在野と独学の近代ダーウィン、マルクスから南方熊楠、牧野富太郎まで
志村真幸 著
近代に入り、大学をはじめ研究機関が整備される中、在野で独学に打ちこむ道を歩んだひとびともいた――。本書は、柳田国男に「日本人の可能性の極限」と評された南方熊楠を軸に、ダーウィン、マルクスから福来友吉、牧野富太郎、三田村鳶魚ら、英日の独学者たちの姿を活写する。さらに郵便、辞書、雑誌、図書館といった「知」のインフラやシステムにも着目。彼らの営為と、変化する環境を通し、学問の意味や可能性を探る。
目次
- はじめに
- 序 章 学問におけるアマチュアとプロ
- 第1部 イギリス
- 第1章 ダーウィン――学問は大学だけのものにあらず
- 第2章 大英博物館のマルクスたち――独学の場所と方法
- 第3章 『ネイチャー』と『N&Q』――成果と発表をつなぐネットワーク
- 第4章 マレーと『オクスフォード英語大辞典』――知識の集積と活用
- 第2部 日本
- 第5章 牧野富太郎と植物学――官と民の狭間に立つ学問
- 第6章 柳田国男と民俗学――組織化の先に
- 第7章 福来友吉と超能力研究――アカデミズムの外側でも
- 第8章 三田村鳶魚と江戸学――最後は孤独なアマチュア
- 終 章 アマチュア学者たちの行方
- おわりに
- 主要参考文献
書誌データ
- 初版刊行日2024/9/19
- 判型新書判
- ページ数288ページ
- 定価1056円(10%税込)
- ISBNコードISBN978-4-12-102821-1
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・週刊東洋経済2024年11月23日号
・日本経済新聞(朝刊)2024年11月2日
・読売新聞(朝刊)2024年10月27日/岡美穂子(歴史学者・東京大学准教授)
・図書新聞2024年10月19日号