2021 07/27
編集部だより

イタリアの猛暑

サン・ピエトロ大聖堂は4世紀の創建で、現在の建物は17世紀に竣工。バチカン・オベリスクとともにみえる

平素より中公新書をご愛読くださり、まことにありがとうございます。
この春に中公新書編集部に入りました、(古)と申します。
連日猛暑がつづく今日このごろですが、いかがお過ごしでしょうか。
小社中央公論新社は東京の大手町にありますが、例年、東京の暑さは体にこたえるものがありますね。

真夏の暑さといえば、さる4年前の7月、夏休みを長めにとって、イタリアの都市をめぐった旅を思い出します。
ローマにあるバチカン市国のカトリック教会総本山、サン・ピエトロ大聖堂に来てみると、すでに長蛇の列。
大勢の観光客にめぐまれるのは喜ばしきことですが、炎天下のなか1時間半の待ちぼうけには白旗をあげました。
この日のうだる暑さは鮮烈で、焼かれていくことを自分の皮膚は今でも覚えているかのようです。

でも、そんな予期せぬ環境に身をおくということも、旅の醍醐味ですね。
新型コロナの感染拡大にともない、予定していたことも、あらたにやりたいことも、ままならないという状況がつづいています。

中公新書には数々の紀行文、歴史本があります。イタリアや紀行文といえば、『物語 イタリアの歴史』(藤沢道郎著)や『ドイツ 町から町へ』(池内紀著)など、読み継がれている作品も多いです。
お隣のフランスですが、8月20日ごろには、『物語 パリの歴史』(福井憲彦著)という新刊も発売される予定です。
涼しい部屋で読書にふけって、こういうときは時空の旅に繰り出すのもわるくないのかもしれません。(古)