ったことではなく、2019年にはアメリカで「悪魔の神殿」が宗教団体として認定され、人工妊娠中絶を肯定していることから、中絶禁止に反対する人や性的少数者など、信者数は70万人以上に上ると番組は付け加えた。 この報道を観た人には、興味深いが、どういうことなのかさっぱりわからないと思う人が多かったのではないか。最近、悪魔崇拝の語がニュースに流れたもう一つの文脈はQアノンである。Qアノン陰謀論は、世界を牛耳る「ディープステート」は児童売春組織を運営する悪魔崇拝者だとしていた。つまり、子どもを性的に虐待するのは悪魔崇拝者だというイメージもアメリカに存在しているのである。このように報道は錯綜し、悪魔崇拝をいっそう謎めいたものにしている。 そのような謎を一気に解明してくれるのが本書である。なぜ「悪魔の神殿」は悪魔の実在を信じないというのに悪魔崇拝者を名乗るのか。なぜ悪魔は個人主義の象徴になったのか。なぜ悪魔崇拝は政治的にリベラルというイメージと恐ろしい秘密結社というイメージをともに引き起こすようになったのか。これらの疑問に対する答えはすべて本書の中にある。――監修者・藤原聖子 目 次 日本の読者のための序1章?キリスト教による悪魔崇拝の発明 間奏1?18世紀――サタン死す?2章?ロマン主義におけるサタンの復権 間奏2?ボードレール――サタンへの連祷3章?19世紀の対抗文化におけるサタン4章?ユイスマンスとその仲間たち5章?サタンのシナゴーグの正体6章?サタンのシナゴーグの正体――続・結 間奏3?19世紀の宗教的悪魔崇拝――事実かフィクションか?7章?20世紀への道のり8章?悪魔崇拝教会の始まりと苦難 間奏4?若者と悪魔崇拝――ヘビメタとネットのサタニズム 結 論 解 説 訳者あとがき
2025/05/30 刊行
古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで
鶴見太郎 著
ユダヤ教を信仰する民族・ユダヤ人。学問・芸術に長けた知力、富のネットワーク、ホロコーストに至る迫害、アラブ人への弾圧――。五大陸を流浪した集団は、なぜ世界に影響を与え続けているのか。古代王国建設から民族離散、ペルシア・ローマ・スペイン・オスマン帝国下の繁栄、東欧での迫害、ナチによる絶滅計画、ソ連・アメリカへの適応、イスラエル建国、中東戦争まで。三〇〇〇年のユダヤ史を雄大なスケールで描く。■目次序 章 組み合わせから見る歴史第1章 古代 王国とディアスポラ1 ユダヤ教以前のユダヤ人?――メソポタミアとエジプトのあいだで2 ユダヤ教の成立――バビロニアとペルシア帝国3 ギリシアとローマ――キリスト教の成立まで第2章 古代末期・中世――異教国家のなかの「法治民族」 1 ラビ・ユダヤ教の成立――西ローマとペルシア2 イスラーム世界での繁栄 西アジアとイベリア半島3 キリスト教世界での興亡――ドイツとスペイン第3章 近世――スファラディームとアシュケナジーム1 オランダとオスマン帝国――スファラディームの成立2 ポーランド王国との邂逅――アシュケナジームの黄金時代3 偽メシア騒動からの敬虔主義誕生――ユダヤ教の神秘主義第4章 近代――改革・革命・暴力1 ドイツとユダヤ啓蒙主義――同化主義なのか2 ロシア帝国とユダヤ政治――自由主義・社会主義・ナショナリズム3 ポグロムとホロコースト――東欧というもう一つのファクター第5章 現代――新たな組み合わせを求めて1 ソ連のなかの/ソ連を超えるユダヤ人――社会主義的近代化2 パレスチナとイスラエル――「ネーション」への同化3 アメリカと文化多元主義――エスニシティとは何かむすびあとがき参考文献ユダヤ人の歴史 関連年表
2025/01/22 刊行
ヒマラヤ大聖者 相川圭子自伝
相川圭子 著
仏教やキリスト教の源流であり、5000年の伝統をもつヒマラヤ秘教。世界で二人しかいないヒマラヤ大聖者のひとりである著者は、いかにして究極のサマディ(悟り)に達したのか。著者初の自伝。
2024/12/27 刊行
終末思想で読み解くキリスト教
