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大統領奪還指令8

C★NOVELS

大統領奪還指令8
影の政府

大石英司 著

忽然と姿を消した大統領。日本と同盟国軍の奮闘でアメリカの混乱は収束するのか----衝撃のシリーズ最終巻!

カバー:安田忠幸
刊行日:2025/10/21
新書判/224ページ/定価:1265(10%税込)
ISBN978-412-501502-6


だいとうりょうだっかんしれい8
かげのせいふ


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コメント

 この1年、くどいほどに繰り返したことですが、アメリカは壊れている。これがまだ、トランプ政権が発足して1年も経っていない国と、私たちの世界だということがにわかには信じられない状況です。それほどにアメリカは壊れています。
 アメリカ国内で、少しは抵抗運動があるかと思ったのに、メディアは腰砕け、対する民主党は、まるで地下に潜ったかのように無言、音沙汰無しです。
 ワシントンDCのナショナル・モールを、ベトナム反戦デモ時のような、大群集の反トランプ・デモが埋め尽くすでもない。アメリカ人は、民主主義など忘れたかのような静けさです。
 今、アメリカで起こっていることは、全ての文明人、文明社会にとっての反面教師と言えるでしょう。私たちの民主主義は、かくも脆く、壊れやすいものだということが、そのご本尊で証明されつつあるのだから。
 対する日本の政治も混乱を極めている状況です。インフレ時に、やれ財政出動だ、減税だと訳の解らないことを連呼する民衆によって支持された政治家が、保守から革新まで人気を得ている。
 そこに財政規律や社会保障改革を訴える人間はいない。インフレ税や貨幣錯覚に関して有権者に説明するようなまともな政治家はいない。げに恐ろしきはポピュリズムです。それをSNSを利用し、内部から煽って崩壊させようとする外国勢力もいる。
 全く皮肉なことです。外国人排斥を叫ぶ過激な連中は、その外国勢力から踊らされていることに気づきもしない。
 私たちは、たったの140文字に、ただ憎悪を詰め込み、過激に世の中を煽り続ける人々によって動かされている、踊らされている。そこに世論の中央値があると勘違いする政治家と、それを批判しきれないマスなメディアという、今まさにアメリカで起こっていることを、日本はミニサイズで再現し、忠実になぞっている状況です。
 いずれ日本にも、トランプのような過激な為政者が現れるでしょう。それは今日かもしれないし、明日かもしれない。

〔大石英司/2025年10月〕

BOC
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