第6回
山田参助「飇風」
作者より

この谷崎の原作は、発禁にもなったという「飇風」。
青年読者へ宛てた乱倫の戒めのようで、かと思えば地方の温泉地の風俗ガイドの側面もあり、当時の悩める成人男子にとって大変刺激的な読み物であったであろうと想像しますが、一筋縄ではいかないのはこの小説が主人公の「一般通俗的なセックス観からの脱却」、簡単に言えばフェチプレイの目覚めについて書かれたものだというところだと思います。
現代の目で読むと「カジュアル変態のススメ」。早いコはもう始めてるゾ☆

プロフィール

やまだ さんすけ
1972年生まれ。雑誌『さぶ』『SAMSON』へ短篇マンガや挿絵を発表するかたわら、歌謡曲デユオ「泊」で音楽活動を行い、活躍は多岐に亘る。現在『コミックビーム』で「あれよ星屑」、『コミック乱』で「ニッポン夜枕ばなし」を連載中。主な著書に『若さでムンムン』『あれよ星屑』などがある。

原作の「飇風」は『潤一郎ラビリンスⅠ ――初期短篇集』や『谷崎潤一郎全集 第一巻』に収録されています。
また、情痴の世界を描いた谷崎潤一郎の作品は下記の書籍でお楽しみいただけます。

『潤一郎ラビリンスⅠ 初期短編集』(中公文庫)

『谷崎潤一郎全集 第一巻』(全集)

『潤一郎ラビリンスⅣ 近代情痴集』(中公文庫)

『谷崎潤一郎全集 第十一巻』(全集)

『卍』(中公文庫)

『痴人の愛』(中公文庫)

『瘋癲老人日記』(中公文庫)

『人魚の嘆き・魔術師』(中公文庫)

『鍵』(中公文庫)