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中村良夫 著
環境問題が景観問題を素通りして公害問題というかたちで深刻化し、美しい国土の景観は悪化の一途をたどりつつある。本書は、人間環境の眺めである景観の意味と価値を問いなおすために、風景の視覚像の特性を明らかにし、古今のさまざまな風景体験を精査することから、生活環境を整える技術的知識体系として「風景学」を構想する。風景を目ききし、風景への愛着を培うための一書である。サントリー学芸賞受賞。