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東シナ海開戦5

C★NOVELS

東シナ海開戦5
戦略的忍耐

大石英司 著

土門陸将補率いる〈サイレント・コア〉二個小隊と、雷炎大佐ら中国解放軍がついに魚釣島上陸を果たす。折しも中国は、ミサイルによる飽和攻撃を東シナ海上空で展開しようとしていた......。

カバー:安田忠幸
刊行日:2021/5/20
新書判/216ページ/定価:1100(10%税込)
ISBN978-412-501434-0


ひがししなかいかいせん5
せんりゃくてきにんたい


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コメント

 米中の外交戦争が賑やかですね。中国はワクチン外交に励み、バイデン政権は、そうはさせじと、ワクチンの特許放棄を呼びかけている。
 ここに、タイム・リミットを抱えた二人の指導者の姿、あるいは焦りがあります。中国の習近平は、長期政権が仇となり、党内に不満が燻り続けている。一人っ子政策と老齢化は、中国の社会を蝕み始めており、その経済発展は、そろそろピークを迎えようとしている。いわば、今の中国は、バブル絶頂期の日本です。何でもできる、何もかも手に入る! と錯覚していた国民は、あっという間に奈落に突き落とされ、30年を経るも未だにその井戸の底から這い上がれない。
 中国は、いずれ自分たちもそうなることが解っているからこそ、足腰が立つうちに、可能な限りの果実を得ようと傍若無人に振る舞っている。
 対するバイデンも、年齢的に先がありません。彼が二期目を目指すかどうかははっきりしない。普通の大統領は、まず二期目を目指して一期目は安全運転に徹し、二期目に入ってから、レガシー作りに励むものです。しかし高齢なバイデンには時間がない。彼は一期目からフルスロットルでレガシー作りに動いている。
 しかし、バイデン政権とは、よくも悪しくもオバマ政権の焼き直し、延長です。オバマは、公約したグアンタナモ収容所の閉鎖もできなかったし、南シナ海での中国による岩礁埋め立ても阻止出来ず、もちろん北朝鮮の核ミサイル開発も止められなかった。それら負のレガシーを克服してなお実績を残すのは容易なことではありません。米軍が撤退した後のアフガンは、テロの量産拠点と化すことでしょう。
 その両大国の狭間で足掻く日本は、果たして彼らと渡り合えるだけの指導者を選んでいると言えるのでしょうか?

〔大石英司/2021年3月〕

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