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『フランケンシュタイン』解剖講義
廣野由美子 著
批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書かれるのかを明示する。続いて「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を平易に解説した。技法と理論の双方に通じることによって、作品理解はさらに深まるだろう。多様な問題を含んだ小説『フランケンシュタイン』に議論を絞った。
2005/03/25 刊行

エロスとアガペーの聖女
岡田温司 著
聖母マリアやエヴァと並んで、マグダラのマリアは、西洋世界で最もポピュラーな女性である。娼婦であった彼女は、悔悛して、キリストの磔刑、埋葬、復活に立ち会い、「使徒のなかの使徒」と呼ばれた。両極端ともいえる体験をもつため、その後の芸術表現において、多様な解釈や表象を与えられてきた。貞節にして淫ら、美しくてしかも神聖な、〈娼婦=聖女〉が辿った数奇な運命を芸術作品から読み解く。図像資料多数収載。
2005/01/25 刊行

皇帝ハドリアヌスから画家カラヴァッジョまで
藤沢道郎 著
ローマ、テーヴェレ河畔に威容を誇るカステル・サンタンジェロ(聖天使城)は、紀元2世紀に皇帝ハドリアヌス自らの陵墓として築かれて以来、数々の歴史的事件に立ち会ってきた。本書はハドリアヌス帝、大教皇グレゴリウス、ロレンツォ・デ・メディチ、画家カラヴァッジョら8人をとおして、古代ローマ帝国の最盛期からバロック文化が咲き誇った17世紀までの1500年を描く、もうひとつの「歴史=物語」である。
2004/11/25 刊行

「最後の武士」の実像
大石学 著
嘉永六年(一八五三)のペリー来航から明治二年(一八六九)の箱館五稜郭陥落までの幕末維新期、さまざまな国家構想が錯綜する中で政争や戦乱が展開された。こうした時代に生まれ、滅んだ新選組とは、どのような集団で、いかなる歴史的位置を占めていたのか。近藤勇らが幕末の京都で活躍できた政治的基盤や、近代性・合理性といった組織としての先駆的性格に着目しつつ、各種史料を丹念に検証する新選組全史。
2004/11/25 刊行

小さな植物の知られざる生態
秋山弘之 著
庭の隅や道端にひっそりと息づく苔たちは、見るものに安らぎを与えてくれる。インテリアとしても人気があり、美しい苔を求めて寺院や庭園を訪れる人も少なくない。ふだん見慣れた苔だが、その一生はどのようなものなのか? 乾燥や寒暖など厳しい環境を耐え抜く適応能力の秘密とは? コケ植物の専門家が、知られざる生態をわかりやすく解説。私たちの生活や文化との深い関わりにふれながら、その魅力を余すところなく伝える。
2004/10/25 刊行

山室信一 著
一九三二年三月、中国東北地方に忽然と出現し、わずか一三年五カ月後に姿を消した国家、満洲国。今日なおその影を色濃く残す満洲国とは何だったのか。本書は建国の背景、統治機構の特色を明らかにし、そこに凝縮して現れた近代日本の国家観、民族観、そしてアジア観を問い直す試みである。新たに満洲・満洲国の前史と戦後に及ぼした影響など、その歴史的意義を想定問答形式によって概観する章を増補した。
2004/07/25 刊行

外交評論の運命
北岡伸一 著
『暗黒日記』の著者として知られる清沢洌は、戦前期における最も優れた自由主義的言論人であり、その外交評論は今日の国際関係を考える上で、なお価値を失っていない。石橋湛山、馬場恒吾ら同時代人のなかでアメリカに対する認識が例外的に鋭くあり得たのはなぜか。一人のアメリカ移民が邦字新聞記者となり、活躍の舞台を日本に移してから、孤独な言論活動の後に死すまでの軌跡を近代日本の動きと重ねて描く唯一の評伝。サントリー学芸賞受賞作。
2004/07/25 刊行

エストニア・ラトヴィア・リトアニア
志摩園子 著
二〇〇四年五月、エストニア、ラトヴィア、リトアニアは念願だったEUへの加盟を果たした。これまで三つ子のように扱われてきた三国は、なぜ「バルト」と一括されるのか。その答えは、中世から東西南北の交易の十字路として注目されたバルト海東南岸地域でくりひろげられた歴史の中にある。周辺大国ドイツ、ロシアの狭間にあって、それぞれの民族のまとまりを失うことなく、二〇世紀にやっと建国した三国の道のりを辿る。
2004/07/25 刊行

