大学生が選ぶ中公新書大賞 2026

 若者の読書離れが嘆かれて久しい今日。全国大学生協連の書籍部は、その変化の最前線にいます。大学生にもっと読書を楽しんでもらいたい、そんな思いから、この度全国大学生協連と中央公論新社がタッグを組み、「大学生が選ぶ中公新書大賞」を企画しました。「人におすすめしたい本」という観点で、このたび、大学生・大学院生に最高の中公新書を選んでもらいました!

 中公新書の特徴は、歴史、文学、芸術、科学、政治など、さまざまな分野の専門的な知識や複雑な概念を、一般の読者にもわかりやすい言葉で解説していることです。いわば、新たな知識の扉を開くための入門書といえるでしょう。おかげさまで、創刊から60年以上、多くの読者の皆さまに支えていただいて今日にいたります。

応募部門は2種類。

 「投票部門」では、大学生によく読まれている選りすぐりの20点のなかから、投票で中公新書大賞を決定しました。投票の対象となるのは、中公新書を代表するロングセラーから、今年刊行されたばかりの新刊まで、バラエティ豊かなラインナップ。

 「推しコメント部門」では、大学生・大学院生一人ひとりにとって、最もお気に入りの中公新書に対する推しコメントを募集しました。対象は、これまでに刊行されたすべての中公新書。身近なひとに自分の推しをおすすめする気持ちで、熱い思いを寄せていただきました。

2025年11月4日から2026年1月31日までの応募期間に、全国73大学から多数の応募がありました。ありがとうございました。

それでは結果発表です!

ポピュリズムとは何か

水島治郎 著

言語の本質

今井むつみ/秋田喜美 著

理科系の作文技術

木下是雄 著

日ソ戦争

麻田雅文 著

日本共産党

中北浩爾 著

熊本大学・小浦さんさん

最近感じていた違和感が解決された一冊! 大学卒業したら文学部で学んでる内容なんて全く役に立たないし、単位取るため以上の勉強なんて意味ない、っていう風潮がある。でも僕は文学部での勉強が好きだし、単位につながらないような本を読み漁ったりしてる。勉強ばっかりしてずっと本読んでる自分なんか変だな、って思ってたけど60年代とかはむしろこれが主流だったらしい! 読書が好きな文学部生こそ読んでほしい!

東京大学・Physixしあさん

時代を生きるは英雄のみならず。私たちのような「民衆」も時代の中の大きな存在である。では秦漢の時代はどうだっただろう。英雄たちの華々しい活躍の裏で、人々はどんな暮らしをしていたのだろうか。──二千年前、占いに一喜一憂し、二日酔いで苦しみ、様々な恋愛を愉しんでいた庶民の生活を記す、古代中国日常史の大傑作。

北海道大学・ヒュームの犬歯さん

胡散臭い保守も、胡散臭いリベラルももうたくさんだ。誰がどう考えてもこの日本という国は、老い、衰えていく。いわゆる「日本人」だけでは、この国は回せなくなる。
今後ますますリベラルの考え方が大事になるのは明白だ。薄い知識で批判したり、語ったりするのではなく、歴史と反省を踏まえて議論しよう。

大学生協特別賞

京都大学・わいさん

「偉人」や「英雄」とは異なる多くの人間を指すときに使われる言葉はいろいろある。人びと、大衆、人民、市民……。そのなかで「民衆」は、自分の生活に立脚しながら、自らの願望をもち、一方で自覚的でなかったとしても政治的な存在であり、したがって歴史を動かす主体のひとつである。本書は、そのような「民衆」の生き生きとしつつ、暗い側面にも光をあてている。

中央公論新社特別賞

早稲田大学・マグルさん

「小説よりも小説」武闘派で情に厚い兄尊氏vs政務に優秀な弟直義の戦いを軸に、南朝勢力や高師直など一筋縄で行かないキャラクターが絡む。裏切りに次ぐ裏切りの波乱の展開、兄との望まぬ戦いの末に衰弱していく直義など、歴史書とは思えないエンタメ性が魅力。

【推しコメント部門】の大賞決定には、全国大学生協連と中公新書編集部による選考会を2月9日に中央公論新社にて実施いたしました。選考委員は、一つひとつの言葉に丁寧に向き合いながら、議論を重ねました。

中公新書編集長より

 期待を上回る熱い投稿作品の数々に、「はて、どう選んだものか……」。嬉しい悲鳴が選考会場に響き続けました。決め手は「大学生が選ぶ」という本賞の原点。大人への階段を上る時期だからこそ、自分自身に向き合った等身大の言葉で綴られた作品を賞に選びました。惜しくも受賞を逃した作品も少なくありません。すべての参加者の皆様に、厚く御礼申し上げます。

 新書は読者層の高齢化が指摘されるなか、このたび若い皆さんと読書のすばらしさを分かちあえたことが何よりうれしく、将来への希望です。また中公新書の新たな一冊で、ぜひご一緒しましょう!

中公新書編集部 黒田剛史
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