2021 11/29
中公新書の60年

2003年の中公新書

教養主義の没落一九七〇年前後まで、教養主義はキャンパスの規範文化であった。それは、そのまま社会人になったあとまで、常識としてゆきわたっていた。人格形成や社会改良のための読書による教養主義は、なぜ学生たちを魅了したのだろうか。本書は、大正時代の旧制高校を発祥地として、その後の半世紀間、日本の大学に君臨した教養主義と教養主義者の輝ける実態と、その後の没落過程に光を当てる試みである。

竹内洋(たけうち・ひろし)1942-。社会学者。関西大学東京センター長

この年のできごと3月 イラク戦争を開始。翌月米・英軍がイラク全土を掌握
4月 養老孟司著『バカの壁』刊行、450万部を超えるベストセラーに
同月 韓国ドラマ『冬のソナタ』がNHKで放送開始。韓流ブームを巻き起こす
5月 個人情報保護法が成立
7月 WHO、新型肺炎SARS終息宣言
12月 BSE対策で、米国産牛肉の輸入を停止

この年のラインナップ津島佑子著『快楽の本棚』
田尾雅夫著『成功の技法』
河合雅雄編『ふしぎの博物誌』
木下正史著『藤原京』
小林英夫著『産業空洞化の克服』
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池谷浩著『火山災害』
浅野和生著『イスタンブールの大聖堂』
串田久治著『儒教の知恵』
中西寛著『国際政治とは何か』
加藤秀治郎著『日本の選挙』
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鈴木輝二著『ユダヤ・エリート』
小原嘉明著『モンシロチョウ』
小山慶太著『科学史年表』
久本憲夫著『正社員ルネサンス』
中塚裕著『カラー版 スイスー花の旅』
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辻ミチ子著『女たちの幕末京都』
鈴木真二著『飛行機物語』
冨谷至著『韓非子』
大久保喬樹著『日本文化論の系譜』
四方義啓著『数学をなぜ学ぶのか』
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向一陽著『日本 川紀行』
高牧實著『馬琴一家の江戸暮らし』
藤本隆宏著『能力構築競争』
斎藤兆史著『英語達人塾』
外山滋比古著『ユーモアのレッスン』
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山本博文著『武士と世間』
竹内洋著『教養主義の没落』
松岡完著『ベトナム症候群』
田中修著『ふしぎの植物学』
森本達雄著『ヒンドゥー教―インドの聖と俗』
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大嶽秀夫著『日本型ポピュリズム』
島泰三著『親指はなぜ太いのか』
佐野真由子著『オールコックの江戸』
米原謙著『徳富蘇峰』
正高信男著『ケータイを持ったサル』
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太田肇著『選別主義を超えて』
三輪眞木子著『情報検索のスキル』
佐佐木幸綱著『男うた女うたー男性歌人篇』
馬場あき子著『男うた女うた―女性歌人篇』
小川英雄著『ローマ帝国の神々』
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江下雅之著『レポートの作り方』
養老孟司著『まともな人』
藤田勝久著『司馬遷の旅』
村上政博著『法科大学院』
河合忠一著『心筋症の話』
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藤田覚著『大江戸世相夜話』
越後島研一著『現代建築の冒険』
高橋睦郎著『百人一首』
井上尚英著『生物兵器と化学兵器』
渡辺利夫/三浦有史著『ODA(政府開発援助)』
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星亮一著『会津落城』