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東シナ海開戦2

C★NOVELS

東シナ海開戦2
戦狼外交

大石英司 著

東沙島への奇襲上陸を行った中国軍はこの島を占領するも、残る台湾軍に手を焼いていた。またこの時、上海へ向かい航海中の豪華客船内に凶悪なウイルスが持ち込まれ......!?

カバー:安田忠幸
刊行日:2020/12/22
新書判/224ページ/定価:1100(10%税込)
ISBN978-412-501424-1


ひがししなかいかいせん2
せんろうがいこう


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コメント

 日本にとって、東京オリンピックという輝かしい1年になるはずだった2020年という年は、21世紀の人類史に、悪夢の1年として記憶されることになるでしょう。その2020年も間もなく終わります。この混乱に明け暮れた2020の末、私はこの1ヶ月の間に、2度、丹沢山系に登りました。
 1度はヤビツ峠から縦走を試み、塔ノ岳からの下りは、真っ暗闇の登山道をヘッドランプを点して2時間、泣きわめきながら降りる羽目になりました。つい昨日は、4時間掛かって塔ノ岳に真っ直ぐ登り、3時間掛かって降りてきました。
 ハイキングは、私にとっての究極の非日常です。自分の体力や精神力の限界に挑み、それを試すチャレンジです。
 コロナ禍は、われわれの社会の日常を容赦無く奪っていきました。家族の団らんを奪い、仕事に励み日々の糧を得る権利を奪い、子供が教育を受ける権利を奪い、男と女が恋愛する自由すら奪った。
 しかし、コロナが奪ったのは、日常だけではありません。非日常も奪っていきました。たとえば、豪華客船の旅という非日常です。海外旅行という非日常は消え去りました。
 文明とは何か? 突き詰めれば、それは日常をルーチン化することで、非日常的経験のチャンスを増やすことです。喰うためではなく、余暇を楽しむために暮らせる状態を増進することこそ文明化といえる。それこそが文明化社会です。
 この1年間、私たちは、それら余暇を、「不要不急だから」の一言で切り捨て、社会を守ろうとした。この冬、春先以上の感染爆発に怯える私たちは、そうすることで、社会を守ったと、今、胸を張れるのだろうか?
 コロナ禍がわれわれに突きつけたものは、文明とは何か? を問う作業です。

〔大石英司/2020年12月〕

BOC
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