ホーム > 全集 > 哲学の歴史 3
中川純男 編
中世は「暗黒時代」ではありません。古代の豊かな遺産を受け継ぎ、独自の充実をもたらしました。また、哲学はつねに神学に従属していたわけではなく、むしろ相互の緊張関係と触発のなかから精緻かつ壮大な体系が生まれました。ビザンツ世界の動向やイスラーム哲学の達成、さらに西方と東方との交流にも目を配りながら、古代教父思想からスコラ学の総合を経てドイツ神秘主義にいたる流れを概観し、近・現代の母胎としての中世を明らかにします。