2021 10/18
中公新書の60年

1997年の中公新書

『考えることの科学 推論の認知心理学への招待』日常生活での思考は推論の連続といえる。その多くは論理形式に従うより、文脈情報に応じた知識を使ったり、心の中のモデルを操作してなされる。現実世界はまた、不確定要素に満ちているので、可能性の高さを直観的に判断して行動を決めている。推論はさらに、その人の信念や感情、他者にも影響される。推論の認知心理学は、これら人間の知的能力の長所と短所とをみつめ直すことによって、それを改善するためのヒントを与えてくれる。

市川伸一(いちかわ・しんいち)1953-。心理学者。東京大学名誉教授

この年のできごと2月 鄧小平が死去
5月 今村昌平監督『うなぎ』が第50回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞
7月 香港がイギリスから中国に返還
同月 アジア通貨危機が発生
11月 北海道拓殖銀行が経営破綻
12月 ジェームズ・キャメロン監督『タイタニック』日本公開。興行収入262億円は実写映画1位

この年のラインナップ高谷好一著『多文明世界の構図』
諏訪邦夫著『キーボード革命』
黒岩徹著『物語 英国の王室』
奥住正道著『顧客社会』
大島一彦著『ジェイン・オースティン』
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中村彰彦著『保科正之言行録』
市川伸一著『考えることの科学』
齊藤俊彦著『くるまたちの社会史』
渡辺武信著『住まい方の実践』
村山吉廣著『楊貴妃』
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荒井一博著『終身雇用制と日本文化』
安部悦生著『ケンブリッジのカレッジ・ライフ』
池東旭著『韓国の族閥・軍閥・財閥』
青柳正規著『トリマルキオの饗宴』
寺田隆信著『物語 中国の歴史』
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高瀬保著『ガット二十九年の現場から』
度会好一著『ヴィクトリア朝の性と結婚』
小山慶太著『道楽科学者列伝』
下山弘著『川柳 江戸の四季』
楠精一郎著『児島惟謙』
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真渕勝著『大蔵省はなぜ追いつめられたのか』
梶田正巳著『異文化に育つ日本の子ども』
萬年甫著『動物の脳採集記』
酒井義昭著『コシヒカリ物語』
中嶋嶺雄著『香港回帰』
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飛田茂雄著『いま生きている英語』
森誠一著『トゲウオのいる川』
重栖隆著『木の国熊野からの発信』
鈴木静夫著『物語 フィリピンの歴史』
村上由見子著『アジア系アメリカ人』
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原田信志著『エイズをどう救うか』
伊東信宏著『バルトーク』
宮崎正勝著『鄭和の南海大遠征』
小倉貞男著『物語 ヴェトナムの歴史』
小池和男著『日本企業の人材形成』
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水野肇著『医療・保険・福祉改革のヒント』
澤田康文著『この薬はウサギかカメか』
加地伸行著『現代中国学』
軽部謙介著『日米コメ交渉』
後藤明著『ハワイ・南太平洋の神話』
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長崎浩著『からだの自由と不自由』
笹本正治著『武田信玄』
杉村芳美著『「良い仕事」の思想』
大淀昇一著『技術官僚の政治参画』
石井美樹子著『イギリス・ルネサンスの女たち』
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長田年弘著『神々と英雄と女性たち』
桂宥子著『理想の児童図書館を求めて』
篠田次郎著『吟醸酒への招待』
野口孝一著『銀座物語』
田中弘之著『幕末の小笠原』
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中谷陽二著『精神鑑定の事件史』
菊地悠二著『ビックバン成功への条件』
大場秀章著『バラの誕生』
松尾剛次著『中世都市鎌倉を歩く』
山根裕子著『経済交渉と人権』
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横山宏章著『中華民国』
岩根圀和著『贋作ドン・キホーテ』
藤井一二著『古代日本の四季ごよみ』