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覇権交代6

C★NOVELS

覇権交代6
民主の女神

大石英司 著

上園陸将補の戦死により、昇進した〈サイレント・コア〉の土門。少々浮かれている間に、戦局はますます混迷した事態へと突入して?

カバー:安田忠幸
刊行日:2019/12/18
新書判/232ページ/定価:本体980円(税別)
ISBN978-412-501406-7


はけんこうたい6
みんしゅのめがみ


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コメント

 ベルリンの壁崩壊は1989年11月9日。その数ヶ月前、いわゆる六四天安門事件が起こる。それから30年が経過しました。
 この30年、EUは拡大の果てに、今崩壊しようとしている。アメリカのポリコレは行き着くところまで行って保守層の反動を招き、トランプ政権が誕生した。
 そして、とっくに倒れているはずの中国共産党は、一人リングに留まって仁王立ちしている。民主主義世界で得た稼ぎを元手に、今や世界中の富を独占しようとしている。
 彼らはその富で世界中のリゾートを買いあさっているわけではありません。それはほんの一部です。彼らは、ファーウェイの積極的な技術開発投資に見られるように、かつての日本をお手本にして、地道な基礎研究や技術開発に投資しているわけです。日本と違うのは、中国には、軍と民間の区別はない。
 かつての日本の強みは、株式会社でありながらも、四半期ごとの損益に左右されずに、長期的な視野で経営や設備投資が出来ることとされた。しかし日本は、長年のアメリカからの圧力で、株主優先思想に染まり、利益は速攻で株主へと還元される、西側の標準的な会社モデルに変化したわけです。
 日本の会社には最早、明日の赤字を覚悟して研究に没頭するような牧歌的な資本主義経済は存在しない。
 それがまだ、今の中国にはある。彼らは日本の成長と失敗から多くを学び、莫大な資金を基礎研究に費やして、その成果を直ちに軍事に注ぎ込んでくる。
 対してアメリカでは、株主のご機嫌を窺う必要がある軍事メーカーは、可能性はあってもリスクが大きい開発からは手を引くようになった。軍用機開発が良い例です。中国では、まだそれが出来ている。
 今世紀初頭、ミニ・バブルを繰り返して行き場を失った世界のドル・マネーは、最終的に中国に辿り着いた。そこで中国が富を独占する環境を整えて貢献した。いずれその恩恵は、性格を変えて世界にまた環流することでしょう。かつてジャパン・マネーがそうであったように。けれども、今、ひとりでリングに立っている中国は、独裁国家の仮面をもった国だということを、香港やウイグルを巡る問題で時々、思い出させてくれるわけです。

〔大石英司/2019年12月〕

BOC
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