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オルタナ日本 上

C★NOVELS

オルタナ日本 上
地球滅亡の危機

大石英司 著

中曽根内閣が憲法制定を成し遂げ、自衛隊は国軍へ昇格し、また日銀がバブル経済を軟着陸させ好景気のまま日本は発展する。だが、謎の感染症と「シンク」と呼ばれる現象で滅亡の危機が迫り?

カバー:安田忠幸
刊行日:2020/5/20
新書判/216ページ/定価:1100(10%税込)
ISBN978-412-501416-6


おるたなにっぽん じょう
ちきゅうめつぼうのきき


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コメント

 バブルが破裂してから早30年近くになります。日本は、水面に首だけだして足掻いてきました。どんな美辞麗句を並べようが、この30年、日本はただひたすら衰退し、老いていくだけの落ちぶれた国でした。そしてこの15年に関して言えば、リーマン・ショックに、3・11大地震に、今度のコロナ・ショックです。公務員でなければまず生き残れないような酷い経済ショックに見舞われもしました。
 そして私たちは、繁栄を謳歌する中国を横目で眺めつつ、まだ日本の方がましだと、自国の長所を指折り数えるわけです。言論の自由。政治家を罵る自由、移動の自由、公的医療の素晴らしさに、治安の良さに物価の安さにと......。でも、隣国の繁栄が羨ましくて溜まらない。そんなことはない? 日本が一番だ! いやぁ、私は、空母を同時に何隻も作れる中国を羨ましいと思います。ハリウッドに向かって、「中国市場が欲しければ、ヒロインは中国人にしろ」と迫れる中国が羨ましいです。毎日、朝から晩まで私は、隣国の右肩上がりの繁栄と傍若無人な態度に嫉妬しています。
 そして、マスク一枚、体温計一つまともに量産できなくなった自国を哀れんでいます。
 来る日も来る日も、私たちがひたすら負け続けたこの30年間を振り返るわけです。そして、儚い夢を抱く。マッチ売りの少女が夢見るように。ひょっとしたら何処かで、日本が、あのバブル破綻を上手く処理して、その後もそれなりに経済を回し、少子高齢化からも逃れられた世界線が、何処かのパラレル・ワールドに存在するのではないかと......。

〔大石英司/2020年5月〕

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