C★NOVELS
ハワイで中国の作戦を潰したアメリカ軍が、思わぬ敵に苦しめられた。それは雲霞の如き数で押し寄せる数百機の無人攻撃機。安価で製造できるこのドローンが標的にしたのは、沖縄で----。
カバー:安田忠幸
新書判/232ページ/定価:990円(10%税込)
ISBN978-4-12-501382-4 C0293
こういうことはネットでしか書けないので、書いてしまいましょう! 実は、以下にする話を、早くも年明けに出る第8巻の著者のことばでもっとはっきりと、「みんな、あれだけ煽っても戦争は起きなかったよね!」と書こうかと思ったのですが、一ヶ月後なんて何が起こっているかわからない! それを刷り替えが効かない本に書くのは、あまりにもリスキーだと判断して、ソフトな表現に替えました。
去年から今年(2017年)にかけて、多くの識者やメディアが、アメリカが北朝鮮を攻撃する! と煽りました。もっともらしい理屈を並べ立てて。やれ月齢だ、空母が揃っただのと、勝手気ままな解釈をして。
メディアは、基本的に不安産業です。「危険がアブナイ!」と書いてなんぼの商売です。そしてこの私は、一貫して、「攻撃はない」と書いてきました。それは、戦争による人的リスク、経済的損失があまりにも大きいからです。
誤解のないように説明すると、それは、「だから戦争はするな!」という意味ではなく、単に「政策的判断として戦争はできない」、という外形的評価に過ぎません。
戦争をすべきかどうか、ここで私の個人的な見解を述べるのは自重します。
トランプ政権はここにきて、北朝鮮情勢の手詰まりを自覚し、エルサレムを巡る中東問題への転戦を諮ってきました。カモフラージュです。エルサレムを巡ってどれだけ民衆の血が流されようが、イスラエルが負けることはないし、もちろん核ミサイルが飛び交うこともない。
もちろんその間にも、北朝鮮の核開発&ミサイル開発は続きます。危機が深まることはあっても、和らぐことはない。
2018年が平和な年でありますように。われわれが普段書いて読んでいる物語が、ただの大人のおとぎ話で終わることを祈りましょう。
〔大石英司/2017年12月〕