2022 03/14
中公新書の60年

2014年の中公新書

天災から日本史を読みなおす豊臣政権を揺るがした二度の大地震、一七〇七年の宝永地震が招いた富士山噴火、佐賀藩を「軍事大国」に変えた台風、森繁久彌が遭遇した大津波――。史料に残された「災い」の記録をひもとくと、「もう一つの日本史」が見えてくる。富士山の火山灰はどれほど降るのか、土砂崩れを知らせる「臭い」、そして津波から助かるための鉄則とは。東日本大震災後に津波常襲地に移住した著者が伝える、災害から命を守る先人の知恵。

磯田道史(いそだ・みちふみ)1970-。歴史学者。国際日本文化研究センター教授

この年のできごと1月 理研などの研究チーム、科学誌『ネイチャー』にSTAP細胞作製が成功したと発表。のちに論文に意図的不正があったと公表される
2月 ロシア・ソチで冬季五輪が開催。羽生結弦がフィギュア男子シングルでアジア人初の金メダルを獲得
同月 ロシアがウクライナ領クリミアに軍事介入
3月 映画『アナと雪の女王』が日本で公開。劇中歌の「Let It Go~ありのままで~」が人気を博す
9月 御嶽山が噴火。58名死亡、5名が行方不明となった
10月 ノーベル賞平和賞発表。マララ・ユスフザイが史上最年少の17歳で受賞

この年のラインナップ根本敬著『物語 ビルマの歴史』
内山真著『睡眠のはなし』
田澤耕著『〈辞書屋〉列伝』
玄侑宗久著『さすらいの仏教語』
佐藤彰一著『禁欲のヨーロッパ』
    *
今野真二著『かなづかいの歴史』
長谷川櫂著『四季のうた―詩歌の花束』
中村彰彦著『ある幕臣の戊辰戦争』
矢野久美子著『ハンナ・アーレント』
繁桝江里著『ダメ出しの力』
    *
塚谷裕一著『カラー版 スキマの植物図鑑』
原田勉著『イノベーション戦略の論理』
長谷川修一著『旧約聖書の謎』
大西裕著『先進国・韓国の憂鬱』
松田美佐著『うわさとは何か』
    *
安廷苑著『細川ガラシャ』
藤田達生著『天下統一』
板橋拓己著『アデナウアー』
本村凌二著『世界史の叡智 悪役・名脇役篇』
一坂太郎著『幕末維新の城』
    *
老川慶喜著『日本鉄道史 幕末・明治篇』
大谷正著『日清戦争』
佐藤靖著『NASA―宇宙開発の60年』
高田博行著『ヒトラー演説』
揖斐高著『江戸幕府と儒学者』
    *
横手慎二著『スターリン』
篠原健一著『アメリカ自動車産業』
田中康二著『本居宣長』
正高信男著『音楽を愛でるサル』
谷口克広著『信長と将軍義昭』
    *
松尾秀哉著『物語 ベルギーの歴史』
小山慶太著『入門 現代物理学』
山田雄司著『怨霊とは何か』
増田寛也編著『地方消滅』
逢坂巌著『日本政治とメディア』
    *
将基面貴巳著『言論抑圧』
堀啓子著『日本ミステリー小説史』
安達正勝著『マリー・アントワネット』
上川龍之進著『日本銀行と政治』
細見和之著『フランクフルト学派』
    *
黒井千次著『老いの味わい』
吉田類著『酒場詩人の流儀』
一坂太郎著『吉田松陰とその家族』
木下長宏著『カラー版 ゴッホ〈自画像〉紀行』
中村圭志著『教養としての宗教入門』
    *
門松秀樹著『明治維新と幕臣』
磯田道史著『天災から日本史を読みなおす』
福永文夫著『日本占領史 1945-1952』
上垣外憲一著『勝海舟と幕末外交』
森正人著『四国遍路』
    *
東京大学史料編纂所編『日本史の森をゆく』