2022 05/23
中公新書の60年

2020年の中公新書

人類と病人類の歴史は病との闘いだ。ペストやコレラの被害を教訓として、天然痘を根絶し、ポリオを抑え込めたのは、20世紀の医療の進歩と国際協力による。しかしマラリアはなお蔓延し、エイズ、エボラ出血熱、新型コロナウイルスなど、新たな感染症が次々と襲いかかる。他方、現代社会では、喫煙や糖分のとりすぎによる生活習慣病も課題だ。医療をめぐる格差も深刻である。国際社会の苦闘をたどり、いかに病と闘うべきかを論じる。サントリー学芸賞受賞

詫摩佳代(たくま・かよ)1981-。国際政治学者。東京都立大学教授

この年のできごと1月 イギリスがEUを離脱
3月 2020年7月に開幕予定だった東京オリンピック・パラリンピックの延期が決定
4月 日本政府が緊急事態宣言を発令
7月 藤井聡太が棋聖戦を制し、17歳11ヵ月でタイトル獲得。史上最年少タイトル獲得記録を更新
9月 菅義偉内閣発足
11月 米大統領選が行われ、バイデンが勝利

この年のラインナップ多湖淳著『戦争とは何か』
友原章典著『移民の経済学』
東大作著『内戦と和平』
楠木新著『定年後のお金』
君塚直隆著『エリザベス女王』
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佐藤洋一郎著『米の日本史』
永吉希久子著『移民と日本社会』
大東和重著『台湾の歴史と文化』
佐藤猛著『百年戦争』
鴋澤歩著『鉄道のドイツ史』
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馬部隆弘著『椿井文書―日本最大級の偽文書』
川平敏文著『徒然草』
岡本隆司著『東アジアの論理』
小山俊樹著『五・一五事件』
渋武容著『日本の航空産業』
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岡西政典著『新種の発見』
詫摩佳代著『人類と病』
渡辺靖著『白人ナショナリズム』
遠藤耕太郎著『万葉集の起源』
小和田哲男著『戦国武将の叡智』
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野口雅弘著『マックス・ウェーバー』
中谷功治著『ビザンツ帝国』
倉沢愛子著『インドネシア大虐殺』
蔭山宏著『カール・シュミット』
品川哲彦著『倫理学入門』
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都留康著『お酒の経済学』
金誠著『孫基禎―帝国日本の朝鮮人メダリスト』
石原比伊呂著『北朝の天皇』
春木育美著『韓国社会の現在』
小塩真司著『性格とは何か』
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蟹江憲史著『SDGs(持続可能な開発目標)』
藤野裕子著『民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代』
岡田暁生著『音楽の危機』
園田茂人著『アジアの国民感情』
上野誠著『万葉集講義』
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武田徹著『現代日本を読む―ノンフィクションの名作・問題作』
對馬達雄著『ヒトラーの脱走兵』
岡山裕著『アメリカの政党政治』
伊藤亜聖著『デジタル化する新興国』
小林登志子著『古代メソポタミア全史』
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深田麻里亜著『カラー版 ラファエロ―ルネサンスの天才芸術家』
河合信晴著『物語 東ドイツの歴史』
植木雅俊著『法華経とは何か』
一坂太郎著『暗殺の幕末維新史』
中元崇智著『板垣退助』
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小山聡子著『もののけの日本史』
竹中治堅著『コロナ危機の政治』
田中拓道著『リベラルとは何か』
福島克彦著『明智光秀』
鈴木真太郎著『古代マヤ文明』
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波多野澄雄著『「徴用工」問題とは何か』
黒木登志夫著『新型コロナの科学』