2021 04/12
中公新書の60年

1973年の中公新書

『知的好奇心』伝統的な心理学の理論は、人間を「ムチとニンジン」がなければ学びも働きもしない怠けもの、とみなしてきた。それははたして正しいか。興味深い実験の数々を紹介しつつ、人間は生まれつき積極的に情報的交渉を求める旺盛な知的好奇心を持ち、それこそが人間らしく生きる原動力であることを実証し、怠けもの説に基づく現在の学習・労働観を鋭く批判する。楽しい学習の設計や幼児の知的教育の可能性を具体的に追求する。毎日出版文化賞受賞作。

波多野誼余夫(はたの・ぎよお)1935ー2006。心理学者。獨協大学教授、慶應義塾大学文学部教授、放送大学教養学部教授を歴任。
稲垣佳世子(いながき・かよこ)教育学者。千葉大学名誉教授。

この年のできごと2月 日本円が変動相場制に移行
6月 米ソが核戦争防止協定に調印
8月 金大中が東京のホテル内で拉致される
10月 第4次中東戦争が勃発
同月 江崎玲於奈がノーベル物理学賞を受賞
11月 石油ショックによる品不足が深刻化

この年のラインナップ足利末男著『生活のなかの統計』
源了圓著『徳川思想小史』
S・L・ジョンソン著『心臓外科の歴史』
チャールズ・ヤン著『広告の科学』
上笙一郎著『満蒙開拓青少年義勇軍』
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長田弘著『アウシュヴィッツへの旅』
森毅/竹内啓著『数学の世界』
波多野誼余夫/稲垣佳世子著『知的好奇心』
鳥羽欽一郎著『二つの顔の日本人』
柴田三千雄著『パリ・コミューン』
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下柳田龍二著『さすらいの青春』
中埜肇著『弁証法』
安部公房/ドナルド・キーン著『反劇的人間』
森豊著『海獣葡萄鏡』
加藤辿著『都市が滅ぼした川』
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原田良次著『日本大空襲(上)』
江上照彦著『明治の反逆者たち』
松田毅一/川崎桃太編訳『回想の織田信長』
若槻泰雄著『原始林の中の日本人』
辻哲夫著『日本の科学思想』
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原田良次著『日本大空襲(下)』
川喜田二郎著『野外科学の方法』
林知己夫編『比較日本人論』
波多野善大著『国共合作』
大久保利謙著『岩倉具視』
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小野二郎著『ウィリアム・モリス』
貝塚茂樹著『中国の伝統と現代』
加賀乙彦著『ドストエフスキイ』
木下是雄著『スキーの科学』
松永伍一著『平家伝説』
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中西進著『万葉の世界』
阿部斉著『デモクラシーの理論』
今井幸彦著『通信社』
田中克彦著『草原の革命家たち』
中村保男著『翻訳の技術』
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池見酉次郎著『続・心療内科』