第5回
古屋兎丸「少年」
作者より

この漫画では子供同士の関係性や最後の逆転劇という中心軸だけを描きましたが、この小説の面白さは当時の風習の細かな描写や、最後の西洋館に入った時の幻想的な描写にもあります。この倍ページがあればそれも描きたいところなのですが、そこは小説を読んで補完してもらえればと思います。

プロフィール

ふるやうさまる
1968年東京都生まれ。94年に『月刊漫画ガロ』より「Palepoli」でデビュー。卓越した画力と多彩な画風で熱狂的な支持を集める。主な著書に『ライチ☆光クラブ』『帝一の國』『女子高生に殺されたい』などがある。

原作の「少年」は『潤一郎ラビリンスⅠ ――初期短篇集』や『谷崎潤一郎全集 第一巻』に収録されています。
また、無意識に性に目覚めていく少年期を豊潤な筆致で描く谷崎潤一郎の作品は下記の書籍でお楽しみいただけます。

『潤一郎ラビリンスⅤ 少年の王国』(中公文庫)

少将滋幹の母