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池田清 著
極東無名の非白人国日本を、国際政治の桧舞台に引き上げるのに大きく貢献した海軍は、またその日本を破滅の淵に追いこんだもう一人の主役でもあった。近代日本にあって、ひときわ抜きん出た人材と技術とすぐれた国際認識とをもちえたはずのこの集団が、何故あの戦争にのめりこんでいったのか。短剣と白手袋に象徴されるスマートさの奥に潜む、ある見逃しがたい体質を追及するとともに、太平洋戦争をより広い国際環境の枠組のなかで捉え直す。