岡田温司 著
世界の終末に神が人類を裁く「最後の審判」。キリストが再臨して、天国で永遠の命をあずかる者と地獄へ堕ちて永遠の苦しみを課される者を振り分けるとされる。西洋の人々にとって、希望の光であると同時に恐怖の源でもあった。本書は、このキリスト教の重要主題をわかりやすく解説する。死後の世界はどうイメージされたか。罪は誰が裁き、どんな罰が与えられたか。裁きに正義はあったか――。多くの図版とともに読み解く。
2024/11/29 刊行
宗教が挑んできた人生最後の謎
中村圭志 著
死んだらどうなるのか。天国はあるのか。まだまだ生きたい。来世で逢おう――。尽きせぬ謎だからこそ、古来、人間は死や転生、不老長寿を語り継いできた。本書は、死をめぐる諸宗教の神話・教え・思想を歴史的に通覧し、「死とは何か」に答える。ギリシアや日本の神話、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から、ヒンドゥー教、仏教、さらに儒教、神道まで。浮世の煩悩をはらい、希望へいざなう「死の練習」帳。
2024/10/21 刊行
宗教が挑んできた人生最後の謎
中村圭志 著
死んだらどうなるのか。天国はあるのか。まだまだ生きたい。来世で逢おう――。尽きせぬ謎だからこそ、古来、人間は死や転生、不老長寿を語り継いできた。本書は、死をめぐる諸宗教の神話・教え・思想を歴史的に通覧し、「死とは何か」に答える。ギリシアや日本の神話、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から、ヒンドゥー教、仏教、さらに儒教、神道まで。浮世の煩悩をはらい、希望へいざなう「死の練習」帳。■目次■まえがき序 章 物理的な死と来世観の始まり1 二元論(霊魂説)への懐疑 物理主義と二元論 どちらが説明として優れているか?2 来世、先祖、転生 霊魂信仰と葬式の起源 来世観よりも切実な葬送の儀礼 先祖という権威 生まれ変わりのモチーフ 3 文学的・思想的な組織化 来世についての語りの進化 思想や情念からの介入4 脳神経が見せる神秘体験 認知の歪みがもたらす神秘 臨死体験と来世観の関係PARTⅠ 古典的大宗教以前 死の文学と倫理の始まり第1章 はっきりしない来世 日本神話の黄泉と常世 黄泉、常世、根の国――曖昧なる死者の空間 黄泉と死体の恐怖・穢れ 生と死の対決 オルペウスの冥界降り 常世と根の国 現世の延長としての他界?第2章 詩人の修辞 ギリシア神話のハーデース 多重な《指向的構え》と言葉の巧みさ 死すべき者、人間 ホメロスの語る冥界探訪譚 大事なのはあくまで現世 地獄の先駆形? ウェルギリウスの冥界ランド第3章 思想家の正義 密儀宗教とプラトン密儀宗教――オルペウス教団とピタゴラス教団 プラトンの独自な来世観嬉々として死んだソクラテス哲学は死の練習?懐疑主義あるいは不可知論第4章 神の介入 旧約聖書と終末の待望古代イスラエル人の歴史 死後の世界シェオール 現世主義に生じた亀裂 終末論のディテール ゾロアスター教の影響?PARTⅡ 一神教の来世観 終末、復活と審判、天国と地獄第5章 死を乗り越えた神人 キリストの復活キリスト教誕生の経緯 パウロの思考法 終末観はどうなったか? 死後の来世はどうなった? 死後すぐに実現する救い 死後と終末後――肉体の有無第6章 復讐と大団円 黙示録の世界「ヨハネの黙示録」―― 終末のプロセス 黙示録のミーム 千年王国の解釈 「パウロの黙示録」と「ペトロの黙示録」 社会全体の救済第7章 中間の発見 煉獄とダンテの『神曲』地獄と煉獄の違い 煉獄誕生のプロセス 地獄・煉獄・天国三分法の文学化 地獄ツアーから始まる 南半球の煉獄山 天動説的な天国と神の至福直観 往生術、免罪符、宗教改革 カトリックとプロテスタントの死闘 『天路歴程』の霊的サバイバルゲーム 第8章 あえて詮索しない来世 ユダヤ教とイスラム教ユダヤ教徒は死後の話をしない? イスラム教の来世観 終末の経緯 楽園と火獄の様子 