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アメリカがついに参戦! フィリピン救援を目指す米太平洋艦隊は四〇センチ砲戦艦コロラド級三隻を押し立てて決戦を迫る。だが長門、陸奥という主力を欠いた連合艦隊に打つ手はあるのか!?
カバー:高荷義之
新書判/224ページ/定価:1100円(10%税込)
ISBN978-412-501440-1
第一巻をお読みいただいた方は既にお分かりと思いますが、本シリーズにおける日本の参戦時(昭和一四年一二月一日)には、後に勇名を馳せる海軍の提督が、各戦隊の司令官や戦艦等の艦長に就いています。
山本五十六はこの時期、既に連合艦隊司令長官に就任しており、山本のお気に入りだった黒島亀人大佐も連合艦隊首席参謀となっていますが、後に山本の参謀長となる宇垣纏少将はこの時期、軍令部の第一部長でした。
山本と共に航空主兵主義を提唱し、史実では大戦後半の苦しい時期を支えた小沢治三郎少将は、第一航空戦隊の司令官として、空母「赤城」「加賀」を指揮していますし、真珠湾攻撃の機動部隊指揮官となった南雲忠一少将は高速戦艦部隊である第三戦隊の司令官でした。
ルンガ沖夜戦で大功を立て、米側からも高い評価を受けた田中頼三大佐はこの時期、南雲の下で戦艦「金剛」の艦長を務めています。
また、第一次ソロモン海戦大勝の立役者となった三川軍一少将は、第七戦隊司令官の職にありました。
こういったことを調べ、作中に反映するのも、架空戦記を書くときの楽しみの一つです。
(注・本文中の階級は、昭和一四年一二月一日時点のものです)
〔横山信義/2021年10月〕