吉川永青 著
第11回日本歴史時代作家協会賞作品賞受賞作大根おろしの中に小判がざくざく!?祭りのために命がけで蜜柑を運ぶ!?江戸っ子たちの英雄だったこの男は、なぜ一代で店を閉じたのか?謎に満ちた紀伊國屋文左衛門の生涯に迫る、痛快なる歴史×経済小説時は元禄。文吉は、幼い頃に巨大な廻船に憧れたことをきっかけに、故郷の紀州で商人を志す。だが許嫁の死をきっかけに、彼は「ひとつの悔いも残さず生きる」ため、身を立てんと江戸を目指す――。蜜柑の商いで故郷を飢饉から救い、莫大な富を得ながらも、一代で店を閉じた謎多き人物、紀伊國屋文左衛門。天才商人の生き様に迫る痛快作。