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台湾侵攻5

C★NOVELS

台湾侵攻5
空中機動旅団

大石英司 著

驚異的な機動力を誇る空中機動旅団の投入により、台湾中部の濁水渓戦線を制した人民解放軍。人口300万人を抱える台中市に第2梯団が迫る中、日本からコンビニ支援部隊が上陸しつつあった。

カバー:安田忠幸
刊行日:2022/7/20
新書判/224ページ/定価:1100(10%税込)
ISBN978-412-501453-1


たいわんしんこう5
くうちゅうきどうりょだん


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コメント

 安倍元総理が凶弾に斃れて犠牲となりました。安倍政権が期待され、目指したものは戦後政治の総決算でありリセットでした。周辺事態法案の成立はあったものの、憲法改正も原発再稼働も成し遂げられず、日本は電力不足の夏へと突入した。
 日本人というのは、これ実に、「先送りの民族」です。とにかく決断するのが嫌い、責任をとりたくない、あれこれ決めたくない! いみじくもヘンリー・キッシンジャーは、日本に関して、「コンセンサスの国だ」と評したことがありました。彼流の皮肉です。裏返せば、「何も決められない民族」という侮蔑が込められている。難破船からの脱出に纏わるエスニック・ジョークがありますね。アメリカ人に対しては「飛び込めば英雄になれる!」日本人に対しては「みんな飛び込んでますよ!」と。
 江戸幕府は、それで250年もったが、その決断出来ない態度にブチ切れた薩長によって倒された。太平洋戦争は、本来ならとっとと和睦するなり撤退すべきだった大陸の戦争を終えられずにずるずると拡大して、パールハーバーへと至った。
 そしてわれわれは今も30年の不況から抜け出せない。安倍政権にも出来なかった。その不況は40年へと長引こうとしていて、その間も少子高齢化は加速する。
 防衛を巡る問題も同様です。防衛費GDP2%増。そんなことが出来るわけがないのに、数字だけが一人歩きする。誰も実現できないと解っているから、スローガンだけは声高に叫べる。
 台湾有事が、イコール日本の有事になるか否かは重大な問題です。しかしその時にも、国は何も決められないまま、民間が先んじて動くことになるでしょう。何も決められない政府の尻ぬぐいのため、そして自らの暮らしを救うために、彼ら彼女らが、日の丸を背負って台湾へと渡る日が来ないことを祈っています。

〔大石英司/2022年7月〕

BOC
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