現実社会の掟PARTⅢ 輪廻宗教の来世観 報いとしての転生と解脱第9章 凡夫と修行者の運命 ウパニシャッドの輪廻観ヴェーダとウパニシャッド 五火二道説 輪廻説のダークサイド 民衆の信仰第10章 変化する世界は苦である 釈迦の洞察王子の悩みと悟り 苦、無常、無我 神話的世界観としての輪廻 『ダンマパダ』の聖句の輪廻的解釈 地獄の責め苦 釈迦の大いなる死矢の教え第11章 増殖する地獄界と天界 須弥山世界と『往生要集』須弥山宇宙の中の輪廻空間 地獄界 餓鬼、畜生、阿修羅、人の境遇 幾重にも重なる天界 仮初の監獄と孤独な囚人たち第12章 聖域としての浄土 念仏往生と各種の方便浄土の起源 阿弥陀仏を念ずる 救済のイメージトレーニング 極楽浄土の情景 源信の実践法 念仏至上主義 法華信仰PARTⅣ 古典的大宗教の周辺(パラ)と以後(ポスト) 来世観から死生観へ第13章 祖先祭祀と不老不死 儒教と道教の来世観儒教の祖先祭祀 孔子の不可知論 道教の「生への執着」 不老長寿は東洋の錬金術? 仏教の中国化――『父母恩重経』と『盂蘭盆経』 仏教か道教か?――官僚主義的な地獄ビジョン 不可知論? 祖先祭祀? 不老不死? 十王信仰?第14章 来世論への禁欲と耽溺 本居宣長と平田篤胤日本仏教の変容――鎮護国家から葬式仏教まで 儒教と道教の影響 「神道」の創出――本地垂迹説から国学まで 神道としての来世観の始まり 死後について追究しない?――本居宣長 原理主義か懐疑主義か? 幽世から子孫を見守る――平田篤胤 童子の臨死体験 幽冥界のその後第15章 オカルトの台頭 近代西洋の心霊主義一九世紀欧米の心霊主義 なぜ心霊主義が求められたか? 柳宗悦の場合 スヴェーデンボリと神智学 浅野和三郎と宮沢賢治 ニューエイジへ第16章 死の言説の再構築 死生観と死生学「死生観」言説の誕生 「武士道」言説と忠君的死生観 戦争で死にゆく者の断裂 死生観のその後 欧米人の死生観 死生学とグリーフケア死の通説を検証する哲学終 章 現代人にとって死とは何か――「自然に帰る」の意味過去の時代のワイルドな来世観 死の問題の回帰 一方では死の覚悟、他方では死者の霊の実感 自然に帰る? 結論あとがき参考文献
2024/10/21 刊行
中央公論編集部 編
== 特集 ==保存版 世界史を学び直す100冊◆〔対談〕西洋史と東洋史の「達人」が語る歴史を学び直して最後に見えてくるもの▼岡本隆司×君塚直隆◆「辺境」ヨーロッパが世界を変えるまで▼君塚直隆◆「アジア史」の構造をとらえる▼岡本隆司◆複合的な視点で見るアメリカ▼青野利彦◆イスラム史を普遍的な文脈で理解する▼小笠原弘幸◆ロシア・東欧史の見取り図▼池田嘉郎◆多角的に迫るアフリカ▼武内進一◆キリスト教の現代性▼松本佐保◆科学はどう営まれてきたか▼神里達博◆古代ギリシア以来の大問題「戦争とは何か」▼石津朋之◆20世紀の古典と人類史化する世界史▼山下範久◆脳卒中の後遺症の中、僕が前向きになれる理由歴史を知れば「楽観性」が身につく▼出口治明=======【時評2024】●チェイニーとの抱擁と民主党に忍びよる新保守主義の影▼三牧聖子●大正と令和、「米騒動」の共通点▼牧野邦昭●「歴史から学ぶ必要はない」発言の真意▼辻田真佐憲== 特集 ==石破新政権と日本のゆくえ◆派閥解消、選挙の顔、右派、世代交代……自民党の何が変わったのか▼中北浩爾◆野田新体制は転換点になるか立憲民主党が政権を担うために必要なこと▼菅野志桜里◆新政権を待ち受ける日本経済の課題――高圧経済、エネルギー、社会保障▼飯田泰之=======【人口減少という有事】●〔座談会〕少子化をめぐるギャップを埋められるかZ世代の異論にすべて応えます▼増田寛也×宇野重規×白波瀬佐和子×能條桃子×古井康介=======◆5人の政治家の群像劇世代論で読み解くアメリカ大統領選挙▼村田晃嗣◆分断と対立のなかに芽生える共通項アメリカではじまった次世代の経済政策の模索▼安井明彦◆現地調査で中国の戦略的転換を読み解く迫る台湾有事のXデー▼佐々木れな◆コメ争奪戦を生んだ構造的要因と課題「令和の米騒動」とは何だったのか▼小川真如== 