名水と日本人起源から百名水まで、文化と科学でひもとく
鈴木康久/河野忠 著
日本人と縁が深い水。「湯水のように」と言われるほど豊かな水は、炊事や洗濯など日常生活や酒造、灌漑などに利用されてきた。本書は、名水というキーワードから日本人と水の関わりを案内。弘法大師伝説が全国に広がった理由や、歌枕になった名水、茶の湯・酒造と名水などを時代ごとに解説し、さらに美人水や害虫駆除の泉のようなユニークな水質、「まいまいず」など巧みな水利用も紹介。名水の歴史と科学、文化が一目瞭然。
目次
- はじめに
- 序章 時代が求めた名水の変遷
- 1 名水とは何か?
- 2 時代によって移ろう名水
- 第一章 『古事記』『日本書紀』『風土記』が伝える水――神代~記紀時代
- 1 神代~記紀時代の水
- 2 『古事記』『日本書紀』に登場する水
- 3 『風土記』に登場する水
- 4 『万葉集』に登場する名水
- 第二章 日本人の心情を伝える和歌の名水――奈良時代~平安時代
- 1 『万葉集』で詠まれた名水
- 2 歌枕としての名水
- 第三章 人物ゆかりの水と宗教の水――平安時代~室町時代
- 1 天皇ゆかりの水
- 2 空海と日蓮にまつわる水
- 3 武士にまつわる水
- 4 文化人ゆかりの水
- 第四章 新たな水文化、茶人・茶事の水――室町時代~江戸時代
- 1 茶の伝来と喫茶のはじまり
- 2 茶にまつわる京都の名水
- 第五章 民衆の水――江戸時代の名水
- 1 地誌・名所案内記から見た京都の名水
- 2 人物に関わる京都の名水
- 第六章 生業の水――明治時代~現代
- 1 京都の地下水
- 2 酒造の名水
- 3 文明開化の水
- 4 ペットボトルで販売される名水
- 第七章 水質が生み出した名水
- 1 珍しい水質の名水
- 2 茶の湯に用いられた名水の科学的特徴
- 3 信仰に関係する名水の特徴
- 4 不思議な水
- 第八章 自然環境と共存する巧みな水利用
- 1 水利用の匠「水船」
- 2 まいまいず井戸と上総掘り
- 3 六角井戸
- 4 マンボとショウズヌキ
- 終章 名水の名付けの「謎をひもとく」
- あとがき
- 参考文献
- 平成の名水百選リスト
- 昭和の名水百選リスト
- 名水一覧
書誌データ
- 初版刊行日2025/9/19
- 判型新書判
- ページ数272ページ
- 定価1265円(10%税込)
- ISBNコードISBN978-4-12-102875-4
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