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覇権交代1

C★NOVELS

覇権交代1
韓国参戦

大石英司 著

中国軍に占拠されたホノルルの平和を回復したアメリカに、中国はまた違うカードを切る。それは韓国の参戦だ。待望の新シリーズ開幕!

カバー:安田忠幸
刊行日:2018/10/22
新書判/232ページ/定価:990(10%税込)
ISBN978-412-501393-0


はけんこうたい1
かんこくさんせん


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コメント

 前シリーズ8作から続く今シリーズを始めるにあたって、どうにもフィクションにしようがない現実と直面しました。まず香港。香港の自治、自由を巡る状況は、われわれの想定を越えて日々悪化しています。そのことに、世界は余りにも無関心で、世界どころか、香港市民自身も鈍感になりつつある。
 次に韓国です。韓国の反日感情はこれも際限なく悪化拡大し、とうとう旭日旗を巡る問題で観艦式への海自艦艇の参加取り止めまでに至った。
 そして海南島です。中国大陸から南シナ海へ、まるで零れ落ちる一粒の涙のように存在する海南島は、われわれ日本人のイメージでは、中国のリゾート・アイランドとして認識されています。いわば中国にとってのハワイです。
 この島が、かつて日本軍によって長期に占領され、過酷な圧政に遭遇していた事実を知っている日本人は今となっては僅かです。それはなぜか? 恐らくはリゾート・アイランドとしてのイメージを壊したくなかった中国が、その事実を積極的にプロパガンダしなかったからでしょう。もちろん、多くの少数民族からなるこの島は、日本軍が去った後、漢民族が押し寄せて、また次の圧政が始まったことも事実です。
 旭日旗を巡る問題と、海南島で過去に起こった悲劇を考える時、歴史を学び、記憶することの重みをひしひしと感じざるを得ません。
 私は海軍基地で育った人間なので、旭日旗には特別な思い入れがあります。あの旗が、過去に血塗られたことは事実なれど、海自がその後半世紀を費やして、その名誉を回復し、わざわざ中東まで出かけて、国際平和に貢献し続けることを誇りとしています。あの旗の名誉を守りたいと思う一人です。
 あの旗に対して、今頃になって恨み辛みを言いつのる人々がいる一方で、黙して語らず、歴史に埋もれていく悲劇がある。それは、戦後生まれのわれわれにとっては、単なる歴史に過ぎないが、彼らにとっては紛れもなく災難で、忘れようも無い出来事でした。
 私は、日本の戦後賠償は終わったという立場の人間ですが、その場所で個別に起こった出来事を知るたびに、それを忘れることは許されないと思う人間でもあります。

〔大石英司/2018年10月〕

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