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台湾侵攻10

C★NOVELS

台湾侵攻10
絶対防衛線

大石英司 著

ついに台湾上陸を果たした中国の第3梯団。解放軍を止める絶対防衛線を定め、台湾軍と自衛隊、"サイレント・コア"部隊が総力戦に臨む! 大いなる犠牲を経て、台湾は平和を取り戻せるか!

カバー:安田忠幸
新書判/232ページ/定価:1100円(10%税込)
ISBN978-412-501464-7


たいわんしんこう10
ぜったいぼうえいせん


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コメント

 本シリーズ、ついに最終巻まで辿り着きました。本作は、「東シナ海開戦」シリーズ全8巻の続編として始まりました。その「東シナ海開戦1 香港陥落」が出たのは、2020年10月のことです。
 世界がまだ、香港から失われた民主主義という現実を受け止められずにいた頃のことでした。皆さんは、あの頃の香港民主化活動らの名前や顔をまだ覚えていますか? 彼ら彼女らの現在を思うと胸が痛みます。世界から忘れ去られ、きっと絶望の中にいることでしょう。
 世界情勢はドッグイヤー、走馬灯のように駆け回り、もはや香港の民主主義が奪われたことなど誰も気にしていられないほど激動しました。
 まさか、この台湾編に入った時、ウクライナを舞台に世界が第三次世界大戦の崖っぷちに立っていようなどと私は微塵も予想できませんでした。
 先々の危機を予見して先回りするのが自分の仕事なのに、恥じ入るばかりです。
 この先も、台湾情勢は揺れ動くことでしょう。何度もしつこく書きますが、中国が、その国家戦略として、台湾を武力によって奪取する可能性はほとんどありません。しかし、専制国家の独裁者が考えることは、全く予見不可能です。プーチンは不幸にもその見本となってしまった。
 われわれは、守りを固めて、その独裁者に絶えず警告を与え続けるしかない。大事なことは、相手に誤ったメッセージを与えないことです。微塵も、この計略は成功するかも知れない、と独裁者に予断を与えないことです。
 台湾を巡る問題は、基本的には、中国の国内問題です。いざ、その瞬間が来た時のために、日本はこのスタンスを隠し持つ必要があります。その時が来たら、その介入は日本にとって損か得かを計算し、もし損になると考えたなら、「これは中国の内政問題である」として台湾を見捨てることになる。
 ただし、それは隠し持つべき戦略であり、平時に論じるべきことではありません。日本と台湾は、民主主義の下に、人権を旗頭に世界の平和と繁栄に貢献する仲間です。それは、自衛隊が命を懸けて守るに値する同志です。中国は、明らかに違う。共に稼ぐ相手ではあるけれど、あの国に人権はなく、民主国家と呼ぶにはほど遠く、今の中国共産党政権は、世界中に厄介の種を蒔いて回る、ならず者国家の頭領のような存在です。
 中国とは手を握りつつも警戒し、警告を与え続けましょう。そして万一、その危機がホット・ウォーと化したならば、損得を考え、日本の国益は何かを熟慮して行動しましょう。
 全シリーズ18巻、お付き合い頂き有り難うございます!

〔大石英司/2023年3月〕

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