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書籍詳細

アメリカ陥落1

C★NOVELS

アメリカ陥落1
異常気象

大石英司 著

アメリカ分断を招きかねない"大陪審"の判決前夜。テキサスの田舎町を襲った竜巻の爪痕から、異様な死体が見つかった......迫真の新シリーズ、堂々開幕!

カバー:安田忠幸
刊行日:2023/9/21
新書判/224ページ/定価:1210(10%税込)
ISBN978-412-501471-5


あめりかかんらく
いじょうきしょう


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コメント

 日本の政治に関しての最大の不満は何でしょうか? 党派性を除外すれば、昔も今も有権者にあるもの、ある種のもやもや感は、その年齢構成ではなかろうか。与党も野党も高齢者が多い。いわゆる長老支配です。いくらお元気だと言っても、高齢者が新しい情報を吸収し、これまで正しいとされて来たことを変えるのは困難でしょう。
 ところが、実は日本の国会の長老支配を全く笑えない国があります。実はアメリカ議会。カリフォルニア州選出の民主党ダイアン・ファインスタイン女史は、なんと90歳。つい先日まで下院議長を務めたナンシー・ペロシ女史は83歳。
 直近選挙でのアメリカ議会の平均年齢は下院議員が57.9歳、上院議員は64.0歳です。実はこの数字、日本の衆参両院の平均年齢より高い。
 アメリカ政治のダイナミズムを、国としての若さと移民に求める意見は多い。しかし、トランプは77歳、バイデンは80歳。実はアメリカ社会こそが、シルバー・デモクラシーの権化と化しつつあるのです。

 アメリカが現在も経済覇権を握っている理由は何か? いろんな見方があるでしょうが、その世界の覇権を握っているはずのアメリカが、では国内は上手く回っているのか? 中間層は今も郊外で幸せに暮らし、若者は希望に満ちているのか? 答えは、全て「ノー」です。アメリカの中間層は脱落したし、若者はドラッグに溺れるか、大学の学費に喘いで寝る暇も無くバイトに追われるかです。幸い日本にドラッグ汚染はないが、大学の学費は高騰し、そしてアメリカの後を追うかのように、中間層は消えて行きました。アメリカの民主主義もまた硬直化し、全く上手く回っていない。
 アメリカでは、1パーセント対99パーセントの戦いが始まっています。残念ながら、99パーセントにはほとんど勝ち目はない。それは、日本も同じです。99パーセントの日本人は、ただ搾取され、若者は結婚も出来ずに民族として滅亡の道をまっしぐらに進んでいる。
 このシリーズは、分断されるアメリカの今、すぐ明日訪れるかもしれないアメリカの不幸な未来を描くものです。

〔大石英司/2023年9月〕

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