2021 08/23
中公新書の60年

1990年の中公新書

『室町の王権 足利義満の王権簒奪計画』
強大なカリスマ性をもって、絶対主義政策・中央集権化を支持する官僚・公家・寺社勢力を操り、武家の身で天皇制度の改廃に着手した室町将軍足利義満は、祭祀権・叙任権などの諸権力を我が物にして対外的に〈国王〉の地位を得たが、その死によって天皇権力簒奪計画は挫折する。天皇制度の分岐点ともいうべき応永の時代に君臨した義満と、これに対抗した有力守護グループのせめぎあいの中に、天皇家存続の謎を解く鍵を模索する。

今谷明(いまたに・あきら)1942-。歴史学者。国際日本文化研究センター名誉教授

この年のできごと3月 アフリカのナミビア共和国が独立
4月 スペースシャトル・ディスカバリー号がハッブル宇宙望遠鏡を搭載し、打ち上げられる
7月 日系二世のアルベルト・フジモリ、ペルー大統領に
8月 森重文が「数学のノーベル賞」と言われるフィールズ賞受賞
10月 東西ドイツ、国家統一
11月 平成の天皇、新憲法下で初となる即位の礼。大嘗祭

この年のラインナップ手塚和彰著『労働力移動の時代』
湯浅慎一著『フリーメイソンリー』
中島義道著『ウィーン愛憎』
宮智宗七著『帰国子女』
水野肇著『インフォームド・コンセント』
    *
杉山幸丸著『サルはなぜ群れるのか』
名和小太郎著『技術標準対知的所有権』
渡瀬信之著『マヌ法典』
宇田川武久著『鉄炮伝来』
永原慶二著『新・木綿以前のこと』
    *
川本三郎著『アカデミー賞』
喜多村和之著『大学淘汰の時代』
西澤潤一著『私のロマンと科学』
星亮一著『敗者の維新史』
奥井智之著『60冊の書物による 現代社会論』
    *
土橋寛著『日本語に探る古代信仰』
増田芳雄著『モヤシはどこまで育つのか』
永田実著『マーシャル・プラン』
丸田隆著『陪審裁判を考える』
狩野恭一著『免疫学の時代』
    *
竹内実著『愛のうた―中華愛誦詩選』
高橋富雄著『徳一と最澄』
山口嘉之著『水を訪れる』
小和田哲男著『軍師・参謀』
今谷明著『室町の王権』
    *
中尾舜一著『セミの自然誌』
ボ・ミンガウン著/田辺寿夫訳編『アウンサン将軍と三十人の志士』
藤田富士夫著『古代の日本海文化』
渡辺利夫著『アジア新潮流』
笈川博一著『古代エジプト』
    *
木原弘二著『痛風』
加藤秀俊著『人生にとって組織とはなにか』
秋山仁著『数学流生き方の再発見』
細金正人著『兜町の四十年』
工藤精一郎著『ロシア文学裏ばなし』
    *
加地伸行著『儒教とは何か』
佐和隆光著『サービス化経済入門』
竹内実/萩野脩二著『閑適のうた 中華愛誦詩選』
井上勇一著『鉄道ゲージが変えた現代史』
今田述著『トワン、ガンバルか?』
    *
飯塚信雄著『手芸が語るロココ』
五味文彦著『中世のことばと絵』
木戸蓊著『激動の東欧史』
熊倉千之著『日本人の表現力と個性』
宮本健作著『母と子の絆』
    *
小島明著『グローバリゼーション』