
キリスト教入門の系譜内村鑑三、遠藤周作から渡辺和子、オンライン教会まで
岡本亮輔 著
明治以来、日本人のクリスチャンの数は一向に増えていない。他方、広義のキリスト教入門書は数多く刊行され、ベストセラーも少なくない。本書は、それらをひもとき、日本人の宗教観や文化的背景を解明する。内村鑑三、賀川豊彦、片山哲、南原繁、岩下壮一、三浦綾子、山本七平、小室直樹......多様な人々は、何を論じてきたのか。受容した人々の意識は、どのように変わったのか。キリスト教との接点から描く日本の近現代。
目次
- はじめに
- 序 章 内村鑑三の戦いと予言――読むキリスト教の始まり
- 1 十字架の戦士――内村鑑三の無教会主義
- 2 ファン以上信者未満の読者たち
- 3 キリスト教を阻む不思議な力
- 第1章 この宗教文学がすごい!――煩悶青年たちの爆発的ベストセラー
- 1 反逆のベストセラー作家ができるまで――江原小弥太の彷徨
- 2 キリスト教を突き抜けた男
- 3 幽霊屋敷の聖者――賀川豊彦『死線を越えて』
- 4 メディアスターの悲劇
- 第2章 生まれ変わる聖書と日本人――占領期のキリスト教ブーム
- 1 推しの神の子――黒崎幸吉『聖書の読み方』
- 2 クリスチャン総理の挫折――片山哲の青い鳥
- 3 言論ギャングの逆襲と困惑――野依秀市vs.亀谷凌雲
- 4 皇室御用達のキリスト教――ヴァイニング夫人と光の子
- 第3章 聖書はファンタジーなのか――学知と信仰のシーソーゲーム
- 1 東大総長たちの戦中戦後――南原繁と矢内原忠雄
- 2 赤い牧師の逆回心――赤岩栄『キリスト教脱出記』
- 3 信と不信の共存――椎名麟三『私の聖書物語』
- 4 売れっ子作家たちの契約論――山本七平と小室直樹
- 第4章 暁の星の司祭二人――カトリック知識人の登場
- 1 正邪の番人――聖人への道
- 2 真なる教会の守護者――岩下壮一
- 3 聖女を見た外科医――戸塚文卿
- 第5章 日本人は神を愛せるか――裁きの神と赦しの神の相剋
- 1 あの方に捧げた日本国――志村辰弥と秋田の貴婦人
- 2 語られなかった弱虫たちへ――遠藤周作と母なる神
- 3 メイド・イン・ジャパンの救世主――井上洋治の南無アッバ
- 第6章 善き神はなぜ残酷な世界を創ったのか――苦難への彼女たちの応答
- 1 女と男と男の聖愛――三浦綾子の絶望と再生
- 2 奇跡は本当に起きたのか――曽野綾子の諦めと回生
- 3 受け入れるしかないこの世界――渡辺和子の孤独と覚醒
- 終 章 キリスト教入門のゆくえ
- 1 入門書の四類型
- 2 ハイブリッド化の進展
- 3 紙上の教会は永遠に
- おわりに
- 主要参考文献
書誌データ
- 初版刊行日2026/1/22
- 判型新書判
- ページ数288ページ
- 定価1155円(10%税込)
- ISBNコードISBN978-4-12-102893-8
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・クリスチャン新聞2026年2月15日号
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