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台湾侵攻1

C★NOVELS

台湾侵攻1
最後通牒

大石英司 著

人民解放軍が大艦隊による台湾侵攻を開始した。一方、中国の特殊部隊の暗躍でブラックアウトした東京にもミサイルが着弾......日本・台湾・米国の連合軍は中国の大攻勢を食い止められるのか!

カバー:安田忠幸
刊行日:2022/1/19
新書判/216ページ/定価:1100(10%税込)
ISBN978-412-501445-6


たいわんしんこう1
さいごつうちょう


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コメント

 この年末年始、国際政治は三つの話題で賑わいました。一つは、オミクロン株という、重症度は低いが感染力は強い株の流行に関して。一つは、ウクライナ情勢を巡るロシアと米欧の駆け引きです。
 そしてここアジアでは、台湾情勢を巡る駆け引きと冬の北京オリンピックの外交的ボイコットを巡る話題が。外交的ボイコット! なんという茶番でしょう。選手は送るが外交団は送らないなんて、それで中国の面子を潰せるとか、中国の政策を変えられるとでも思っているのでしょうか。
 対する、ウクライナ情勢。これはもうこれから真冬に入る西欧のエネルギー事情も絡んで、プーチンの思うがままの展開です。ウクライナのNATO入りを巡って、西欧もアメリカも、ただプーチンの脅しに屈するしかない。

 台湾情勢。実は、年末年始、人民解放軍は静かでした。国内的に不動産市場の引き締めやオミクロン株の静かな拡大等あって、大きな動きが出来なかったようです。それに、中華圏は間もなく春節を迎えます。正月はこれからが本番。
 この数ヶ月で、気になった動きとしては、解放軍の航空機による台湾周回飛行です。それなりの機数の編隊を毎日のように繰り出して、台湾を一周するかのように飛びました。
 航空機の展開に必要なのは燃料だけではありません。エンジンを初めとして、航空機のパーツには厳しい耐用年数が決められ、それらは規定回数の飛行に達すると、無条件に検査、または交換する必要に迫られます。自動車の車検の何十倍も厳しい条件下で飛行機は飛びます。それは軍用機でも同じだし、中露でも同じです。ちなみに中国は、ボーイング機などの重整備拠点を抱えており、日本のエアラインも御世話になっています。それなりの技術力を持っている。
 自衛隊の航空機も、年間計画に従って飛行しています。スクランブルが立て込めば、それだけ戦闘機の運用は難しくなる。
 中国が秋以降に繰り広げた台湾への脅しは、解放軍の航空機は、それだけ運用や整備に余力があることを誇示しました。それも、参加した軍用機のほとんど全てが、国産機だからのことです。自衛隊機で同じことをやったら、アメリカ頼みのパーツがたちまち枯渇し、地上待機を余儀なくされます。
 人民解放軍は今年も、異次元に成長を続けていることを世界に見せつけてくれることでしょう。

〔大石英司/2022年1月〕

BOC
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