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機動部隊旗艦「大和」2

C★NOVELS

機動部隊旗艦「大和」2
熱闘のソロモン

横山信義 著

戦艦「大和」の前線配備----という英断は、ソロモン海において第一機動艦隊が米艦隊に圧勝という快挙をもたらす。連合艦隊はすぐさまニュージョージア島に前進、米豪分断作戦を遂行するが。

カバー:佐藤道明
刊行日:2024/10/21
新書判/224ページ/定価:1210(10%税込)
ISBN978-412-501486-9


きどうぶたいきかんやまと
ねっとうのそろもん


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コメント

「何故、制空権・制海権の確保ができない島に、陸軍部隊を送り込んだのか」
 というのが、史実のガダルカナル攻防戦について、私が抱いていた疑問でした。
 米軍が島の周辺海域を制圧している状況下では、友軍に補給を送れないのは自明であり、陸軍部隊が困窮するのは目に見えています。
 大戦後半の島嶼を巡る戦いで、目的地周辺の制海権、制空権を確保した上で、海兵隊や陸軍部隊を送り込んだ米軍とは対照的です。
 以下は推測ですが、緒戦における南方進攻作戦に、ガダルカナルの敗因が隠れていたのでは、と考えます。
 山下奉文将軍の第二五軍がマレー半島に上陸したとき、英国東洋艦隊はシンガポールに在泊していましたし、今村均将軍の第一六軍が蘭印に上陸したときも、米英蘭の連合国艦隊は戦力を残していました。
 英国東洋艦隊も、米英蘭の連合国艦隊も、日本海軍が撃滅し、周辺海域の制海権を確保したおかげで、マレー半島や蘭印の攻略に成功しましたが、このときの成功体験が、日本軍上層部の目を曇らせたのではないでしょうか。
「マレーでも、蘭印でも、敵艦隊は健在だったが、我が軍は作戦目的を達成した。ガダルカナルでも、陸軍部隊を送り込みさえすれば何とかなる」
 当時の日本軍上層部の頭に、このような楽観はなかったのでしょうか。
「勝ち戦の中には、次の戦いにおける敗因が隠れていることがある」とは、戦史の教訓ですが、ガダルカナルと南方進攻作戦の関係に、これが当てはまりそうな気がします。

〔横山信義/2024年10月〕

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