

自然科学三賞でたどる科学史
馬場錬成 著
ノーベル賞は一九〇一年、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の五分野で始まった。中でも自然科学三分野の受賞者とその業績は二〇世紀の科学の歴史そのものであり、研究の発展とともに授賞対象も基礎理論から応用技術へと広がった。また二〇〇〇年、〇一年、〇二年、〇八年の日本人による物理学賞、化学賞の席巻は、この分野における日本の存在感を示す結果となった。百年余の受賞者の足跡をたどり、賞の未来を展望する。
2009/11/30 発売

多国籍都市の百年
榎本泰子 著
アヘン戦争後、一八四二年の南京条約によって開港した上海。外国人居留地である「租界」を中心に発展した街は、二〇世紀前半には中国最大の「華洋雑居」の地となり繁栄を極める。チャンスと自由を求めて世界中からやって来る移民や難民たち、英米日の角逐、勃興する中国の民族運動。激動の時代のなかで人々はいかに暮らし、何を思ったのか。本書は国籍別の検証を通じ、上海という都市独特の魅力を余すところなく伝える。
2009/11/25 発売

筆頭吏僚村井貞勝
谷口克広 著
元亀四年に足利義昭を追放した後、信長は「天下所司代」を置き、京都支配を行った。本能寺の変までの九年間、一貫してその任にあったのは村井貞勝である。彼は信長の絶大な信頼を得て、市政から朝廷・公家との折衝までを一手に担い、ルイス=フロイスからは「尊敬すべき異教徒」と呼ばれた。武功とは無縁の吏僚でありながら有能を認められて「天下」=京都を仕切り、織田政権の要となった村井貞勝の活躍に光を当てる。
2009/11/25 発売

「壮大な拉致」か「追放」か
菊池嘉晃 著
一九五九年から四半世紀にわたって行われた北朝鮮帰国事業。「地上の楽園」と宣伝された彼の地に在日コリアン、日本人妻など約一〇万人が渡った。だが帰国後、彼らは劣悪な生活環境・監視・差別に苦しむ。本書は、近年公開された史料や証言を基に、南北統一への〃活用〃を意図した北朝鮮の思惑と、過激な政治分子と貧困層排除を目論んだという「日本策略論」を検証し、どのように事業は行われ、「悲劇」が生まれたかを追う。
2009/11/25 発売

服部正也 著
一九六五年、経済的に繁栄する日本からアフリカ中央の一小国ルワンダの中央銀行総裁として着任した著者を待つものは、財政と国際収支の恒常的赤字であった――。本書は物理的条件の不利に屈せず、様々の驚きや発見の連続のなかで、あくまで民情に即した経済改革を遂行した日本人総裁の記録である。今回、九四年のルワンダ動乱をめぐる一文を増補し、著者の業績をその後のアフリカ経済の推移のなかに位置づける。
2009/11/25 発売

使命と誤算
大田英明 著
第二次世界大戦後の国際金融体制を支えてきたIMFは、世界銀行とともに、ラテンアメリカやアジアをはじめ途上国支援に重要な役割を担ってきた。しかし、問題の多い融資方式に加え、アメリカを中心とした先進国主体の運営のため、途上国・新興国の立場を十分反映していない。国際金融危機を経て、IMFは今後どのように役割を果たし、機能していくのか。今こそ国際金融体制の根本的改革が求められている。
2009/11/25 発売

ウィーン、プラハ、ブダペスト
河野純一 著
ハプスブルク帝国は美しい都を残した。ウィーン、ブダペストはドナウ川と、プラハはモルダウ川と、町はそれぞれの物語を紡いできた。本書では、教会、宮殿、二十世紀の名建築を訪ね、モーツァルトやシュトラウスたち音楽家の足跡を辿っていく。そこには、すぐれた審美眼で芸術を庇護し続けた名門王家の歴史と、帝国の栄華を体現する華麗なる文化が今も息づいている。路地裏やカフェを含め、都の今を伝えるカラー口絵収載。
2009/11/25 発売