
アメリカ革命独立戦争から憲法制定、民主主義の拡大まで
上村剛 著
1776年に独立を宣言した13植民地が、イギリス本国との戦争に勝利し、合衆国に生まれ変わったアメリカ革命。人民主権、三権分立、二大政党のモデルは、民主政治の基礎となる。なぜ革命を遂げた弱小国は、覇権国家になりえたか。植民地時代から独立戦争、建国者たちが死闘を演じた憲法制定、党派の始まり、南北戦争へ。大西洋を越えたスケールで、先住民・黒人奴隷の視点もふまえ、70年の歴史を清新に描きだす。
目次
- まえがき
- 序 章 国家が始まるということ――ローマ、アメリカ、日本
- 国家の始まりとは何か 日本国の始まりと八月革命説 アメリカの始まりとは何か 革命とは何か 誰の革命だったのか? 憲法制定という始まり
- 第1章 植民地時代――一六〇七〜一七六三年
- アメリカ史の起源 四つの新視点 三種類の植民地 会社を起源とする国家 特許状は武器である 「有益な怠慢」は誤り ①エリザベス女王〜ジェームズ一世まで ②チャールズ一世・イングランド内乱期 ③共和政期 ④復古王政期 ⑤名誉革命体制前期 ⑥ウォルポール政権とそれ以降 総督と植民地議会の対立 コモン・ローをめぐる意見の相違 参議会 人々の暮らしと暴力 家庭と労働 さまざまな信仰
- 第2章 独立――一七六三〜一七八七年
- 「代表なくして課税なし」は本当か 経済学の勃興 選挙なくても課税あり――議会主権 本国との法的なつながり? 陰謀論 群衆の抵抗運動 王党派と王への忠誠 大陸会議、招集 ジェファソンの論説 独立戦争が始まる 独立宣言 邦政府での憲法制定 連邦前夜――一三植民地をまとめた制度作り ワシントンの反撃 連合規約の制定へ イギリスからの独立を達成する 戦争終結 一七八七年の北西部条例 連合の機能不全
- 第3章 連邦憲法制定会議――一七八七年
- 立法者たち 会議の流れと始まり 起――ヴァージニア案の攻勢 激論 誰が最高裁判事を選ぶか 承――小さな邦の反発とニュージャージー案の提示 黒人奴隷の人口カウント 転――ハミルトンの大暴れ 妥協への道筋 誰が大統領を選ぶか 結――大団円? 署名へ
- 第4章 合衆国の始まり――一七八七〜一七八九年
- ペンシルヴェニアの批准 『フェデラリスト』 マサチューセッツの激戦 ヴァージニアの論戦 大統領をめぐる論争 マディソンの変節 アメリカ合衆国の出発 ワシントン大統領の振る舞い 第一議会の開催 執行府の創設 権利章典の作成 課税から逃亡する人々
- 第5章 党派の始まり――一七八九〜一八〇〇年
- フランス革命の衝撃 政府権力の強化――農業から商業へ 世論と新聞の発達 民主政が肯定的になる 中立宣言と二つの党派の思惑 対英強硬論とジェイ条 ウイスキー反乱 ワシントンの退任とアダムズ政権 激化する先住民との対立 初期の合衆国は弱かったのか?
- 第6章 帝国化と民主化の拡大――一八〇〇〜一八四八年
- 戦争と民主政 フランスからルイジアナを購入 一八一二年戦争 南部戦線の拡大スペインとの関係の変化 強い帝国 黒人奴隷と経済発展 銀行制度の発展とバブル ミズーリの妥協 先住民への支配 アダムズからジャクソンへ トクヴィルが見たアメリカ アメリカ革命の終わり
- 終 章 南北戦争へ
- 始まりの終わり 本書のまとめ
- あとがき
書誌データ
- 初版刊行日2024/8/20
- 判型新書判
- ページ数256ページ
- 定価990円(10%税込)
- ISBNコードISBN978-4-12-102817-4
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・歴史街道2024年12月号/上村剛
・日刊ゲンダ2024年10月8日
・朝日新聞(朝刊)2024年9月14日/前田健太郎(東京大学教授・行政学)