書籍情報

書籍詳細

大統領奪還指令4

C★NOVELS

大統領奪還指令4
日韓、双璧の戦い

大石英司 著

ついにアラスカ上陸を果たした中国人民解放軍。そこには、ロシアの魔の手も迫っていた! 一方、自衛隊は夥しい犠牲を払いつつシアトルに留まる。未曽有の危機に日韓が手を結ぶ、激動の第4巻。

カバー:安田忠幸
新書判/224ページ/定価:1265円(10%税込)
ISBN978-412-501494-4


だいとうりょうだっかんしれい4
にっかん、そうへきのたたかい


立ち読みしてみる
この作品の冒頭20ページを無料でご覧いただけます。
オンライン立ち読みシステム!


コメント

 トランプ関税に世界中が振り回されています。トランプを担ぎ、選挙資金を出し、支持した富裕層までが、こんなことになるとは思わなかった! と嘆いている。
 グラスルーツの国民は、インフレに苦しめられるだけですが、彼らビリオネアは、実際にマーケットに築いた莫大な資産を失うことになる。
 それでも、誰もトランプを止められない。私たちは、アメリカという最強の後背地を失おうとしている。
 多くの世界市民たちが、ここまでぶち壊れた大統領なら、まだしも中露の独裁者の方がましだと考えることでしょう。何しろ、彼らは他国を侵略し、脅しは掛けても、自分たちが一番酷い返り血を浴びると解っているような経済破壊など試みないから。
 アメリカが積み上げた様々な赤字は、ドルが基軸通貨であることの証しであり、代償でもあります。でも、そんなことは、中西部の田舎町に暮らす人々には関係無い。そこに、自分なら全てを解決できる! と吠える男が現れ、国民の半分が彼を支持した。
 私が最近、注目しているのは、CNNのヘタレぶりと、アメリカ国民の冷静さです。冷静さというより、戸惑いと言った方が良いでしょう。
 まず、CNNは、反トランプの急先鋒だったにもかかわらず、今や借りてきた猫みたいに大人しい。アメリカのメディアで、トランプと闘っているのは、Politicoくらいのものです。
 そして反トランプ運動の静けさ。毎日のように、どこかで反トランプ・デモが繰り返され、弾劾を求める署名活動も始まっています。それを大きく扱う報道がある。ところが、その参加人数を見ると、無視して構わないほどの人数です。
 本来なら、数百万数千万のうねりとなり、ワシントンDCを埋め尽くすくらいの群衆が怒りを表明して良いのに、そうはなっていない。彼らは単に、トランプ政権の報復を恐れているのか? それとも、市場が下がることで美味い酒が飲めるその他99%の階層なのか?
 私は恐らく、後者だろうと思っています。彼らは、トランプに、今の格差社会の破壊を求めている。富裕層の没落を見たくてしかたがない。自分がリッチになるチャンスがないのであれば、せめてリッチな奴らが没落するのを見たいと熱望する階層です。
 後者では無いマスなメディアは、そういうグラスルーツを置き去りにして来た。
 私たち民主主義陣営は、今、最強にして最良の後背地、そしてお得意さんであったアメリカを失おうとしている。世界は今、その混乱のどこにいるのか? まだトンネルの入り口に入ったばかりなのか、それとももう中間地点に差し掛かったのか?
 ウクライナ情勢の混沌、トランプにはまだ3年間もの時間があるという点を考えるならば、われわれはまだ、この大混乱の入り口に立ったばかりなのでしょう。

〔大石英司/2025年4月〕

BOC
茅田砂胡 プロジェクト
A-KOE

メールマガジン登録

新刊情報、裏話など最新情報を
お届けします

メールマガジンの登録・解除はこちらから

フリーワード検索