ホーム > 中公新書 > 明治六年政変
毛利敏彦 著
明治六年十二月、西郷隆盛は、板垣退助ら四参議とともに、自らの手でつくった政府を去った。西郷はなぜ野に下ったのか。征韓論に敗れたからという。また不平士族の棟梁として殉じたのだともいう。当時の内政外交の激動の過程を先入見を去って正確にたどってみると、驚くべき事実が浮かび上がってくる。――西郷は、日本への法治主義導入をめぐる深刻な政争の犠牲者だった。「征韓論」政変の名の下に隠されていた事件の真相に迫る。