谷崎賞 ==●令和6年 谷崎潤一郎賞発表受賞作 柴崎友香『続きと始まり』選評 池澤夏樹/川上弘美/桐野夏生/堀江敏幸●文学的近況あのときの続き▼柴崎友香=======◆ニッポンの音楽と文化の核心「洋楽離れ」から遠く離れて▼佐々木 敦◆追悼 伊藤 隆伊藤史学が残したもの――遺産の彼方に▼有馬 学◆多数の意見と少数の意見公共政策において民意はどこまで尊重されるべきなのか▼杉谷和哉=======《好評連載》●学問と政治~新しい開国進取【第24回】集団的自衛権の見直しと平和安全法制▼北岡伸一●炎上するまくら【第95回】お打ち合わせ▼立川吉笑●皇室のお宝拝見【第8回】王羲之《喪乱帖》▼本郷和人《連載小説》●地上の楽園 【第8回】▼月村了衛●金波銀波 【第4回】▼澤田瞳子
2024/10/10 刊行
多様性の果てに
読売新聞アメリカ総局 著
ブラック・ライブズ・マター運動で広がる黒人と白人の溝、キリスト教やLGBTQ、中絶を巡る「赤い州」と「青い州」の価値観の対立、国境の街とリベラルな都市の間での不法移民の押し付け合い、ユダヤ・アラブ・アジアなど国際情勢から派生する攻防――多様な社会を目指してきたアメリカが、その多様性ゆえに激しさを増すさまざまな軋轢に苦しんでいる。 世界を先導してきたアメリカの民主主義と多様な社会はどこへ向かうのか。日本がその姿から学べることは何か。 全米各地を徹底取材した『読売新聞』連載「変容する米国」「米大統領選2024 論争の現場」に大幅加筆。政治家や市井の人々、不法移民など、120人以上の証言で「変わりゆくアメリカの今」を描き出す総力ルポ。
2024/10/08 刊行
多様性の果てに
読売新聞アメリカ総局 著
世界が驚愕したトランプ前大統領の暗殺未遂事件。しかし皮肉にもトランプの「強さ」を内外に誇示する結果となり、共和党の結束は強固なものに。 一方、バイデン大統領は現職大統領として56年ぶりの再選出馬断念を余儀なくされ、女性初の大統領を目指す黒人・アジア系のハリス副大統領を後継に指名。「差別主義者」対「多様性の象徴」という、アメリカが直面する分断を体現する選挙戦が展開されることとなった。 ブラック・ライブズ・マター運動で広がる黒人と白人の溝、キリスト教やLGBTQ、中絶を巡る「赤い州」と「青い州」の価値観の対立、国境の街とリベラルな都市の間での不法移民の押し付け合い、ユダヤ・アラブ・アジアなど国際情勢から派生する攻防――多様な社会を目指してきたアメリカが、その多様性ゆえに激しさを増すさまざまな軋轢に苦しんでいる。 世界を先導してきたアメリカの民主主義と多様な社会はどこへ向かうのか。日本がその姿から学べることは何か。 全米各地を徹底取材した『読売新聞』連載「変容する米国」「米大統領選2024 論争の現場」に大幅加筆。政治家や市井の人々、不法移民など、120人以上の証言で「変わりゆくアメリカの今」を描き出す総力ルポ。
2024/10/08 刊行
黒田祐我 著
8世紀の初め、ジブラルタル海峡を渡ってイベリア半島、さらにフランスまでを席巻したイスラーム勢力。その後はキリスト教徒側が少しずつ押し戻し、1492年のグラナダ陥落でイスラーム勢力を駆逐した。この800年に及ぶ「聖戦」はレコンキスタの一語でまとめられてきた。だが、どちらの勢力も一枚岩ではなく、戦争と平和、寛容と不寛容、融和と軋轢が交錯していた。レコンキスタの全貌を明かす、初の通史。
2024/09/19 刊行
黒田祐我 著
8世紀の初め、ジブラルタル海峡を渡ってイベリア半島、さらにフランスまでを席巻したイスラーム勢力。その後はキリスト教徒側が少しずつ押し戻し、1492年のグラナダ陥落でイスラーム勢力を駆逐した。この800年に及ぶ「聖戦」はレコンキスタの一語でまとめられてきた。だが、どちらの勢力も一枚岩ではなく、戦争と平和、寛容と不寛容、融和と軋轢が交錯していた。レコンキスタの全貌を明かす、初の通史。
2024/09/19 刊行