白檀の刑（下）

莫言 著　吉田富夫 訳

捕らわれた孫丙に極刑を下す清朝の首席処刑人・趙甲。生涯の誇りをかけて、一代の英雄にふさわしい未曾有の極刑を準備する。現代中国文学の最高峰、待望の文庫化。

2010/09/25 刊行

ゼラニウム

堀江敏幸 著

彼女と私の間を、親しみと哀しみを湛えて、清らかな水が流れていく――。異国に暮らした男と個性的で印象深い女たちの物語。ほのかな官能とユーモアを湛えた珠玉の短篇集。

2010/09/25 刊行

司馬遼太郎 歴史のなかの邂逅１

空海～斎藤道三

司馬遼太郎 著

その人の生の輝きが時代の扉を押しあけた―。歴史上の人物の魅力を発掘したエッセイを古代から時代順に集大成。第一巻には司馬文学の奥行きを堪能させる二十七篇を収録。

2010/09/25 刊行

歌う国民

唱歌、校歌、うたごえ

渡辺裕 著

日本人の心の原風景として語られることの多い唱歌だが、納税や郵便貯金、梅雨時の衛生などの唱歌がさかんに作られた時期がある。これらは、ただひたすらに近代化をめざす政府から押しつけられた音楽でもあった。だが、それさえも換骨奪胎してしまう日本人から、歌が聞こえなくなることはなかったのである。唱歌の時代から「うたごえ」そして現代までをたどる、推理小説を読むような興奮あふれる、もう一つの近代史。芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

2010/09/25 刊行

つきまとわれて

今邑彩 著

別れたつもりでいても、細い糸が繋がっている。ハイミスの姉が結婚をためらう理由は別れた男からの「幸せな結婚ができると思うな」という嫌がらせの手紙だったというが……。表題作のほか、幼い頃に家出した母に纏わるあり得ない記憶を辿る「帰り花」、ある絵画に隠された秘密に迫る「吾子の肖像」など前の作品の人物が登場する異色の短編集。〈解説〉千街晶之

2010/09/25 刊行

ルームメイト

今邑彩 著

私は彼女の事を何も知らなかったのか……？　大学へ通うために上京してきた春海は、京都からきた麗子と出逢う。お互いを干渉しない約束で始めた共同生活は快適だったが、麗子はやがて失踪、跡を追ううち、彼女の二重、三重生活を知る。彼女は名前、化粧、嗜好までも替えていた。茫然とする春海の前に既に死体となったルームメイトが……。

2010/09/25 刊行

戦場

トランプ・フォース

今野敏 著

中央アメリカの軍事国家マヌエリアで日本商社の支社長が誘拐された。ＣＩＡをバックにつけた反政府ゲリラの犯行らしい。合衆国と軍事政権間の緊張が高まるなか、国際対テロ用特殊部隊「トランプ・フォース」が出動。元商社マンの佐竹は、中国美女リーとともに社員を装って政権と接触するが、そこには思いがけぬ陰謀が隠されていた……密林での激闘に胸躍る、シリーズ第二弾。『トランプ・フォース　狙われた戦場』改題

2010/09/25 刊行

アバウト アインシュタイン

70のミステリー

竹内薫 著

アインシュタインの脳の隠された秘密とは？相対性理論は妻が発見した？　日本との浅からぬ関わりとは？――20世紀物理学の天才・アインシュタインの人となりから、その奇妙な理論への入口まで。数式を用いずに理論の本質にせまり、豊富なイラストとともに楽しく読みとく、アルバート・アインシュタイン70のミステリー。

2010/09/25 刊行

夢の上１

翠輝晶・蒼輝晶

多崎礼 著

夜の王に「夜明け」を願い出た夢売りが取り出したのは、六色の宝玉。封じられし夢の結晶。夢は語り始める――結晶化した女の『夢のような人生』を。夢を見ない男の『沈黙の誓い』を……

2010/09/25 刊行

航空宇宙軍史

巡洋艦サラマンダー

谷甲州 著

外惑星連合軍が劣勢を挽回すべく投じた唯一の正規巡洋艦サラマンダー。それを追う航空宇宙軍艦隊との息詰まる闘いを描いた表題作の他、その続編「サラマンダー追跡」木製系最外縁の衛星での迎撃作戦を描いた「アナンケ迎撃作戦」、イオの低高度軌道観測衛星、アルゴス－Ⅲを舞台にした「最終兵器ネメシス」など、第一次外惑星動乱末期の闘いを描いた四篇を収録。佐藤道明氏渾身の書き下ろしイラスト一八点を併録。

2010/09/24 刊行