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東シナ海開戦6

C★NOVELS

東シナ海開戦6
イージスの盾

大石英司 著

中国の飽和攻撃を防いだのも束の間、今度は中華神盾艦四隻を含む大艦隊が魚釣島に向けて南下を始めた。イージス鑑"まや"と"はぐろ"、潜水艦"おうりゅう"はその進攻を阻止できるか!?

カバー:安田忠幸
刊行日:2021/7/20
新書判/224ページ/定価:1100(10%税込)
ISBN978-412-501436-4


ひがししなかいかいせん6
いーじすのたて


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コメント

 尖閣諸島で最も大きな島である魚釣島というのは、全く奇妙な島だということを皆さんはご存じだろうか? 勇ましい皆さんは、あそこに陸兵を常駐させるべきだと主張なさる。私も可能なら、自衛官はともかく、植生や生物を研究する科学者くらい住んで貰ってもいいのでは、と思ったりする。
 所がこの島、人間が住むには全く適さない島だということは意外に知られていない。報道等で伝えられるのは、せいぜい「自然の真水が手に入るから、生活するに適している」という程度の情報である。
 もし、そこで真水が手には入り、人間が生活するに適しているのであれば、文明が進化する前からとっくに誰かが暮らし、開墾されていたはずだが、その形跡はない。せいぜい、昔、鰹節工場があったという程度に過ぎない。戦時中にはすでに無人島になっていた。
 東西3.5キロメートル、南北1.3キロメートルの小さな島に、標高362メートルもの高さをもつ山脈が聳えている。この島がどれほど険しい「山」かを想像して欲しい。
 山脈の南側は峻険な崖であるし、比較的なだらかな北側も、あくまでも南側の急な崖に比べれば、ややなだらかという程度であって、フラットな場所などどこにもないと言って良い。
 ここに、恒久的な建物を建てるには、重機を入れて大規模な造成工事を行う必要がある。
 港に至ってはさらにやっかいで、砂浜など何処にもなく、まともな船着き場を作るには、それなりの工事が必要になる。もちろん、中国なら、ここに滑走路の一本くらい簡単に作るだろう。何しろ、深さ700メートルもの軟泥の海底を埋め立てて滑走路を作ろうなどという世紀の大工事に取りかかっている国もあるくらいだから、中国なら、この島に数百台の重機を陸揚げし、山を削って、その土砂で海上を埋め立て、立ち所に滑走路の一本くらいは造るはずだ。
 逆に言えば、だからこそ日台は、この島を中国には渡せないという話になるわけです。

〔大石英司/2021年7月〕

BOC
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