漢字を解剖する
阿辻哲次 著
なぜ「卍」は《十》部6画なのか?「巨」はなぜ《工》部なのか? なぜ女ヘンがあって男ヘンはないのか……。漢字が誕生して三千年、漢字の字体はさまざまに変化していった。そのなかで、多くの部首が生まれ、消えていった。所属する部首を移動したり、部首が分からなくなってしまったものも多い。漢字を分解してみると、その合理性と矛盾がはじめて見えてくる。50の部首ごとにたどる楽しい漢字エッセイ。
2004/07/25 刊行

エル・シドからガウディまで
岩根圀和 著
国土回復のイスラム掃討戦で勇名を馳せた伝説の騎士エル・シド、皇帝カルロスの生母ながら幽閉の半世紀をすごした悲劇の女王フアナ、新大陸支配における同胞の悪行を告発した修道士ラス・カサス、不朽の名作『ドン・キホーテ』の著者セルバンテス、数多の傑作を描き残した宮廷画家ゴヤ、そして未完の聖堂サグラダ・ファミリアの建築家ガウディ。時代や出身地、活躍した分野もさまざまな六人の生涯を通して千年の歴史を描く。
2004/05/25 刊行

池内紀 著
ひとり旅が自由気ままと思うのは早計というもの。ハードな旅の「お伴」は、厳選された品々でなければならない。旅の名人はみな、独自のスタイルをもっている。山下清の下駄や寅さんの革トランクにしても、愛用するには立派なワケがあるのだ。疲れにくい歩き方や良い宿を見つけるコツから、温泉を楽しむ秘訣、さらには土産選びのヒントまで、達人ならではのノウハウが満載。こころの準備ができたら、さあ旅に出かけよう。
2004/04/25 刊行

戊辰戦争最大の悲劇
星亮一 著
慶応四年春、幕府軍は鳥羽伏見の戦いで敗れて瓦解した。江戸城無血開城を経て戦場は東北に移る。長岡での激戦、白河の攻防、日光口での戦い……、会津藩をはじめ奥羽越列藩同盟軍は各地で戦いつづけるが、薩長軍はついに国境を破り会津若松に突入、一カ月に及ぶ籠城戦がはじまる。なぜこれほどまで戦わねばならなかったのか。会津藩の危機管理、軍事・外交、人材育成を検証しつつ、戊辰戦争最大の悲劇を浮き彫りにする。
2003/12/20 刊行

森本達雄 著
弁財天信仰、輪廻転生の思想などヒンドゥー教は、直接に、あるいは仏教を通して、意外にも古くからの日本人の暮らし、日常の信仰、思想に少なからぬ影響を与えてきた。本書は、世界四大宗教の一つでありながら、特定の開祖もなく、核となる聖典もない、いわばとらえどころのない宗教の世界観を日常の風景から丹念に追うことによって、インド社会の構造から、ガンディーの「非暴力」の行動原理までも考察する。
2003/07/25 刊行

変わりゆくエリート学生文化
竹内洋 著
一九七〇年前後まで、教養主義はキャンパスの規範文化であった。それは、そのまま社会人になったあとまで、常識としてゆきわたっていた。人格形成や社会改良のための読書による教養主義は、なぜ学生たちを魅了したのだろうか。本書は、大正時代の旧制高校を発祥地として、その後の半世紀間、日本の大学に君臨した教養主義と教養主義者の輝ける実態と、その後の没落過程に光を当てる試みである。
2003/07/25 刊行

外山滋比古 著
しゃれて気の利いたユーモアは、その場かぎりのものでなく、聞く人の記憶に長くとどまる。気まずい場の雰囲気をたちまち明るくし、ときに、厳しい追及をさらりと受け流すのにも役立つ。だが、ユーモアを発揮する側はもとより、それを感じとる側にも、洗練されたことばの感覚が必要である。本書は、思わず頬がゆるんでしまうエピソードをまじえながら、その効用に光を当てる。このレッスンには、教則本も近道もありません。
2003/06/25 刊行