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追悼・小林麻央さん

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泣いておあげなさい

瀬戸内寂聴

 歌舞伎俳優・市川海老蔵さんの妻で、乳がんのため闘病していたフリーアナウンサーの小林麻央さんが6月22日夜、亡くなった。享年34。2016年6月にがんであることを公表し、同年9月にはみずから「KOKORO.」と題したブログを開設。日々の体調や心境を丁寧に綴り、多くの人を勇気づけた。
 かねて海老蔵さんと親交のある瀬戸内寂聴さん。01年、瀬戸内さんが初めて歌舞伎の脚本を手がけた『源氏物語』で、市川海老蔵(当時は新之助)さんが光の君を演じ、交友を深めるきっかけに。04年には、十一代目市川海老蔵襲名披露公演のために、新作歌舞伎『源氏物語』を書き下ろしている。
 6月23日に開かれた海老蔵さんの記者会見を見た瀬戸内さんがメッセージを寄せた

 海老蔵さん

 この度は最愛の麻央さんに先だたれて、お悔やみの言葉もないほどお辛い目に逢われたこと、お労わしくて言葉もありません。
 亡くなられてすぐ、あなたが大きな目にあふれてくる涙を素手で拭きながら、健気にも気を引き立てて、記者会見の役を果たそうと努力しているのをテレビで見て、私もいっしょに泣いてしまいました。まだ三十四歳の若さで、この世から去られる麻央さんの痛ましさに、泣かずにいられないあなたの悲痛さが可哀そうで、私もまた涙を止めることが出来ませんでした。これまでの生涯で最も泣いた日と、あなたは言ってらっしゃいましたね。涙が涸れるほど泣いても、最愛の麻央さんを見送ったあなたの悲しさは尽きることはないでしょう。

(『婦人公論』2017年7月25日号より一部抜粋)

掲載号

婦人公論 2017年7月25日号(7月11日発売)
定価570円(本体価格528円)
表紙: 武井咲

2017年7月25日号(7月11日発売)

義理の家族は
悩ましい

作家・佐藤愛子
93歳の肖像

安藤和津×和田明日香 ホンネとタテマエ
瀬戸内寂聴 海老蔵さんへの手紙
佐藤愛子×工藤美代子 対談
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