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新堂冬樹 著
死んだほうがいい人って、こんなにいるんだよ。15年を経て漆黒の闇から這い出る赤い悪魔……。高校1年生の少女の行く先々で起こる不審死と殺人事件!!新堂冬樹の真骨頂! 長編ハード・サスペンス15歳の女子高生・本庄沙耶の父は自己中心で小狡く、母はまるで父の奴隷だ。その両親が突然家に侵入してきた男に刃物で惨殺された。さらに、一人になった沙耶が身を寄せた親戚――10年前に幼い弟を不注意で溺死させた祖父母、沙耶をレイプしようとした従兄、それを見て見ぬふりする叔父も次々と死亡する。ネット上では沙耶を励ますスレッドも立つが次第に「疫病神」「死神」と揶揄する声も囁かれる。不可解な死の連鎖の中心に身を置く沙耶。果たして彼女は〈悲劇の天使〉か〈美しき死神〉か? それとも……。わたしは、この体に流れる血を赦さない。
2020/02/20 刊行

青雲飛翔篇
富樫倫太郎 著
人気シリーズがついに文庫化!一代にして伊豆・相模を領する大名にのし上がった風雲児の、知られざる物語が幕を開ける!後に「北条早雲」と呼ばれることになる伊勢新九郎。父の任地・備中荏原郷で過ごした幼少期から、都で室町幕府の役人となり、駿河でのある役目に乗り出すまで――稀代の悪人に成り上がった男は、いかにして自らの信念を貫いたのか。全5巻、連続刊行スタート。
2020/02/20 刊行

六つの時代が織りなす「美麗島」
大東和重 著
街路に残る古跡や廟、人びとに愛される名物料理、信仰と祭り――。「美麗島」とも称される台湾に、今も息づく独自の文化。その伝統は一六二四年のオランダ統治以来、鄭氏、清朝、日本、国民党に至るまで、各時代の外来政権との関係によって形作られてきた。本書では、激動の台湾を生きた人びとの視点から、四百年におよぶ歴史をたどる。台湾をより深く知るための案内を豊富にまじえて、多様な文化の魅力を活写する。
2020/02/19 刊行

データで読み解く実態と将来像
永吉希久子 著
少子高齢化による労働力不足や排外主義の台頭もあり、移民は日本の大きな課題となっている。本書は、感情論を排し、統計を用いた計量分析で移民を論じる。たとえば「日本に住む外国人の増加により犯罪が増える」と考える人は6割を超えるが、データはその印象を覆す。こうした実証的な観点から、経済、労働、社会保障、そして統合のあり方までを展望。移民受け入れのあり方を通して、日本社会の特質と今後を浮き彫りにする。
2020/02/19 刊行

史上最長・最強のイギリス君主
君塚直隆 著
1952年に25歳で英国の王位に即いたエリザベス女王。カナダ、オーストラリアなど16ヵ国の元首でもある。W・チャーチルら十数人の首相が仕え「政治的な経験を長く保てる唯一の政治家」と評される彼女は、決して〝お飾り〟ではない。70年近い在位の中で政治に関与し、また数多くの事件に遭遇。20世紀末、その振る舞いは強い批判も受けた。本書はイギリス現代史をたどりながら、幾多の試練を乗り越えた女王の人生を描く。
2020/02/19 刊行

稲作伝来、軍事物資から和食文化まで
佐藤洋一郎 著
日本人にとって特別な食・コメ。稲はどこから日本列島にきたのか、最初の水田を作ったのは誰か、なぜ東北地方で栽培が遅れたのかなど、稲作の起源を解説。インディカ米が盛んに作られていた中世、地下水路を建設するほど水利に力を入れ、和菓子や酒づくりなど米食文化が花開いた近世の実態を紹介。さらに富国強兵を支えた近代を経て現代まで、農学や文化の視点を交えながら「米食悲願民族」の歴史を解き明かす。
2020/02/19 刊行

奥田亜希子 著
このシェアハウスで暮らす条件はただ一つ。複数愛者(ポリアモリスト)であること。ポリアモリーとは、性別を問わず、複数の人を同時に、誠実に愛するライフスタイルのこと。一つ屋根の下で暮らす四人の男女。彼らが選択する生き方の先に見つけた新しい愛の形。愛とはなにかを問う書き下ろし小説。
2020/02/19 刊行

