

猪瀬直樹 著
三島生誕100年・没後55年。近代日本の官僚制と天才作家の逃れられざる宿命とは――樺太庁長官を拝命しつつ不遇の晩年を過ごした祖父。農商務省で岸信介と同期だった消極的ニヒリストの父。そして大蔵省をわずか9カ月で辞め、作家に転身した三島由紀夫。日本の近代化とともに形成された官僚制の暗部と一家の系譜を丹念にたどり、三島文学の成り立ちと衝撃の自死までの道程を明らかにする画期的評伝。〈解説〉鹿島茂/井上隆史目 次プロローグ第一章 原敬暗殺の謎第二章 幽閉された少年第三章 意志的情熱第四章 時計と日本刀エピローグ単行本へのあとがき文春文庫版へのあとがき中公文庫版へのあとがき参考文献 文春文庫版解説 鹿島茂解 説 井上隆史