ソロモンの堅陣
横山信義 著
戦艦『大和』をもって英国最新鋭戦艦を撃破したものの、日本にはニューギニアを制圧し豪州を屈服せしめるまでの力はなかった。戦場での勝利を積み重ねて敵の継戦意思を折るという戦略に限界を感じた山本五十六は、講和に至る別の方策を探るべく、司令長官を辞して連合艦隊を去る。同時に、開戦以来攻勢を続けてきた連合艦隊は守勢に転じ、ポート・モレスビーから撤退、新たにラビを拠点とする移送作戦を決行し、長期持久も視野に入れた艦隊編成と人事の刷新を行なう。一方、米国は新兵器を装備した艦隊を珊瑚海に送り込んで来た。空母を中心に大きく増強された米太平洋艦隊を前に、迎え撃つ新体制連合艦隊に勝算はあるのか――
2020/02/18 刊行

言語を愛し恐れつづけた批評家
石川美子 著
『恋愛のディスクール・断章』『記号の国』で知られる批評家ロラン・バルト(一九一五―八〇)。「テクスト」「エクリチュール」など彼が新たに定義し生み出した概念は、二十世紀の文学・思想シーンを次々と塗り替えた。デビュー以来、文学言語のみならず、モードから写真、日本論に至るまで華麗な批評活動を展開。晩年には「小説の準備」へと向かった、この多彩な思考の全体像を端正な文体によって浮き彫りにする。
2020/02/14 刊行

身長・体重から格差問題まで
松下貢 著
一見バラバラに見えるデータでもグラフにすれば特徴が浮かび上がる。身長やテストの点数は真ん中が一番多い釣鐘型のカーブ(正規分布)に、地震の頻度やウェブの被リンク数は右肩下がりの曲線(べき乗分布)になる。そして体重や町村の人口は、釣鐘型だが左側が縮み右側が伸びたカーブになる(対数正規分布)。なぜ世界のほとんどの物事はこの3種類になるのか。仕組みを説明し、データに潜む真理から何が読み取れるかを明かす。
2020/02/14 刊行

黒人は本当に「速く」「強い」のか
川島浩平 著
オリンピックの陸上男子100m決勝で、スタートラインに立った選手56人は、ここ30年すべて黒人である。陸上以外の競技でも、彼らの活躍は圧倒的に見える。だが、かつて彼らは劣った「人種」と規定され、スポーツの記録からは遠い所にあった。彼らは他の「人種」に比べ、本当に身体能力が優れているのか――。本書は、人種とスポーツの関係を歴史的に辿り、最新の科学的知見を交え、能力の先天性の問題について明らかにする。
2020/02/14 刊行

学者政治家の栄光と没落
滝川幸司 著
学者ながら右大臣に昇進するが、無実の罪で大宰府に左遷された菅原道真(845~903)。藤原氏の専横が目立ち始めたこの時期、学問を家業とした道真は、英邁で名高く、宇多天皇に見出され異例の出世を果たす。天皇による過大な評価・重用に苦悩しつつも、遣唐使派遣など重大な国政に関与。だが藤原氏の策謀により失脚する。本書は、学者、官僚、政治家、漢詩人として、多才がゆえに悲劇の道を辿った平安貴族を描き出す。
2020/02/14 刊行

和田裕弘 著
織田信忠は、父信長から才覚を認められ、十九歳の若さで家督を継承した。大軍の指揮を任され、紀伊雑賀攻めに続き、謀叛した松永久秀の討伐に成功。さらには先鋒の大将として信濃・甲斐に攻め入り、宿敵武田氏を滅ぼして信長から称賛される。だが凱旋からほどなく、京都で本能寺の変に遭遇。明智光秀の軍勢に包囲され、衆寡敵せず自害した。実績を積み重ね、将来を嘱望されながらも、悲運に斃れた二十六年の生涯をたどる。
2020/02/14 刊行

近代日本の忘れられた七年戦争
麻田雅文 著
1917年11月に勃発したロシア革命。共産主義勢力の拡大に対して翌年8月、反革命軍救出を名目に、日本は極東ロシアへ派兵、シベリア中部のバイカル湖畔まで占領する。だがロシア人の傀儡政権は機能せず、パルチザンや赤軍に敗退を重ねる。日本人虐殺事件の代償を求め、北サハリンを占領するなど、単独で出兵を続行するが……。本書は、増派と撤兵に揺れる内政、酷寒の地での7年間にわたる戦争の全貌を描く。
2020/02/14 刊行

富と野望の五千年
山田篤美 著
古来、真珠は高価な宝石で、貴重な交易品だった。『魏志倭人伝』は邪馬台国の大量の真珠について記し、マルコ・ポーロやコロンブスは日本の真珠に憧れた。新大陸で新たな産地が発見されると、一大ブームが巻き起こる。そして二十世紀初め、価格を吊り上げていたカルティエやティファニーに衝撃を与えたのが、日本の養殖真珠だった。こうして真珠王国日本が誕生する。本書は誰も書かなかった交易品としての真珠史である。
2020/02/14 刊行